新ブログ『川越名画座』に引っ越しました。さらに充実した内容で運営していますので、ぜひご訪問ください。

2005年11月13日

#0016『カサブランカ』マイケル・カーティス監督 1942年アメリカ

casablanca2.jpg
”Casablanca”
監督: マイケル・カーティス
製作: ハル・B・ウォリス
原作: マーレイ・バーネット
    ジョアン・アリソン
脚本: ジュリアス・J・エプスタイン
フィリップ・G・エプスタイン
ハワード・コッチ
撮影: アーサー・エディソン
音楽: マックス・スタイナー
 
出演:
ハンフリー・ボガート
イングリッド・バーグマン
ポール・ヘンリード
クロード・レインズ
コンラート・ファイト
ピーター・ローレ
シドニー・グリーンストリート
ドゥーリイ・ウィルソン
モンテ・ブルー
マルセル・ダリオ



「君は皮肉屋のようで人情にもろいからな」


第二次世界大戦のさなかフランスはドイツ軍に占領され、アメリカ亡命を図る人々は出国ビザを手に入れようと仏領モロッコのカサブランカに流れてきます。そのカサブランカで"Rick's Cafe American"というバーを経営するのがハンフリー・ボガート扮するリック。ドイツ嫌いは徹底しているが、かといってフランスのために戦うでもないリックですが、実は昔パリで受けた失恋の痛手を引きずり半ば世を捨てたように現在のみを生きています。いいすがる女性を拒絶するときにリックが言う「そんな昔のことは覚えていない/そんな先のことはわからない」というせりふは、まさに彼のそんな心境を言い現してもいます。

そのカサブランカに、レジスタンス運動の大物ヴィクター・ラズローが妻と一緒に逃れてきます。その妻こそが、パリでリックの元から去っていったイルザ(バーグマン)。ラズローとイルザがアメリカに亡命するためにはリックの持っている通行証が必要なのですが・・・。ドイツ軍将校シュトラッサーに追い詰められ絶体絶命のラズロー。再びリックへの愛に素直になろうとするイルザ。ラストシーンで見せるリックの男意気が心に染みる永遠の名作。

ということで最近は、ハンフリー・ボガートにはまり気味ですね。”三つ数えろ””マルタの鷹”から、ついに本命”カサブランカ”にやってきました。古い映画に興味がなくても、この作品は観たことがあるという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

改めて見るとリックってかなり女々しいですね。まあ、うじうじねちねちと。今時の若い女性には、ウザイ・暗いと一蹴されてしまいそうです。カサブランカというと「なんといってもボギーがかっこいい」というイメージがまず浮かびますが、ただ格好の良いだけの役回りではありませんでした。

ただ、中盤のイルザに対して恨みつらみをぶちまける、ぐでぐでの姿があるから最後のリックの決断がかっこいいんですよね。人並み以上に弱い一面を持ちながらそれをぐっとこらえて男の優しさを示すボギーの姿は、やっぱり男としてしびれます。女性が観てもしびれると思うんですが(どうなんでしょう)。有名なセリフ満載のこの映画の中であえてその有名どころを避けて冒頭のセリフを選ばせていただきました。ハードボイルドなボギーではなく、悩める人情家のボギーがこの作品の最大の魅力だと思います。ちなみに、この映画の撮影はかなりきついスケジュールで行われたらしく、ラストシーンの撮影直前までイルザがラズローと一緒になるのかリックと一緒になるのかわからなかったそうです。もし、リックと残るシナリオが採用されていたら、これだけの名作として歴史に名を残すことはなかっただろうと思いますね。

さて、リックをぐでぐでにするヒロイン、イルザに扮するイングリッド・バーグマンですが1939年にセルズニックに招かれて渡米。同じ年にレスリー・ハワードとの共演で”別離”に出演したものの大ヒットには及ばず、42年のカサブランカ製作当時はリック役をオファーされたジョージ・ラフトに、「無名のスウェーデン女優とは共演できない」と断られてしまうほどでした。

しかし、本作での彼女の美貌は輝くばかり。リックの店に現れてサム(黒人ピアニスト)が弾き語る”As Time Goes By"を聴く姿は、思わずDVDを一時停止して見とれてしまうほどの美しさです。数あるハリウッド女優の中でも、この美しさに対抗できるのは”ローマの休日”の時のヘップバーンくらいですね。最近の女優さんでは残念ながら思い浮かびません。本作以降の活躍は良く知られているとおりですが、彼女のキャリアはこの作品からはじまったと言ってもいいのかも知れません。

