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2006年09月05日

ショートコメント:未来世紀ブラジル 1985年/イギリス・アメリカ【DVD#109】

テリー・ギリアム監督の"近”未来映画? 実は邦題が「未来世紀」となっているだけで、どこにも未来のこととは記されていません。行き過ぎた官僚支配がはびこったアナザー・ワールドといった趣。現実社会への痛烈な皮肉ですね。

あらゆるところにダクトがうねうねととぐろを巻く不思議な世界。ぼろいのかすごいのか良くわからないコンピュータに支配された管理社会から、主人公が夢の美女を追い求たがために、少しずつドロップアウトしていく姿がうすら怖い。

行き着いたラストシーンは、画面のおぞましさと音楽の明るさのアンバランスが絶品。テリー・ギリアム一流の真っ黒なユーモアセンスが一番キレている作品。

この作品、裏側で公開をめぐってテリー・ギリアムとユニバーサル社長シドニー・シャインバーグの間で、映画も真っ青な大バトルがあったことでもつとに有名。そのあたりの詳しいことは、ジャック・マシューズ著”バトル・オブ・ブラジル”(ダゲレオ出版)に詳しい。絶版だけど、もし手に入る機会があれば、是非一読をお勧めします。映画ビジネスの裏側が一目瞭然。

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2006年07月15日

ショートコメント:チャーリーとチョコレート工場

ハッピーな子供向けファンタジーかと思いきや、結構ブラックでいいですな。

ヒッチコックが一段落して次のテーマを決めかねているのだが、とりあえず子供たちと観た映画のショート・コメントなぞを掲載。

近作に疎い私なので、全然観るつもりもなかったのだが、TSUTAYAで目に留まり子供たちのためにレンタルすることにした。

けど、結構楽しめた。CG含めて映像にはティム・バートンの意気込みを感じる。ちょっとずれたキャラクターを演じるジョニー・デップもハイ・テンションぶりが良かった。

ウィリー・ウォンカの子供時代のエピソードが入って、明るい面のメッセージはかなり明確になったのかもしれない。(それにしてもクリストファー・リーの歯医者なんてのには絶対かかりたくないな・笑)

悪がきどもがやりそうなことを先読みして、お仕置きとおまけに歌まで用意して楽しんでるウォンカのブラックさが傑作。ジョニー・デップはちょっとした仕草や目芸でその当たりうまく表現してるなぁと感心する。

1971年のオリジナル「夢のチョコレート工場」はさらにブラックだそうで、今度観てみることにする(ウンパ・ルンパがかなり不気味らしい)

公式サイトはこちらのリンクから
posted by FROST at 17:05| 埼玉 🌁| Comment(6) | TrackBack(3) | ショートコメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

ショートコメント:笑の大学

やっと観れた。

三谷幸喜脚本の「笑の大学」。最寄のTSUTAYAで5本くらいあるストックは半年間ずっと貸し出し中だったが、ひょこっと寄ってみたら手に入った。喜ばしい限りである。

かなり気に入った。自分の仕事に意地とプライドを持った者同士が、激突する。お互い理解しあう。信頼関係ができる。物事がすばらしく解決していく。三谷幸喜は、「みんなの家」しか観たことはなかったが、基本的には同じプロットか。エンディングは、こちらの方がちょっとしみじみと悲しいけどね。それでも、きちんと希望は持たせてくれている。

これほど、ガチンコ勝負のできる奴はなかなかいない。自分の仕事に自信があって、誇りがないといけない。昨今、仕事の上でもちょっと押されるとパタンと倒れて「おっしゃるとおりです」と迎合してしまうことが多い(我が身も例に漏れず・・・)。願わくばこのくらいぶつかり合える、しっかりとした中心を持っていたいものだな。

映画としては、役所広司が良かったねぇ。彼の演技がというより、キャラクターの造形と脚本と演技ひっくるめた、サカサキ=役所全体が良かった。よく言われているほど、稲垣吾郎が悪かったとも思わなかったが、役所広司とのバランスで見るとちょっと苦しかったかな。そのあたりのバランスがもう少し収まっていれば、文句なく「厳選!〜」入りだった。とりあえず、ショートコメントに載せておく。

