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2007年03月30日

ずれてます。すみません。

Internet Explorerで、このブログを見ていただいている皆様。
多分、フィルム・ノワール作品INDEXのTable幅がオーバーして右サイドバーが下にいっちゃってると思うんですが。FireFoxとかOperaだとちゃんとサイズ内に収まるんですけどねぇ。毎度IEには悩まされます。

今まで治そうと頑張っていたのですが調整できず。しばらく見苦しいと思いますがご勘弁ください。なるべく早く治します。
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2007年03月29日

フィルム・ノワール作品INDEX

フィルム・ノワール作品INDEX

フィルム・ノワールの特集を終えたので、「フィルム・ノワール作品INDEX」なるものを作ってみました。ランク50まではIMDbのFilm-Noir Best50に拠っております。その中に入っていないもの(※印)10本を含めると全部で30本のノワール作品を見たことになります。こうしてみるとまだまだ有名作品を見逃してるなぁ。

しかし、こうして何本か見てみると、一口に『フィルム・ノワール』といってもいろいろなタイプの作品がありますね。もともとジャンルわけの難しい分野でもあるので、人によっても見解はさまざまなようです。

私の場合は、こんなものを感じる作品をフィルム・ノワールとしたいのです。
   ・善悪混沌とした中でだんだん追い詰められて逃げ場が無くなっていく感じ
   ・屈折した登場人物
   ・白と黒の切れ味鋭い映像とカメラワークのこだわり
   ・狂気をはらんだシチュエーション
   ・女→よく言われる”ファム・ファタール”でなくてもいいのです。作品の中にビシッと位置づく女の存在。
   
そういう観点からいくと、30本観た中で特に印象に残ったのはこんな作品。どれも甲乙つけがたいのですが、上の5項目で●◎○つけてみるとこんな感じかな。この7作品は当然5項目全てについて素晴らしい。その中での相対的印象です。●は◎中でも最高!なポイント。

『深夜の告白』 ビリー・ワイルダー監督 ◎◎○○●
『アスファルト・ジャングル』 ジョン・ヒューストン監督 ●◎◎◎○
『暗黒街の弾痕』 フリッツ・ラング監督 ●○◎◎◎
『白熱』 ラオール・ウォルシュ監督 ○●○◎○
『サンセット大通り』 ビリー・ワイルダー監督 ◎◎○●○
『探偵物語』 ウィリアム・ワイラー監督 ◎◎●○○
『黒い罠』 オーソン・ウェルズ監督 ◎◎●◎○

リストにもいくつか見えるヒッチコック作品ですが、IMDbベスト50に入っているものは敬意を表してそのままにしています。ヒッチコックがフィルム・ノワール作家に影響を与えたことは間違いないようですが、ここではその他の作品(『めまい』とか)は含めませんでした。というのも、ヒッチコックは追い詰められた暗さ・狂気見たいなものとちょっと違うと思うんですよね。本人も作品も。本人のイメージが強いんだと思うんですけど、なんかこう余裕があって、センスのいい大人のいたずらを楽しんでいる感じ。。。ちょっとフィルム・ノワールって感じじゃないんだなあ。ということではずしました(完全に個人の好み)。

