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2005年11月16日

#0018『レベッカ』アルフレッド・ヒッチコック監督 1940年アメリカ

rebecca_2.jpg

こちらの記事は、修正の上川越名画座に
転載しました。
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”Rebecca”監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: デヴィッド・O・セルズニック David O. Selznick
原作: ダフネ・デュ・モーリア Daphne Du Maurier
脚本: ロバート・E・シャーウッド Robert E. Sherwood
    ジョーン・ハリソン Joan Harrison
撮影: ジョージ・バーンズ[撮影] George Barnes
音楽: フランツ・ワックスマン Franz Waxman
 
出演: ローレンス・オリヴィエ Laurence Olivier (マクシム・ド・ウィンター)
    ジョーン・フォンテイン Joan Fontaine (マリアン)
    ジョージ・サンダース George Sanders (ジャック・ファヴェル)
    ジュディス・アンダーソン Judith Anderson (ダンヴァース夫人)
    グラディス・クーパー Gladys Cooper,Dame
    レオ・G・キャロル Leo G. Carroll
    ナイジェル・ブルース Nigel Bruce


「私、身の程知らずだったわ。彼女に会って私にないものを毎日思い知るの」

モンテカルロでマクシムと知り合ったレベッカは、彼のプロポーズを受け入れて結婚。イギリスのマンダレーにあるマクシムの邸宅で一緒に暮らすことになります。マリアンがはじめて訪れるマンダレーは目を見張るような大邸宅。しかも、いたるところに先妻レベッカの影が。彼女はすでにボート事故で死亡しているのですが、聡明なレベッカに引け目を感じるマリアンは徐々に姿の見えない先妻レベッカに追い詰められていきます。しかも、ことレベッカのこととなるとどうもマクシムの態度がおかしいのですが、彼女の死には意外な真相が・・・。

外の世界からやってきたストレンジャーには多かれ少なかれプレッシャーがあるもので、それが、イギリスの地方荘園主となればその閉鎖性からくるプレッシャーの大きさも推して知るべし。一般庶民(しかもアメリカ人だし)から嫁いだマリアンが萎縮するのも当たり前ですね。なので、マリアンを苦しめるレベッカの影は最初、気の弱いマリアンの過剰反応による思い込みなのかと思わせますが、徐々に悪意を見せ始めるダンヴァース夫人により、それは思い込みなどでなくマリアンに対する明らかな脅威となりはじめます。このあたりのくだりはダンヴァース夫人の表情の変化とともに、実にサスペンスフルに描かれていきます。

この作品の素晴らしさは、マリアンを苦しめる「レベッカの影」が徹底して視覚的に表現されているところ。車から見えてくるマンダレーの壮大さ、マリアンを出迎える使用人団の物々しさ、こっそり忍び込んだレベッカの部屋の壮麗さ(と比較してマリアンのシルエットのなんと小さなことか)、食事の場面でマクシミリアンとの間を隔てる大きな食卓とろうそく。そして何よりもダンヴァース夫人・・。そういうものの総てが気の弱いマリアンを圧倒するレベッカの影として視覚化され、その脅威は仮装パーティーの衣装とその後のダンバース婦人の狂気の表情で頂点を迎えます。

マリアンの不安心理とダンヴァース夫人の悪意がシンクロして「今はすでに存在しない人間の存在感」を鮮明に描き出ス事に成功しているこの作品ですが、ヒッチコック自身によると「あれはヒッチコック映画とは言えない」という冷たいコメント。主人公マリアンにいたっては「主人公に名前はない」とまで言われています。ヒッチコック監督にしてみると、ハリウッド移籍第一作として気負いみたいなものがあったのでしょうかね。「あとから振り返ってみるとあんまり上出来とは言えないな」と、そういうことかもしれませんね。

たしかに、いわゆるヒッチコック流サスペンスとは少し違うのかもしれませんが、やはり第一級のサスペンス映画であることは間違いありません。それは、アカデミー賞11部門ノミネート、作品賞・撮影賞受賞という実績が如実に示しています。

ところで、ダンヴァース婦人を演じたジュディス・アンダーソンは、アカデミー助演女優賞にノミネートされながら受賞できなかったのですが、この怪演を抑えて受賞したのはだれかと調べてみると・・"怒りの葡萄”に出演した、ジェーン・ダーウェル。うーん、いまいちイメージがわかないのですが、ジョン・フォード監督の映画に結構出てるんですね。かなりの名脇役に違いないのでチェックしてみることにしましょう。

ということで、レベッカの評価は星5つ★★★★★ 

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次回は、同じくヒッチコックで”海外特派員”へと進みます。

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posted by FROST at 23:55| 埼玉 ☁| Comment(5) | TrackBack(2) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
仮装パーティーのシーンは本当に背筋が凍るような恐怖だったことを憶えています。女の憎悪って怖いですねぇ。

つたない文章でお恥ずかしいのですが、トラックバックさせていただきました。
Posted by カカト at 2005年11月18日 11:11
カカトさん、TBありがとうございました。ジュディス・アンダーソン、ホントに狂ってるんじゃないのかと疑うほどの名演技でしたね。お見事!
Posted by FROST at 2005年11月19日 03:17
TB致しました。
わがヒッチ曜日(日曜日はヒッチコック特集)も峠を越えて下り坂に入ってきました。7月中に「暗殺者の家」まで行って、8月中に残りすべてをUPということにしたいものです。
ヒッチコックがこの作品に対して不機嫌なのは、セルズニックが最終編集権を握っていたからでしょう。
これほどの作品群を作ったヒッチコックがオスカー本賞をこの作品以外に受賞していないのは、アメリカ人がいかにこのジャンルを馬鹿にしてきたかということが分るというものです。「レベッカ」は褒めても「裏窓」も「サイコ」も駄目なんですね、連中には。
Posted by オカピー at 2006年07月02日 15:27
レベッカという世にも美しいであろう
女性が顔を現さない、という所が
うまいですね!
レベッカの真実を話すシーンも
セリフだけで、カメラだけが動き
あたかもそこにレベッカがいるかのように
映すのが良かったです。
Posted by sesiria at 2006年09月12日 18:37
>sesiria
昔の映画って結構”見せない”ことで観客のイマジネーションを膨らませるってありますけど、レベッカはその究極の姿でしょうかね。今の作品もぜひ見習って欲しいところです(今は何でも作って見せられちゃうからなあ)
Posted by FROST at 2006年09月13日 01:13
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「レベッカ」
Excerpt: 「レベッカ」(Rebecca) 1940年アメリカ 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 ローレンス・オリビエ    ジョーン・フォンティーン あらすじ   イギリスの若い娘キャ..
Weblog: 私が観た映画
Tracked: 2005-11-18 11:09

映画評「レベッカ」
Excerpt: ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1940年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-07-02 14:54
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