公式サイトはこちら

次はヒッチコックの「トパーズ」。あと3作。

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posted by FROST at 15:47| 埼玉 🌁| Comment(2) | TrackBack(2) | ショートコメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月08日

ショートコメント:ヴェルクマイスター・ハーモニー

最近、皿洗いながらも電車に乗りながらも古い映画を観ていて、すっかり新しいのを観ることがなくなったのですが、先日久しぶりに1本この作品を見ました。

ハンガリーのタル・ヴェーラ監督”ヴェルクマイスター・ハーモニー”。内容などはこちらにサイトがあるのでどうぞ。

145分で37カットしかないという怒涛の長回し作品。たとえば、主人公と村の指導者の老人が暴動鎮圧のために村人を説得しに広場に向かうシーン(だったと思う)。普通は、会話する→歩く→広場に到着する→説得するというテンポのところ、

会話する→歩く→歩く(ちょっと話す)→歩く→歩く(足音)→歩く(足音)→歩く(足音)→歩く(足音)→歩く(足音)→歩く(足音)→歩く(足音)→歩く(足音)→広場に到着する→説得するという感じ。

不思議とただひたすら歩いているシーンを観ていてあきません(たっぷり三分くらい歩いてるけど)。じーっと歩いているシーンを観ている間に「広場についたらどうなるんだろう」「うまく説得できるんだろうか」「突然暴徒と化した村人に襲われたりしないんだろうか」とか、勝手にいろいろなことを考え始めるんですね。きっとそれを計算して作っているのでしょう。たいしたもんです。

「厳選!ニューシネマ」のコーナーに入れようかどうしようか迷ったのですが、まだ自分の中で消化し切れていない感じなので、とりあえずショートコメントをアップしておきました。とにかく、興味深い作品であることは間違いなし。




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2006年01月03日

ショートコメント:恋人たちの予感

正月はいろいろと忙しいです。
そろそろまとまったレビューを書きたいのですが、飲んでばっかりで落ち着いて映画を観ていないので皿洗いあたりからいこうかな。


ということで、今回は

恋人たちの予感〈特別編〉恋人たちの予感〈特別編〉
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メグ・ライアンは結構好きな女優で、出演作はなんとなく見てしまうのですが、彼女はもう少し年をとってからのほうがいいですな。特にこの作品冒頭のメグは”生(なま)”過ぎでいささかNGか。

ノーラ・エフロン脚本の軽い感じなので、ながら見にはちょうどよい作品。
「バルカン超特急のヒロインは、いやなやつと恋に落ちたのよ」
というセリフが笑えました。





posted by FROST at 23:09| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ショートコメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月27日

ショートコメント:トーマス・クラウン・アフェア

皿洗映画劇場久しぶりにアップします。というのは、最近このカテゴリが少なかったのは皿を洗いながらでもオールドムービーを見るようになったから。

ですが、やっぱり初見のオールドムービーをながら見してレビューするのはちょっと無理。ということで、本来の日本語で気楽に観れる映画の路線に戻りました。

で、本日はこれ。

”トーマス・クラウン・アフェア”


”ダイ・ハード”を撮ったジョン・マクティアナン監督、007ピアース・ブロスナン主演で製作もやってますね。いわずと知れたスティーブ・マックィーン”華麗なる賭け”のリメイクです。

この映画は好きです。「金持ちになるぞぉ!」という欲望を掻き立ててくれるから・・(笑)

その一点にしてとっても価値ある作品。

クライマックスの山高帽の男のシーンは、ヒッチコックの”北北西に進路を取れ”からいただいてるかもしれませんねぇ。

おしゃれな感じの泥棒ものではショーン・コネリーの”エントラップメント”とこれが双璧ですよ、私的には。


トーマス・クラウン・アフェアー
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2005年12月05日

ショートコメント:食神

shokusin_top.jpg食神(チャウ・シンチー監督主演)