日本語タイトルのリンクからは、当ブログの記事へ、英語タイトルのリンクからはIMDbの作品ページ(英語)へいけますので是非ご利用下さい。

ランク
邦題 原題(製作年) 監督
1 サンセット大通り Sunset Blvd. (1950) ビリー・ワイルダー
2 M M (1931) フリッツ・ラング
3 第三の男 Third Man, The (1949) キャロル・リード
4 深夜の告白 Double Indemnity (1944) ビリー・ワイルダー
5 マルタの鷹 Maltese Falcon, The (1941) ジョン・ヒューストン
6 黒い罠 Touch of Evil (1958) オーソン・ウェルズ
7 見知らぬ乗客 Strangers on a Train (1951) アルフレッド・ヒッチコック
8 三つ数えろ Big Sleep, The (1946) ハワード・ホークス
9 汚名 Notorious (1946) アルフレッド・ヒッチコック
10 地獄の英雄 Ace in the Hole (1951) ビリー・ワイルダー
11 仮面の米国 I Am a Fugitive from a Chain Gang (1932) マーヴィン・ルロイ
12 現金に体を張れ Killing, The (1956) スタンリー・キューブリック
13 過去を逃れて Out of the Past (1947) ジャック・ターナー
14 成功の甘き香り Sweet Smell of Success (1957) アレクサンダー・マッケンドリック
15 疑惑の影 Shadow of a Doubt (1943) アルフレッド・ヒッチコック
16 失われた週末 Lost Weekend, The (1945) ビリー・ワイルダー
17 狩人の夜 Night of the Hunter, The (1955) チャールズ・ロートン
18 白熱 White Heat (1949) ラオール・ウォルシュ
19 悪魔の往く町 Nightmare Alley (1947) エドマンド・グールディング
20 ローラ殺人事件 Laura (1944) オットー・プレミンジャー
21 Set-Up, The (1949) ロバート・ワイズ
22 キー・ラーゴ Key Largo (1948) ジョン・ヒューストン
23 ボディ・アンド・ソウル Body and Soul (1947) ロベルト・ロッセン
24 街の野獣 Night and the City (1950) ジュールス・ダッシン
25 暗黒街の顔役 Scarface (1932) ハワード・ホークス
26 復讐は俺に任せろ Big Heat, The (1953) フリッツ・ラング
27 拾った女  Pickup on South Street (1953) サミュエル・フラー
28 汚れた顔の天使 Angels with Dirty Faces (1938) マイケル・カーティス
29 殺人者 Killers, The (1946) ロバート・シオドマク
30 郵便配達は二度ベルを鳴らす Ossessione (1943) ルキノ・ヴィスコンティ
31 孤独な場所で In a Lonely Place (1950) ニコラス・レイ
32 その女を殺せ Narrow Margin, The (1952) リチャード・フライシャー
33 アスファルト・ジャングル Asphalt Jungle, The (1950) ジョン・ヒューストン
34 拳銃魔 Deadly Is the Female (1950) ジョセフ・H・ルイス
35 緋色の街 Scarlet Street (1945) フリッツ・ラング
36 上海から来た女 Lady from Shanghai, The (1947) オーソン・ウェルズ
37 飾窓の女 Woman in the Window, The (1944) フリッツ・ラング
38 激怒 Fury (1936) フリッツ・ラング
39 拳銃貸します This Gun for Hire (1942) フランク・タトル
40 大時計 Big Clock, The (1948) ジョン・ファロー
41 ギルダ Gilda (1946) チャールズ・ヴィダー
42 歩道の終わる所 Where the Sidewalk Ends (1950) オットー・プレミンジャー
43 月光の女 Letter, The (1940) ウィリアム・ワイラー
44 死の接吻 Kiss of Death (1947) ヘンリー・ハサウェイ
45 深夜復讐便 Thieves' Highway (1949) ジュールス・ダッシン
46 ブロンドの殺人者 Murder, My Sweet (1944) エドワード・ドミトリク
47 ミルドレッド・ピアース Mildred Pierce (1945) マイケル・カーティス
48 真昼の暴動 Brute Force (1947) ジュールス・ダッシン
49 裸の街 Naked City, The (1948) ジュールス・ダッシン
50 必死の逃亡者 Desperate Hours, The (1955) ウィリアム・ワイラー
暗黒街の弾痕 You only live once (1937) フリッツ・ラング
ストレンジャー The Stranger (1946) オーソン・ウェルズ
ガス燈 Gaslight (1944) ジョージ・キューカー
記憶の代償 Somewhere in the Night (1946) ジョセフ・L・マンキウィッツ
消された証人 Tight Spot(1955) フィル・カールソン
仕組まれた罠 Human Desire (1954) フリッツ・ラング
都会の牙 D.O.A (1950) ルドルフ・マテ
非常の罠 Killer's Kiss (1950) スタンリー・キューブリック
郵便配達は二度ベルを鳴らす The Postman Always Rings Twice (1946) テイ・ガーネット
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2007年03月23日

