新ブログ『川越名画座』に引っ越しました。さらに充実した内容で運営していますので、ぜひご訪問ください。

2005年11月21日

#0021『疑惑の影』アルフレッド・ヒッチコック監督 1942年アメリカ【DVD#36】

shadow of a doubt_1.jpg”Shadow of a Doubt”

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: ジャック・H・スカーボール Jack H. Skirball
原作: ゴードン・マクドネル Gordon McDonnell
脚本: ソーントン・ワイルダー Thorton Wilder
    アルマ・レヴィル Alma Reville
    サリー・ベンソン Sally Benson
撮影: ジョセフ・ヴァレンタイン Joseph Valentine
音楽: ディミトリ・ティオムキン Dimitri Tiomkin
    チャールズ・プレヴィン Charles Previn
 
出演: テレサ・ライト Teresa Wright
    ジョセフ・コットン Joseph Cotten
    マクドナルド・ケリー MacDonald Carey
    パトリシア・コリンジ Patricia Collinge
    ヘンリー・トラヴァース Henry Travers
    ウォーレス・フォード Wallace Ford
    ヒューム・クローニン Hume Cronyn


【ネタバレ注意】

「世の中はそんなに悪くないよ。ただ、だれでも正気を失う危険性はある」

shadow of a doubt_2.jpgカリフォルニア州サンタローザ。その街で家族と共に平凡に暮らす長女チャーリーは、突然やって来た叔父に秘密の匂いを嗅ぎとる。やがて二人の刑事が現れ、チャーリーは叔父に未亡人殺しの疑いがかかっている事を知る。明るい日常生活の中でチャーリーひとりが、叔父が殺人犯かどうかの疑惑にさいなまれていく……。(allcinemaより)

ヒッチコック映画の中ではかなり”地味”な部類に入るのかもしれません(昨日”海外特派員”を観たばかりなのでそう感じるのかもしれませんが)。ひとつの家族の中でほとんどの物語が進行していきます。明るい平凡なアメリカ人一家と彼らの愛する叔父。幸せな一軒の家の中に殺人鬼が潜んでいるわけですが、そのことによる派手な事件が起きるわけではなく、衝撃的な映像も何一つありません。

shadow of a doubt_4.jpg家族の中で一番叔父を慕っている長女チャーリーが、叔父の犯行に気づき、疑惑が確信に変わり、確信したことで逆に叔父に追い詰められていきます。他の家族は二人の関係と心理の変化に一切気づかないわけですが、そのことが実に息苦しいようなシチュエーションを作り上げています。

叔父がチャーリーの家に来てから、割と早い段階で刑事が現れます。刑事たちはすでに叔父が犯人ではないかと目星をつけているのですが、内偵中に他州で殺人容疑者が追い詰められ飛行機のプロペラに巻き込まれて死亡したという情報が入ってきます。このことで、一度は追い詰められたかに見えた叔父は自由の身となり、真実を知るチャーリーは絶望的に危険な立場に追い込まれます。それまで、チャーリーは叔父が犯人とは知りながら、何とか逃がしたいと葛藤しているわけですが、この後は一気に身に迫る恐怖と闘うことになります。このあたりのチャーリーの心理的な変化がテレサ・ライトの名演技とあいまって非情に印象的です。

今回のヒッチコックは、様々なキーアイテムによって織り成されるシチュエーションと心理変化を見事に描いた佳作でした。私は”メリー・ウィドウ(陽気な未亡人)の曲を知らなかったため、面白さを何割分か味わえなかったのが残念でした。


評価は星4つ★★★★☆


さて、次回ですが同じくヒッチコックで”白い恐怖”。おお、イングリッド・バーグマンですね。楽しみです。ご期待ください。



500円DVDもありますが、画像はあまりよくないですね。前半は顔が白く抜けてしまっている感じです。

banner_02.gifにほんブログ村 映画ブログへ
人気Blogランキングもぜひよろしくお願いします!