この夏前までとっても高値で取引されていた”異色”の料理映画”食神”。7月にDVDが再販されてあんまりおいしくない商材になってしまいました。DVDはこれが怖いんですよ・・・ということはさておいて。

”カンフー・ハッスル”や”少林サッカー”でお笑い全開のチャウ・シンチー1996年の作品。この頃から変わらぬばかばかしさで大いに楽しませてくれます。取引相手と弟子の陰謀で社会的に葬り去られてしまった”食神”(香港一の料理名人)チャウ・シンチー。おなじみのまじめな顔しておバカな修行を積み、因縁の対決で見事リベンジ!いつものパターンながら良い!と思います^^



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2005年11月30日

ショートコメント:死亡遊戯

shibouyugi.jpg死亡遊戯(ロバート・クローズ監督/ブルース・リー)


いわずと知れた

ブルース・リー+そっくりさん。

何年ぶりに見たんだろう。15年はたってるような気がする。ひょっとすると20年?

一本の作品としてみてはいけませんね。

そっくりさん部分はひたすら我慢。1時間半我慢して我慢して我慢して、その分最後のアクションがすっごくおいしい!ご馳走様です。

やっぱり、ジャッキー・チェンよりジェット・リーよりブルース・リーだなぁ。

若き日のサモ・ハン・キン・ポーはここでもボコボコやられてますねぇ。下積みご苦労様でした。


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2005年11月27日

ショートコメント:カラマリ・ユニオン

カラマリ・ユニオン(アキ・カウリスマキ監督/マッティ・ペロンパー)

厳しい現実から逃れて理想の街エイラを目指すフランク。なんと15人います。全員フランクです。思い思いの方法でエイラを目指すフランクたちですが、一人一人脱落し。。

フィンランドの奇才アキ・カウリスマキ監督の長編第二作。ちょっと前に仕入れてすぐ売れるかと思ったら結構時間がかかりますねぇ・・てなことはいいのですが、

全員がフランク、全員が無表情。脈絡のない行動とセリフ。変わった映画ですね。でも面白いのは、サバイバル・ドラマだからなのか。

ある目的に向かう”一人の”男が経験しうる15通りの運命・・・なんて見方でもいいのかしらん。

一番のお気に入りは、ヘルシンキ・ホテルのドアマン・フランクでした。


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2005年11月24日

ショートコメント:ジャッカス・ザ・ムービー【DVD#38】

jackass.jpgジャッカス・ザ・ムービー(ジェフ・トレメイン監督)

あまりのおバカぶりにしばし唖然。高校生の息子と指差して大笑いしてるところを見ると意外と気に入ってるようです<自分。下ネタ系は勘弁してくださいよって言うのもかなりあり(イヤ、上品ぶってるわけじゃなくてですね、尋常な下ネタじゃないんすよ、ホント。レモンのかき氷は二度と食べない。食べられない。ToT)


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2005年11月22日

ショートコメント:タッチ・オブ・スパイス

タッチ・オブ・スパイス(タソス・ブルメティス監督/ジョージ・コラフェイス)

touch of spice_1.jpgどうも、映画の内容より登場する料理の方に目がいってしまいます。
売春宿に登場するトマトの肉詰めを作ってみようと虎視眈々。スパイスはシナモンらしい。あのままダッチオーブンに入れて丸焼きにしてしまったらひょっとしてうまいんじゃないかしらん。何の根拠もなく思いつきで料理するので、失敗したときは派手です(^^;)

ああ、失礼。映画も結構いけますよ。トルコとギリシャの紛争を背景に、大好きなおじいちゃんと恋人から引き離されてしまった主人公の男の子。料理と天文学に興味を持ち、40代を迎えてから二人と再会を果たします。要所要所で登場するトルコ料理やギリシャ料理が実に上手にストーリーに絡んできます。スパイスで森羅万象を語るおじいさんのキャラクターが絶品でした。


公式サイトはこちら


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2005年11月18日

ショートコメント:インソムニア

インソムニア(クリストファー・ノーラン監督/アル・パチーノ・ロビン・ウィリアムズ)

”メメント”のクリストファー・ノーラン監督作品。

insomnia.jpg殺人犯とそれを追う刑事がある秘密をめぐって、手を握るのか?、それとも陥れるのか?