#157『暗黒街の弾痕』フリッツ・ラング監督 1937年アメリカ

youonlyliveonce.jpg
”YOU ONLY LIVE ONCE”

監督:フリッツ・ラング
製作:ウォルター・ウェンジャー
原作・脚本:ジーン・タウン/グレアム・ベイカー
撮影:レオン・シャムロイ
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ヘンリー・フォンダ/シルヴィア・シドニー
   ウィリアム・ガーガン/バートン・マクレーン
   ジーン・ディクソン/ジェローム・コーワン
   マーガレット・ハミルトン/ウォード・ボンド
   グイン・ウィリアムズ/ジャック・カーソン

詳しい作品情報はこちら
    ⇒IMDb(英語)


ネタバレ注意!ラストまで語ってますので、知りたくない人は読まないでください。

フリッツ・ラングがナチスの台頭を嫌って渡米したのは1934年。『激怒』に続くハリウッド二本目の作品がこの『暗黒外の弾痕』。戦前戦後の暗い世相をヨーロッパ出身の監督がハリウッドに持ち込んだことがフィルム・ノワールというジャンルが生まれたきっかけと言われていますが、フリッツ・ラングはまさにその中心人物。それなのに、これまであんまり面白い作品観てなかったんですよ!

これまでこのブログでは、『復讐は俺に任せろ』('53)『仕組まれた罠』('54)という二本のラング作品について感想をアップしましたが、どちらも★3つ。可もなく不可もなし。『仕組まれた罠』では、グロリア・グレアムという今まで知らなかった魅力的な女優を発見し、ブロデリック・クロフォードの駄目になっていく人間の演技も良かったのですが、映画全体としてはこじんまりとした感じ。『復讐は俺に任せろ』も同様でした。なんかこう、キューってくる感動とか、おお!という驚きとか、感情の振幅を広げてくれないんですよね。整ってるけど。さて、この作品はどうでしょう。

強盗常習犯で服役中のエディ(暗いぞ!ヘンリー・フォンダ)は、晴れて釈放となり弁護士事務所で働く婚約者ジョー(シルヴィア・シドニー)と結婚。意気揚々と新婚旅行に向かうが、前科者であるという理由で旅先の宿から追い出されてしまう。その後、彼は運送屋でトラック運転手として働き始めるが、二人で新居を物色していて仕事が遅れ、一方的に解雇される。何度も謝罪するが許されず、逆上した彼は上司を殴り倒して出ていく。そうと知らないジョーは、まだ前金しか払っていない新居に移り住み、いそいそと新婚生活の準備を始める。週末までに残金を払わなければいけないエディは、またしても悪の道に誘惑されはじめる。やがて起きた凶悪な銀行強盗、ジョーのもとに逃れてきたエディは、犯人は自分ではないと主張する。ジョーは、無実ならば自首するべきだと説得し、彼は裁判を受けるのだが、ここでも前科のあることが災いし死刑を宣告されてしまう。。。

物語後半は刑務所を脱走したエディとジョーの逃避行になるのですが、二人の姿に目頭が熱くなるんだなぁ。前科者エディに対する世間の目はどこまでも冷たくて、疑心暗鬼から助かるチャンスもフイにし、逃避行を続けるうちにやってもいない罪まで彼らのせいにされ、もうどこにもエディの行くべき道はない。彼らに押し入られたガソリンスタンドの店員が盗られてもいない現金を被害申告するときのうすら笑い。エディに対する世間の冷たさが凝縮されています。ワン・ショットを実にたくみに語らせます。ヘンリー・フォンダの異様に暗い表情(目線が特に暗い)、登場シーンからいきなり暗いオーラを放っていましたが、後半になるとその異常なくらいの暗さがまさにぴったりのストーリー展開になってきます。