アクセス解析
posted by FROST at 00:26| 埼玉 ☀| Comment(8) | TrackBack(4) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
500円DVD、いつも買おうかどうしようか迷っていたのですが、画像がイマイチなら止めようと思います。レビュー読んでよかった(^^)
Posted by カカト at 2005年11月21日 11:29
こんにちは。500円DVDの画質は作品によってかなり違いがありますね。今まで見た分だけで言うと、まともに見れる画質の方が多いと思います。きちんと修復してあるものには当然かないませんけれど。前にレビューした恐喝(ゆすり)は、ちゃんとした値段のDVDにもかかわらず画像最悪でした。これが一番困りますよね^^;
Posted by FROST at 2005年11月21日 11:50
これ持っています。
レビューを書こうにもネタバレしちゃうのでわたくしには書けない作品の一本です。
これを観ると女子チャーリーと一緒に疑心暗鬼になっちゃいます。
Posted by かよちーの at 2005年11月22日 00:05
こういう、ねちねちした感じのヒッチコックが結構好きです。できればネタバレせずにレビューしたかったんですけど、私にも無理・・です。はい。
Posted by FROST at 2005年11月22日 22:44
TB致しました。
やっとここまで来ました。今月でほぼヒッチコック大特集の山を越えそうです。
純粋にモノクロ映画として技術的にピークに達した作品でしょう。一番面白いヒッチコックではないですが、一番研究のしがいがあるヒッチコックです。

私はネタバレしっぱなしです。読んで観てもらうより、観てから読んでもらう、そんなレビューです。その為の☆★でもあります。それでも推理小説の真犯人と、どんでん返しだけは伏せることにしています。それだけが眼目であるわけですから。
Posted by オカピー at 2006年06月04日 14:15
オカピーさん
いつもありがとうございます。またまた、お返事が遅くなってすみません。気に入った作品だと調子に乗ってぺらぺらと書いてしまいがちなので注意したいと思います・笑。
Posted by FROST at 2006年06月17日 02:55
これも結構好きです。テレサ・ライトは
庶民的で清潔な美しさがあると思います。
ジョセフ。コットンはさすがに犯罪者の怖さをよく現していたと思います。
そしてテレサ・ライトの父親とその友達の
ブラックな殺人の会話が面白い。
怖さと面白さが入り混じり、まさに
ヒッチコックらしさのある作品だと
思いますよ。
Posted by sesiria at 2006年09月20日 16:07
>sesiriaさん
ジョセフ・コットンのサイコキラーぶりはすごかったですね。後半はもちろんスリルとサスペンスの連続ですが、前半も結構好きです。最初テレサ・ライトはもうおじさん(コットン)が好きで好きでしょうがないじゃないですか。「ホントはこいつ殺人鬼なのに〜」なんてこっちはやきもきして。ヒッチコックらしい傑作でした。
Posted by FROST at 2006年09月20日 21:49
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/9602912

この記事へのトラックバック

映画評「疑惑の影」
Excerpt: ☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1943年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-06-04 14:05

疑惑の影 アルフレッド・ヒッチコック
Excerpt: 「疑惑の影」  ヒッチコックの「疑惑の影」について。  冒頭、アンクルチャーリー(ジョセフ・コットン)が二人の刑事の尾行をまくのだが、そこで、俯瞰のショットが2度続く。これがすばらしい。俯瞰ショッ..
Weblog: 撮影監督の映画批評(たまに写真や撮影のTIPSも)
Tracked: 2006-07-18 02:56

ShadowOfaDoubt(疑惑の影)
Excerpt: 僕の敬愛する映画監督の一人アルフレッド・ヒッチコック。(「めまい」「サイコ」)この作品はヒッチコックが一番気に入っている映画だということです。カリフォルニアののどかな町サンタ・ローザ。そこで平和に暮ら..
Weblog: シネマうさぎ
Tracked: 2007-01-30 11:27

疑惑の影
Excerpt: 1942年 アメリカ 108分 監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:テレサ・ライト ジョセフ・コットン マクドナルド・ケリー パトリシア・コリンジ ヘンリー・トラヴァー..
Weblog: RE940の自作DVDラベル
Tracked: 2010-12-23 20:47
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。