監督はマイケル・カーティス。ハンフリー・ボガートとはこれ以外にもいくつか組んでいるようですが、記憶に残っている作品てあんまりないんですよね。”俺たちは天使じゃない('55)”くらいですかね。と思ってフィルモグラフィを探っていると面白い作品を発見しました。1933年の”肉の蝋人形”。今年公開された”蝋人形の館”のオリジナル版ですね。人間で蝋人形をつくるというホラー作品と永遠の愛の名作といわれる”カサブランカ”が同じ監督の作品というのもかなり意外です。

ところで、もうずいぶん昔ですが、六本木にRick's Cafe Americanの内装を模したカフェがあったんですよね。店の名前は忘れてしまいましたが。良く通ったことを思い出しました^ ^
評価はもちろん星5つ★★★★★

Trailer(予告編)はこちらから

次回は、ボガートつながりかバーグマンつながりか迷ったのですが、もう一本ボガートでジョン・ヒューストン監督”黄金”。一味違うボギーが観れるようで楽しみです。



にほんブログ村 映画ブログへbanner_02.gif
よろしくお願いします!

アクセス解析
posted by FROST at 17:08| 埼玉 ☀| Comment(15) | TrackBack(8) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
不朽の名作といわれるだけあって、何度観ても面白いなぁって思いますよね。
鑑賞前のイメージではもっとロマンス重視の作品かと思ったのですが、意外にも人間臭い感じの内容で驚いた記憶があります。
しかし、イングリッド・バーグマンは美しいですね〜。女の私が見てもウットリしちゃいます。
Posted by クマ at 2005年11月14日 23:58
クマさん、コメント&TBありがとうございました。同感ですね。まさに人間臭い映画で、私も見直してみてなるほどと思いました。ハッとするほど美しい女優さんの姿を見るのがオールド・ムーヴィーの楽しさのひとつですね^^
Posted by FROST at 2005年11月15日 09:40
>ぐでぐでの姿があるから最後のリックの決断がかっこいいんですよね

まったくその通りだと思います。

「カサブランカ」のバーグマンと「ローマの休日」のヘップバーン、甲乙つけがたいですが、どちらか選べといわれたら、バーグマンでしょうか。
Posted by まいじょ at 2006年09月13日 01:51
TBさせていただきました。
Posted by まいじょ at 2006年09月13日 01:53
>まいじょさん
TB&コメントありがとうございました。このときのバーグマンの美しさは奇跡ですね。ぐでぐでにもなろうというものです・笑
こちらからもお邪魔させていただきますね。
Posted by FROST at 2006年09月13日 15:54
<リックってかなり女々しいですね
のコメントに爆笑しました^^)。確かに!でもあんなにいい女に振られたら、あんなにもてる男でも恨み言の一つや二つは言いたくなるだろうなぁ…^^;)。ボギーをそこまでネチネチさせた女としてもこの作品のバーグマンはとても魅力的ですねー。
Posted by ぶーすか at 2006年09月16日 07:50
一回で良いからバーグマンに振られてみたいものだと思います。。。。
Posted by FROST at 2006年09月17日 19:12
TB&コメントありがとうございました。

>ぐでぐでの姿があるから最後のリックの決断がかっこいい

おっしゃる通りですね。まあボガードがやるとぐでぐでもまたかっこいいんですが(笑)

それにしても、この映画のバーグマンの美しさはほんとに別格ですね。
Posted by micchii at 2006年09月25日 12:21
micchiiさん
カサブランカも含めて、ハンフリー・ボガートは悪役・二枚目・三枚目と演技の幅が広くて人間味のある偉大な役者だなと思います。いいなぁ。
Posted by FROST at 2006年09月25日 17:26
昨日までカサブランカにいました。 
HYATTホテルにRick’s Cafeを再現したバーがあるのは有名ですが、残念ながら改装工事中で営業していませんでした。
でも近くにアメリカ人が経営するその名もRick's Cafeがありました。 内装は映画そっくりでしたよ。
Posted by -nakamura- at 2006年10月06日 14:26
この映画素敵でした〜。このムードに
酔いしれます。極上のワインと言う感じ。
それでいて皮肉も少し忍ばせて・・・。
セリフも巧いしおしゃれだしラストも
良かった。イングリット・バーグマン、綺麗でした!
Posted by sesiria at 2006年10月06日 19:25
>nakamuraさん
いらっしゃいませ。はじめまして^^
そうですか、カサブランカにいらっしゃったんですか。HYATTホテルのバーのことも知らなかったんですが、やっぱり現地にはこういうお店があるんですね。一度いってみたいものです。
これからもよろしくお願いします。
Posted by FROST at 2006年10月07日 13:15
>sesiriaさん、こんにちは。いつもコメントいただいてありがとうございます。
”ムード”って言うのがぴったりですよね。全体的に醸し出されるものがすごく好きな映画です。バーグマンもこの時が最高かな。
Posted by FROST at 2006年10月07日 13:18
初めまして。jinkan_mizuhoと申します。「カサブランカ」に惹かれてここまで来ました。
この映画、ボクも10回以上観ました。
仰るとおり、「ぐでぐでの姿があるから最後のリックの決断がかっこいい」に同感です。小説で同じことやられたら「勘弁して欲しいなあ」と思いますが、映像ではあのシーンがあるから、ラストがより素晴らしくなりましたね。