そして、ジョー。シルヴィア・シドニー。一度は彼女のせいでどん底に落ちてしまったエディを二度と見捨てないと誓った彼女は、とことん彼と一緒にいようとします。身重なのに、車の中には雨風が吹き込む・・・泣。どことも知れない朽ち果てた炭焼き小屋で子どもを生み、ボロ毛布に包まって・・・。エディが彼女にできることは野に咲く花を摘んで小さな花束を作ることくらいしかない。それでも、ジョーはエディに微笑みかけます。生まれたばかりの赤ん坊にも微笑みかけます。なんてやさしくて、幸せそうで、いい笑顔なんだ・・・大泣。幸せだった頃の屈託のない笑顔も良いが、後半の彼女の笑顔は女神の笑顔ですな。もう人のものではない。

シルヴィア・シドニーはヒッチコックの『サボタージュ』(前年の'36)で観かけて以来。その時は「え?子ども?」って感じでユニークな(変な)女優という印象だったのですが、この作品では、無邪気で世間知らずなお嬢さんから一人の男をとことん愛し抜く女神のような女への変貌を見事に演じています。ファンになってしまいましたあ。こっち向いて笑ってほしい!(ちなみに、前半の舌足らずなしゃべり方もマニアックに良いが・・。)

映画の後半になると、もう二人の運命は容易に想像することが出来ます。この流れは『俺たちに明日はない』につながっていくんだろうなぁ・・・と思っていたら、このストーリー自体がボニー&クライドの事件を下敷きにしてるんですか?ほんとに?うーん、さもありなん。うまく逃げおおせたかに見えた二人は、ジョーの何気ない行動(ああ、またしても運命が・・・)が元で一気に破滅へと向かいます。この時のタバコ屋の看板の見せ方が面白い。バリケードを突破して、二人とも警官にマシンガンで撃たれているのに、お互い相手を心配させまいと撃たれたことを言わない・・・・。ここに来て、ついに涙あふれましたよ。このラストシーンは、『俺たちに明日はない』のショッキングなラストよりもジーンと内側から響いてきますね。神父の声もまた良い。

フィルム・ノワールは、1941年の『マルタの鷹』が始まりと言われているので、37年のこの作品は含めないのかもしれませんが、まあ、そんな細かい話はどうでも良い。刑務所の霧とサーチライトのイメージやヘンリー・フォンダの暗さとどんどん追い詰められていく閉塞感、ラストシーンのむなしさなどは間違いなくノワールの香り。その後の作品に大きく影響していることはまちがいないでしょう。しかも、これまで観てきた中でも1・2を争う素晴らしさでありました。

前回、『消された証人』がコケたおかげで思わず良い作品にめぐり合って良かった。ありがとうジンジャー・ロジャース!大満足しましたので1940・50年代フィルム・ノワール特集はいったん終了にしたいと思います。まだまだ未見の傑作はたくさんあるのですが(特に40年代のラング作品を一つもラインナップしていないのはあまりにも間抜け・・・)、それはまた今後のお楽しみということにいたしましょう。★★★★★

で、次回からですが・・・・サイレント映画・・?

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2007年03月20日

#156『消された証人』フィル・カールソン監督 1955年アメリカ

tightspot.jpg
”TIGHT SPOT”

監督:フィル・カールソン
製作:ルイス・J・ラックミル
脚本:ウィリアム・バワーズ
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:ジョージ・ダニング
出演:ジンジャー・ロジャース/エドワード・G・ロビンソン
ブライアン・キース
詳しい作品情報はこちら
    ⇒IMDb(英語)

暗黒街のボスを国外追放に出来る事実を知るシェリー・コンレイ(ジンジャー・ロジャース)を、法廷で証言させるべく悪戦苦闘の検事ロイド(エドワード・G・ロビンソン)と護衛刑事ヴィンス(ブライアン・キース)。服役中の刑務所から高級ホテルの一室に移されたシェリーは、頑なに証言を拒否。ロイドは手を変え品を変え彼女を説得するが一向に事態は進展しない。護衛の警官でいっぱいのホテルにも組織の刺客は襲いかかり、間一髪ヴィンスに救われたシェリーは、次第に彼と心を通わせていくが、そこには意外な真相が・・・。