という駆け引きの経緯が面白い。はずなんだけど、少し描きこみ不足の感あり。もう少し丁々発止してほしかったな。

クリストファー・ノーラン自身が脚本やったほうが絶対良い作品になったはず。

主役二人はさすが。二人とも”目”が危なくて良いです。



寝不足で不眠の映画を観るのはつらい・・・。


(お、画像のまわりこみができたるんるん

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2005年11月15日

ショートコメント:ユートピア

ユートピア(マリア・リポル監督/レオナルド・スバラグリア)

未来を予知する能力を持つ青年が積極的に予知夢に出てくる女性を助け、変えられるはずのない未来を変えるというお話。

アイデアは悪くないと思うんですけどね。未来予知の映像とかも凝ってるし、スバラグリアはじめチェッキー・カリョとかナイワ・ニムリとか役者も結構いけてるんですけど・・・。

なんといっても盛り上がらないのが残念。

狂気も悩みも復讐も別れも恋愛も中途半端。脚本と演出ですかね、問題は。と感じました。


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2005年11月13日

ショートコメント:バーバー

今日はこれです。

バーバー(コーエン兄弟監督/ビリー・ボブ・ソーントン)

文学的ですね。無口で無表情、タバコを手放さない主人公をビリー・ボブ・ソーントン。何事にも無関心なのかと思えば、変な投資話や女の子のピアノの才能を伸ばすことに入れ込んで常識はずれな行動力を見せたり。奥さんの浮気を発端にゆっくりゆっくり破滅の運命に絡めとられていく姿を好演しています。

敏腕弁護士が、

「彼は現代人だ」

と叫びますが、確かにそうとも言えるかもしれません。自分に通ずる一面も無きにしも非ずですが、私はあそこまで成り行き任せにすることはできませんね。その辺で少しずれを感じるかなぁ。

ともかく、ビリー・ボブの演技は必見です。


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2005年11月12日

ショートコメント:地獄/盲獣VS一寸法師

さて、念願の石井輝男監督追悼特集です。今日中にアップできて良かった(^^;)

昨日観た映画は

”地獄””盲獣VS一寸法師”

石井監督最晩年の作品ですね。

jigoku.jpg”地獄”は製作年度が1999年。オウム事件とその後の法手続きが遅々として進まないことに我慢できなかった石井監督が怒りを込めて自主制作した作品です。

登場するオウム真理教(作中では宇宙心理教)メンバーはほとんど実名。アサハラはカサハラだし、風貌もそっくり。弁護士一家殺害事件、公証役場事務長逮捕監禁致死事件、松本サリン事件、そして地下鉄サリン事件と出来事もほとんどそのまま再現されています。自主制作だからここまでできるのでしょうかね、そうでなければどこかからストップがかかっていそうなものです。

ストーリーは、元オウム信者である若い女性の精神的な救済という体裁ですが、実際は「オウム真理教の奴らは地獄に落ちて永遠の責め苦を負え」の一点集中。監督の怒りはオウム真理教弁護団にも向けられており、弁護士たちも同じく地獄の責め苦を味わうことになります。教団が悪事を働く場面とそのメンバーが地獄の鬼に責められる場面がほとんどで、舌抜きやのこぎり引きなどまあよくもこれだけ(笑)。よほど怒り心頭だったのでしょうね。

