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2005年11月24日

#0024『白い恐怖』アルフレッド・ヒッチ国監督 1945年アメリカ

Spellbound_1.jpg”Spellbound”

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: デヴィッド・O・セルズニック David O. Selznick
原作: フランシス・ビーディング Fransis Beeding
脚本: ベン・ヘクト Ben Hecht
    アンガス・マクファイル Angus MacPhail
撮影: ジョージ・バーンズ[撮影] George Barnes
音楽: ミクロス・ローザ Miklos Rozsa
 
出演: イングリッド・バーグマン Ingrid Bergman
    グレゴリー・ペック Gregory Peck
    レオ・G・キャロル Leo G. Carroll
    ジョン・エメリー[役者]
    ウォーレス・フォード Wallace Ford
    ロンダ・フレミング Rhonda Fleming
    マイケル・チェコフ Michael Chekhov


「今の私は医者ではありません。でも私が感じていることを信じて。感性が正しいこともある。」

優秀な精神科医コンスタンス(バーグマン)が努める精神病院に新しい院長エドワーズ博士(グレゴリー・ペック)が赴任してきます。一目で恋に落ちるコンスタンスですがエドワーズ博士にはどうも不審な点が。コンスタンスの追求により、彼はエドワーズ博士ではなくその患者で自分をエドワーズだと信じ込んでいることが判明します。しかも、どうも博士は殺されてしまっているらしいのですが、彼は精神を病み記憶をなくしてしまっており真相は謎。彼を愛してしまっているコンスタンスは無罪を信じ、警察からの逃亡を助けつつ真相を究明していくのですが・・・。

前回の”疑惑の影”から3年後1935年製作のサイコスリラーです。例のごとく、「定本映画術」でチェックしてみるとヒッチコック自身はこの映画のについてあまり語っていませんが、聞き手のトリュフォーはずいぶん気にいらないようですね。その理由は、「ヒッチコック作品にしては狂気がなく、まともで理屈っぽくイマジネーションの遊びが少ない」ことと「グレゴリー・ペックがよわい」ということのようです。精神病に関する映画をおとなしく撮りたかった」とヒッチコックも語るとおり、バーグマンはかなり”固い”感じがしますし、精神医療に関する記述も多く少し難しい感じがするようです。個人的にはこの作品好きですね。最近の私のヒッチコック趣味(ちょっとねちねちサイコな感じ)にぴったりはまります。

精神科医と精神病患者の逃避行。しかも患者のほうは人殺しかもしれませんからね。彼女に対してもいつ凶行に及ぶかもしれないというハラハラ感がサスペンスですよね。この不安な関係の中で、コンスタンスは彼の無罪を信じて彼の精神に隠された真相を解明しようとするのですが、医者としての理性と男を愛する女性としての感性の間で葛藤するコンスタンスの心理がよく描かれています。

グレゴリー・ペックはオールド・ムービー・パラダイス!初登場ですね。この作品の当時は29歳でデビュー三作目。グレゴリー・ペックと言えば私の記憶に残っているのは、まずは”ローマの休日”。それから”オーメン”ですかね。それぞれ37歳、60歳のときの作品ですから、私の中ではグレゴリー・ペック=渋い中年のイメージが出来上がっています。それからすると、本作のペックは線が細いのですが、トリュフォーの言うように”よわい”と言う感じでもないかな。自信なさそうな目つきや挙動がむしろ役柄にぴったりはまってると思います。

今回の作品で興味津々だったのは、実は小道具。クライマックスでバーグマンを狙う銃と手。ぴったり狙いをつける銃口を、構えている本人の視線から撮っているのですが、画面をクリアに映すために実物の4倍の大きさ(!)の銃と手を作ったのですね。バーグマン迫真の演技がばかばかしいほど巨大な銃と手の前で行われていることを想像すると結構笑えます。この手法、”バルカン超特急”のブランデー・グラスがはしりですか?ヒッチコックお気に入りのテクニックのようです。

おまけですが、コンスタンスが恩師に「卵入りのコーヒーを入れます」と言っているのが気になって仕方ないです・・卵入りコーヒーってなんだ?? 生たまご?ゆでたまご?どなたかご存知の方いらっしゃいませんかね(笑)

評価は星4つということで★★★★☆


次回は、翌1946年の作品”汚名”。こちらもバーグマンで今度はケイリー・グラントと共演です。

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posted by FROST at 02:11| 埼玉 ☀| Comment(6) | TrackBack(4) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品での苦悩するバーグマンもとても美しいですよね。美人は悩んでもあせっても美しいのだと思ったのを憶えています。
Posted by カカト at 2005年11月25日 15:00
>美人は悩んでもあせっても美しいのだ
賛成!次の”汚名”では、美人はへべれけでも美しいと言うことを発見しました^^
Posted by FROST at 2005年11月26日 03:09
>美人はへべれけでも美しい
(T▽T)アハハ!読んでてつい笑ってしまいました。「気品溢れるへべれけ」といったところでしょうか?
Posted by カカト at 2005年11月26日 15:10
へそだしのお腹をスカーフで保護するあたりが気品あふれてます・笑
Posted by FROST at 2005年11月26日 23:28
夢のシーンも印象的ですね。かのダリがデザインしていて前衛的な雰囲気が
醸しだざれていますね。
イングリッとト・バーグマン、本当に
綺麗です。スターが揃っていた良い時代です。
Posted by sesiria at 2006年09月10日 23:51
>sesiriaさん
実はですね、有名なダリの美術は今ひとつツボが良くわからなかったんですよね。で、この記事でも触れていないのです。この作品については、フォークで書いた線とか何気ないものに異常な反応を示すのに、その理由背景がわからないというあたりの不安感が結構好きでした。
Posted by FROST at 2006年09月12日 23:21
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白い恐怖
Excerpt: 1945年 アメリカ監督:アルフレッド・ヒッチコック出演:グレゴリー・ペック、イ
Weblog: 銀の森のゴブリン
Tracked: 2005-12-23 02:00

「白い恐怖」
Excerpt: 「白い恐怖」(Spellbound) 1945年アメリカ 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 グレゴリー・ペック    イングリッド・バーグマン あらすじ   精神科医の女医コ..
Weblog: 私が観た映画
Tracked: 2005-12-29 15:17

映画評「白い恐怖」
Excerpt: ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1945年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-05-30 13:51

白い恐怖
Excerpt: 白い恐怖 ++story++ コンスタンス(イングリッド・バーグマン)は有能な精神科医だった。 ある日、院長として著名なエドワーズ(グレゴリー・ペック)が赴任してくる。 +++++++..
Weblog: cino
Tracked: 2006-11-15 12:11
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