ジンジャー・ロジャースとエドワード・G・ロビンソン主演のフィルム・ノワール作品ということで楽しみにしていたのですが、、、あんまり面白くなかったなぁ。証人をめぐるサスペンス、ギャングの殺し屋、裏切りあり、適度などんでん返しもあってストーリーとしては使い古されているものの、面白くなる題材だと思うんですけどね。なんでかなぁ。

一つは、シナリオとしてジンジャー・ロジャース扮するシェリーを前面に押し出しすぎたことじゃないでしょうか。検事/刑事・ギャング・証人の三つ巴が良いところと思いますが、大半がホテル室内でのジンジャー・ロジャースの芝居。彼女の過去に絡む姉とのやり取りなんぞもシェリーが勝手にキレて勝手にぶち壊して勝手に落ち込んで、はい終わり、という感じ。「君のせいじゃない」と慰めるロビンソンが馬鹿に見えるほどの一人芝居でした。

そして、その一人芝居を演じるジンジャー・ロジャースの演技ですけど、、、なんかこう、いただけないんですよねぇ。いかにも内面に葛藤がありながらも気の強い女性を強調しましたという演技で、フィルム・ノワール作品の雰囲気にはそぐわない大げさな演技だと思うんですよ。彼女がこの役を演じるのに年をとりすぎていた(44歳)という見方もあるようですが、決して年の問題ではなくて、演技の性質が作品の性質にマッチしてないと思うんですよね。台詞回し・表情の作り方・目の使い方(とにかく、目がよくモノを言う)など芸としてはうまいのかもしれません。大作系のラブロマンスなんかだと効いてくるのかも。

で、もうひとつはジンジャー・ロジャース以外の役者に精彩がないこと。期待の検事役ロビンソンは途中どこで何してるんだかわからない。行動としてつながりがないから、後半彼女に怒りを爆発させても唐突な感じで説得力がない。役の検事としても鈍感(最期は普通裏があるって気がつくだろ!ってとこを素通り・・・)。前回ロビンソンを見かけた『深夜の告白』のカミソリのように鋭い保険調査員キーズとは月とスッポン。役どころと演じ方が似てるので、ついつい比べてしまうのです(意味ないけど)。刑事役ブライアン・キースはなかなかいい味を出していますが、ロジャースに付き合うのが精一杯と言う感じ。

うーん、そろそろフィルム・ノワール特集終わりにしようかと思っていたのですが、ちょっとこの作品では終われない。もう一本二本観てみることにしましょうか。他に何があったかな。。。

★★☆☆☆
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消された証人消された証人
ジンジャー・ロジャース

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2007年03月19日

#155『白熱』ラオール・ウォルシュ監督 1949年アメリカ

White Heat.jpg
”WHITE HEAT”

監督:ラオール・ウォルシュ
製作:ルイス・F・エデルマン
原案:ヴァージニア・ケロッグ
脚本:アイヴァン・ゴッフ/ベン・ロバーツ
撮影:シド・ヒコックス
作曲:マックス・スタイナー
出演:ジェームズ・キャグニー/ヴァージニア・メイヨ
   スティーヴ・コクラン/エドモンド・オブライエン
   マーガレット・ワイチャーリイ/フレッド・クラーク

詳しい作品情報はこちら
    ⇒白熱(1949)(1949) - goo 映画
    ⇒IMDb(英語)

ネタバレです。

ジェームズ・キャグニー扮するギャングのボス、コーディ・ジャレットの常軌を逸したキャラクターは、もう、なんと表現すればいいんでしょう・・・。特典映像を見ると、キャグニー自身、このキャラクターにはかなりのこだわりと思い入れがあったらしく、「完璧な性格異常者を演じる」と言っていたらしい。