この映画で、特筆すべきはラスト前の丹波哲郎の登場でしょう。”亡八者(ぼうはちもの)”という役柄ですが、これ監督の代表作のひとつ”ポルノ時代劇 亡八武士道”の主役”明日死能”(なんという名前!)ですよね?。人が守るべき8つの大切なこと「孝、悌、忠、信、礼、義、廉、恥」を総て破った外道たちを亡八者と呼ぶらしいですが、この明日死能、とにかく脈略なく登場して地獄の鬼を切りまくります。また、 セリフが絶品で、「生きるも地獄、死ぬも地獄。されば地獄行きはしばらく延期だ。まだ切足りん。」  亡八武士道の冒頭、橋の上で捕り物方を切りまくりながら死能のいうセリフが「もう切り飽きた・・・」。このくだりで映画館の中はあちこちに笑い声が起きていました。このあたり石井監督らしいということでしょうね 。


mouju.jpgさて、もう一本の”盲獣VS一寸法師 ” 製作は2001年ですが、今はなき自由が丘の武蔵野館で一度プレミアオールナイト上映されて以来昨年まで公開されなかったといういわく付の作品ですね。そもそも、『盲獣』と『一寸法師』は乱歩のそれぞれ別の作品。いずれも過去に単独では映画化されているということですが、石井監督は独自のシナリオでその二つを融合。1969年の”恐怖奇形人間”以来30数年ぶりの乱歩原作の映画化です。

この作品のなんともいえない不気味な感じの中心は、間違いなく”地獄”にも出ていた猛獣役の平山久能ですね。黒尽くめに丸サングラス。くぐもったような嗄れ声に爬虫類のような目玉の盲人。もう一人の怪人一寸法師も十分怪しげですが、インパクトから行くと圧倒的に盲獣に軍配が上がります。

主人公の小説家にリリー・フランキー、その知人で事件を解決する明智小五郎役に塚本晋也。セリフ棒読みです(笑)。特に、リリー・フランキーは映画初出演にもかかわらず、石井監督からは演出も演技指導もなかったということです。演技はともかくリリーの風貌などはこの映画の不気味な雰囲気にぴったりなので、石井監督にとってはそれだけで十分だったのかもしれません。


今回の上映は、DVDによるビデオプロジェクター上映だでした(オリジナルフィルムどこにあるんでしょうね?)。そのせいかもしれませんが画質とが妙に新しくて少し違和感がありましたね。もう少し全体が”古い”感じの方が不気味な雰囲気とマッチしてよかったかもしれません。


今回、二作だけでも石井監督の作品が見れて本当に良かったです。石井監督は日本映画を代表するカルト監督であることは間違いありません。”石井ワールド”なんですよね。これなんなのでしょう。映画館の中に充満するようなこの感じを「こういうことです」とうまく説明できれば良いんですが・・・。

今回、二本の映画に共通して出演している平山久能。この人の演技が石井ワールドを体現していることは間違いないようです。”地獄”の宮島ツトム役(少女連続誘拐の宮崎勤がモデル)も”盲獣VS一寸法師”の盲獣役も登場するだけで、異常さがサーっと垂れ込めてくるような存在感。声も表情も演技も総てが不気味です。目をそむけるような異常な行動も不気味ですが、どこかにちょっとおかしな部分があるんですよね。盲獣の冒頭で女優に握手を求める手がなんか濡れてたり。そういうちょっとした部分がなぜか無性に不気味なのです。調べてみても平山久能のその後の出演は2〜3年前に少しあるだけですが、その後どうしてるんでしょうね。この二本のインパクトが強すぎたのかな。

普通映画レビューすると、ストーリーが良かったとか演技がどうのとか映像がとか言うわけですが(上でも言ってますけど・・笑)、石井監督の作品に限っては、監督自身の好きに作っている世界をひと時だけのぞかせてもらっている感じ。だから、文句言っちゃいけませんよね(笑) 。なんかよくわからない石井ワールドに、漬かりこんで、満喫して、脳のしわの間まで石井輝男でいっぱいになって、それで幸せって、そういうことです。

「自分の演技なんか関係ありません。誰が出ようともう石井さんの映画は石井さんのものでしかないですからね」とインタビューで答えていたリリー・フランキー。あなたは正しい。
ishii.jpg