他のページも拝見させていただきました。鋭い観察眼が、勉強になります。また、度々お邪魔させていただきます。よろしくお願いいたします。

それと、六本木の「ボギーズ・バー」(店名はこうだったような記憶があります)には、ボクも東京に行ったとき数回行きました。懐かしいなあ。もうなくなったんですか?残念です。
Posted by jinkan_miziho at 2006年10月20日 12:06
>jinkan_mizuhoさま
はじめまして、ようこそおいでくださいました。そうそう!「ボギーズ・バー」でしたね。懐かしいなぁ。良くいきましたよ。今はあまり六本木に行かないのですが、たしかもうなくなってると思います。残念ですよねぇ。
その時々の気分で書き連ねているだけですが、よろしければまた来てやってください。今後ともよろしくお願いします^^
Posted by FROST at 2006年10月21日 14:31
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

不朽の名作 『カサブランカ』
Excerpt: 本日の映画:カサブランカ ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン主演の不朽の名作。恥ずかしながら実は全編通して観るのはこれが初めてだったりして。 モロッコの首都カサブランカを舞台にしたラブ..
Weblog: 毎日が映画日和
Tracked: 2005-11-14 23:58

カサブランカ
Excerpt: カサブランカ 特別版 ++story++ フランス領モロッコのカサブランカは亡命したい者にとって必ず通らなければならない場所だった。 そんな土地でアメリカ人リック(ハンフリー・ボガード)..
Weblog: cino
Tracked: 2006-08-15 22:08

カサブランカ
Excerpt:  「君の瞳に乾杯!」など数々の名セリフで知られる、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンの超有名メロドラマです。  舞台は、1942年頃のモロッコのカサブランカ。当時のヨーロッパ..
Weblog: お楽しみはこれから!
Tracked: 2006-09-13 01:52

「カサブランカ」「第三の男」
Excerpt: ●カサブランカ ★★★★ 【地上波】説明不要のメロドラマの金字塔。始めて日本語吹き替えで観た。「君の瞳に乾杯」「こんなに愛さなければよかった」ってセリフをそのまま語っても恥ずかしくないのはハンフリー..
Weblog: ぶーすかヘッドルーム・ブログ版
Tracked: 2006-09-14 10:13

『カサブランカ』
Excerpt: Casablanca(1942/アメリカ) 【監督】マイケル・カーティス 【出演】ハンフリー・ボガート/イングリッド・バーグマン/ポール・ヘンリード 初めてクラシック作品から。60年も..
Weblog: 愛すべき映画たち
Tracked: 2006-09-25 12:18

『カサブランカ』 君の瞳に乾杯
Excerpt: イングリッド・バーグマンの、美しいこと。 また白黒映画って、フォーカスがかかったように、 ますます綺麗に見えるよね。 肌なんて、白一色でしか見えないから、 多少のシミシワなんて、見えないし..
Weblog: *モナミ*
Tracked: 2007-03-18 10:51

カサブランカ [ 1 ]
Excerpt: アメリカ ( 1942 年 ) 。 ハンフリー・ボガート イングリッド・バーグマン
Weblog: 動物占い・ペガサスのメールでフォト日記
Tracked: 2007-09-12 19:41

ありがとう/見とれてしまう美貌/「見とれてしまう美貌」:最新情報
Excerpt: 「39サーチ」では、あなたが入力したキーワード「見とれてしまう美貌」に関する最新の感謝情報をインターネットから徹底検索しています。 「見とれてしまう美貌」:最新情報 「見とれてしまう美..
Weblog: ありがとう
Tracked: 2009-03-12 15:14
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。