この映画ビリっと映像が緊張してるでしょ。いや、本当は映像を見ている自分が緊張しているんですけどね。その緊張感がどこから来るかというと、この”性格異常者”ジャレットの類まれなキャラに尽きますね。冒頭の列車強盗からラストシーンの化学工場までアブノーマルな魅力十分。コーディ・ジャレットが映画の中心で、彼を取り巻くものは全て緊張しています。

とにかく邪魔者は全て殺す。ジャレットの服役中に裏切ろうとしたビッグ・エドをためらいなく射殺し、階段から転がり落ちた死体を見下ろして自慢げな満足顔。ビッグ・エドの命令でジャレットを殺そうとした男を、わざわざ一緒に脱獄させておいて車のトランクに詰め込んで、出かけるついでに思い出したように射殺。鳥の肢を食いながら眉一つ動かしません。列車強盗で自分の名前を知られた機関士も躊躇なく射殺。列車強盗で機関車の蒸気を浴びて包帯グルグルになり、医者の助けを請う仲間にも射殺命令。ラストの化学工場で警官隊に追い詰められても最後の一人になるまで暴れまくり、撃ちまくる。何人警官が死んだことか。おまけに最期のなんと派手なこと。

妻バーナ(ヴァージニア・メイヨ)のことも信頼していません。ちなみに、バーナは下品で姑息で、エドと結託してジャレットを裏切るも、彼が戻ったと知るやさっさとエドを見捨ててジャレットに尻尾を振るという現金さ。別の意味でジャレットとの関係は緊張がみなぎっています。

彼が信頼していたのは二人だけで、一人は母親(マーガレット・ワイチャーリイ)。信じる母との関係は多少まともかと思いきや、今度は典型的なマザコンときました。“子どものころに母親の気を引こうとして頭痛のまねをしていたら、本当に頭痛の発作を起こすようになった”らしく(ホントですか??)、突然ぶっ倒れて七転八倒する姿もますますアブナイ。血も涙もなく敵を撃ち殺す冷血漢のくせに母親のひざに乗って抱きしめられて安心する息子も息子ならば、そんな悪鬼のような息子に「いいかい、世界一になるんだよ」と言い聞かせる母も母。ゆがんでる。

そしてもう一人は、刑務所内で知り合ったパード、実は警察の潜入捜査官ファロン(エドモンド・オブライエン)。腹心のビッグ・エドすら信用しなかったジャレットですが、命を救われたパードには次第に心を許し、まさに全幅の信頼をおきますね。それはもう仲の良い兄弟のようで髪の毛一筋ほどの疑いも抱きません。この落差がまたまた狂気を匂いたたせるんですよね。

結局、母親は死に、ファロンの正体も知ることになりますが、この信頼していた二人との決別シーンは秀逸。刑務所の昼食時に母の死を知ったジャレットは気が狂ったように泣き喚き、暴れます。撮影時には詳しい演技内容を知らなかった囚人役のエキストラ数十名が思わずすさまじさに凍りついたそうです。そして、ファロンの正体を知ったとき、ジャレットは泣き笑いしながら裏切られた悔しさをぶつけます。これがまた・・・キャグニー、取り付かれたような名演技でした。

この映画、フィルム・ノワール作品にぜひ香っていて欲しい狂った匂いをキャグニーが思う存分に発散させていて迫力満点。ウォルシュもよく演出しており、ドラマも面白いし映像も迫力ありますよ。でも、今回はキャグニー一点買いでしょう。40年代フィルム・ノワールの最後を飾るにふさわしい、“狂気の名作”でありました。満足です。

★★★★☆
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2007年03月15日

#154『探偵物語』ウィリアム・ワイラー監督 1951年アメリカ

detectivestory.jpg
”Detective Story”

監督・製作:ウィリアム・ワイラー
原作:シドニー・キングスレー
脚本:フィリップ・ヨーダン/ロバート・ワイラー
撮影:リー・ガームス
出演:カーク・ダグラス/エリノア・パーカー
    リー・グラント/ウィリアム・ベンディックス
    キャシー・オドネル/バート・フリード
    ジョージ・マクレディ/ジョセフ・ワイズマン
    グラディス・ジョージ/フランク・フェイレン
    ルイス・ヴァン・ルーテン/クレイグ・ヒル
    ホレイス・マクマホン