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2005年11月11日

ショートコメント:砂と霧の家

火山高からガラっと変わって今日はこれです。

砂と霧の家(ジェニファー・コネリー, ベン・キングスレー主演)

うーん、きついなぁ。歳とると救いのない映画を観るのはつらい。

中東の砂の国から亡命して来た初老の男と霧のサンフランシスコに住む元アル中の女。一軒の家の所有権をめぐって争います。

お互い守らなければいけない最後のものがあって、けれど、守ろうとすればするほど他の誰かを傷つけるって場合もあるということですね。

本当はやさしい人たちですから、お互いの気持ちがわかれば物事うまくいくはずなんですよ。普通はね。普通は。

キャシーはこのエンディングの後どうなるんでしょうねぇ。確かなことはあの家にはもう住まないということだけですか。救いがないなぁ。

ジェニファー・コネリーは虫がいっぱい出てくるホラー映画しか覚えてませんでしたが、いい映画に出てますね。ただし、今回のジェニファー対ベン・キングスレーの役者対決はベン・キングスレーの一本勝ち。


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2005年11月09日

ショートコメント:火山高

はい、これです。

火山高(キム・テギュン監督/チャン・ヒョク)

この映画の魅力はなんといっても、アクション。ではなくて、

オーバーアクション

ですね。行動言動すべてに200%の力がこもるチャン・リャン(このキャラ好きだ)ことキム・スロは言うに及ばず、お茶の葉を気で飛ばしまくってるのはあのクォン・サンウですよ。

"シルミド”で、存在感抜群の無表情教官ホ・ジュノは、同じく無表情ながら空は飛ぶわ、波動拳連発するわの大活躍です。”美しき日々”や”甘い人生”でイ・ビョンホンと共演のシン・ミナも木刀もって大立ち回りだし。

観るものに何も考えさせず、最後まで押し切ってくれる。押し切られるのが結構気持ちいい、類まれな一本ですな。

以前観たときは、ラストシーンで登場する問題児の"女”転校生の意味がわからなかったのですが、韓国オリジナル版を観て理解しました。


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2005年11月08日

ショートコメント:フロム・ダスク・ティル・ドーン

フロム・ダスク・ティル・ドーン(ロバート・ロドリゲス監督/ジョージ・クルーニー)

Everybody, be Cool! You, be Cool." 
                             byジョージ・クルーニー

ホントはチーチ・マリンの客引き口上書きたいんですけど、ちょっとねぇ。やめときます。ご存知の方はわかりますよね(笑)

”先日、フロム・ダスク・ティル・ドーン3”も皿洗いながら観ましたけど、やっぱり月とスッポン、天と地ほど違います。ジョージ・クルーニーいかしてます。しびれますな。

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2005年11月05日

ショートコメント:スウィング・ガールズ

スウィング・ガールズ(矢口史靖監督/上野樹里)

皿洗い中ではなく、家族と一緒に見ました。

ラスト、いいですねぇ。
   いやホントに。

矢口監督、ウォーターボーイズと同じく、ラストの盛り上げ方が上手です。トランペットの高音が伸びた瞬間に会場がウワーッと盛り上がるシーン、ゾクゾクっときました。

前半多少冗長だったり、いろいろだったり、なんだったりしますが、そんな細かいことはどうでもよろしいのです。最後のシーンでスウィングすればそれだけで十分でしょう。

ファースト&ラストコンサートのDVDがぜひ見たい。


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2005年11月02日

ショートコメント:ルル・オン・ザ・ブリッジ

ルル・オン・ザ・ブリッジ(ポール・オースター監督/ハーベイ・カイテル)

主人公の恋人、どこかで見た顔だとずっと思っていたのですが、二度目観てわかりました。

そういうことだったんですね。なるほど。なるほど。冒頭のシーンがうまくラストシーンをフォローしてますね。


文学の人ポール・オースターの文学的映画。こじんまりと良くできてます。



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