詳しい作品情報はこちら
    ⇒探偵物語(1951) - goo 映画
    ⇒IMDb(英語)

ネタバレ!内容を知りたくない人は読まないほうが無難です。

シドニー・キングスレー原作による舞台劇の映画化。舞台劇の映画化といえば、最近観たものでは”カルト〜”の方に感想を載せた『デストラップ・死の罠』などがありましたが、場所が限定されているため、うまく作ると非常に密度の濃い面白い作品になるようです。

今回の『探偵物語』もその一例で、ニューヨーク21分署の刑事部屋を舞台とした刑事と犯罪者たちの一日の出来事。カメラはほとんどそこから出ることはありません。刑事部屋には万引き女や会社の金を横領した青年、強盗コンビなどさまざまな面々が連行されてきて、それを捌く刑事たちも実に個性的。それぞれの犯人と刑事たちにドラマがあって、同時並行するわけですが、カンヌ映画祭女優賞を獲得した万引き女役のリー・グラントや、クレイジーな強盗役ジョセフ・ワイズマン(個人的にはチャーリー&ルイスの強盗コンビがイタク気に入りました)、息子を戦争でなくしたベテラン刑事役ウィリアム・ベンディックスなどの演技が秀逸。しかも、彼らの演技が狭い刑事部屋の中でもつれ合うように進行するので観ていて面白いことこの上ない。それぞれの犯人たちがわざとらしく絡んだりすることはありませんが、あっちの犯人がこっちのやり取りを眺めていたり、そういうちょっとしたところの工夫が刑事部屋のリアリティを高めています。

その中に主人公の刑事ジョージ・マクラウド(カーク・ダグラス)がいるわけですが、彼は妻を愛し子どもを望む良き夫でありながら、一切の罪を頑なに許さない鬼刑事。マクラウドが現在追っているのは、もぐりの堕胎医カール・シュナイダー。彼は自分の農場で密かに堕胎手術を行っており、手術の失敗が原因で患者を死なせてしまっています。犯罪者に対する憎悪をみなぎらせて執拗に追求するマクラウドですが、シュナイダーはなかなか尻尾を出さず、ついマクラウドはシュナイダーに暴行を加え病院送りにしてしまいます。

マクラウドが罪を許せないのは、自分の父が犯罪者でありそれが原因でやさしかった母親が死んでしまったから。「犯罪者は臭いがする」と言います。同時に扱っている横領犯の青年に対しても、同僚刑事(ベンディックス)が良かれと思って口をきき、被害者が告訴を取り下げることに同意し、駆けつけた幼馴染(キャシー・オドネル)が泣いてすがってもマクラウドは許しません。

そういう、マクラウドの性格をうまく見せながら、物語の後半でその矛先が愛する妻(エリノア・パーカー)に向かっていく様は観ていて思わず嘆息してしまいます。この映画は、犯罪者と刑事でごったがえす刑事部屋の一日を描きながら、実はジョージ・マクラウドという一人の男の心の葛藤とその決着をテーマにしてるんですね。

彼の妻には重大な過去の過ちがあり、それが現在の事件に関係しているわけですが、妻を深く愛しながらもやはり過ち(犯罪ではないものの)を頑なに許せないマクラウドが哀れです。しかも、彼は父をめぐるトラウマが原因で、その過酷さが理不尽だと自覚していながらどうしてもそこから脱することが出来ない、心の地獄を味わっているわけです。自分が最も憎み消して許さないと思ってきた父親と同じ、人としての寛容さのかけらもない人間だと、こともあろうに一番愛していた妻から指摘されて心の地獄にどっぶりと頭まで浸かってしまった彼がその後とった行動は・・・。覚悟の上だったんでしょうね。★★★★☆
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2007年03月11日

#153『深夜復讐便』ジュールス・ダッシン監督 1949年アメリカ

thieves highway.jpg
”THIEVES' HIGHWAY”

監督:ジュールス・ダッシン
製作:ロバート・バスラー
製作総指揮:ダリル・F・ザナック
原作・脚本:A・I・ベゼリデス
撮影:ノーバート・ブロダイン
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:リチャード・コンテ/ヴァレンティナ・コルテーゼ
   リー・J・コッブ/バーバラ・ローレンス
   ジャック・オーキー /ミラード・ミッチェル
   ジョセフ・ペヴニー/モリス・カルノフスキー
   タマラ・シェイン

詳しい作品情報はこちら
    ⇒goo 映画
    ⇒IMDb(英語)


ジュールス・ダッシンが赤狩りでヨーロッパへ移る前の作品。実はダッシン監督の作品は始めて観るのです。『男の争い』見たいなぁ。DISCASには、監督作品ひとつしか登録されてないんですよね。そのひとつが、なんで日本未公開のこの作品なのかは謎。

ということはともかく、この作品小粒ながらなかなか面白かった。リンゴの商売をめぐる悪徳仲買人フィグリア(リー・J・コッブ)と主人公ニック(リチャード・コンテ)の闘い。ニックの父親がフィグリアに騙されて両足切断の憂き目を見ているため、この闘いは父親の復讐劇でもあります。

フィルム・ノワールって、これという定義がなかなか難しいらしい。いろんな参考文献を読んでみても確たるジャンル定義はないようで、ややもすると”こんな感じの作品”という、漠然とした特徴論でしかくくれなくなってしまいます。

まあ、ブログを書く上で厳密なジャンル定義を試みようとしているわけではありませんから、特徴論でも構わんのですが、少なくとも自分なりに納得できる基準は持っておきたいものです。で、ひとつ尺度にしているのが”どっか狂ってる”かどうか。ストーリーにしろ映像にしろ演出にしろ、どこかで狂ってしまった人間の行いを見せてほしいのです。雰囲気ですよ、雰囲気。ああ、漠然。

そういうことから見ると、前回の『復讐は俺に任せろ』はノワールっぽく出来ていますが、実は全く真っ当な内容であり対象外。説の分かれるビリー・ワイルダーの『失われた週末』なんかは犯罪には無縁でも、あの異常な閉塞感はまちがいなくフィルム・ノワール。オーソン・ウェルズの一連の作品なんかはまさにフィルム・ノワールですよ。狂いまくってる。

で、翻ってこの『深夜復讐便』。ノワールであります。

父親の復讐というプロットはあるものの、リンゴの売買ってのはちょっとあまりに身近すぎて緊張感に欠けるなぁとはじめは思ってました。トラックでサンフランシスコまでリンゴを届けるくだりも、ニトロをつんで突っ走ったかの『恐怖の報酬』に比べればほんの子供だまし程度・・・。

ところが、ニックが市場についてからが俄然面白かった(トラック輸送をめぐるトラブルがメインではなくて、本番もここからだったのだが)。売買の駆け引きや、ワケありの女リカ(ヴァレンティナ・コルテーゼ)とのやり取りも面白く、リンゴ代金をめぐる二転三転もよく出来ている。ニックは、おいおいってくらい馬鹿正直というかひねりが無かったりするものの、ラストのフィグリアとの対決シーンでのキレぶりに狂気があってなかなか良い(表情変えずに手の骨を砕くあたりね)。

また、遅れてサンフランシスコをめざすニックの相棒エドのトラックにチンケな同業者二人組みがハイエナのようにくっついているのがおかしいが、結局事故って爆発炎上するトラックの背景で大量のリンゴが崖を転がり落ちる映像はシュールで異常で◎。

全体的に小粒で地味な作品であることは間違いないが、かなり上位のB級フィルム・ノワール。満足できる作品でした。

★★★★☆
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深夜復讐便
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posted by FROST at 04:41| 埼玉 ☁| Comment(3) | TrackBack(1) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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