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2005年10月24日

#0008『パピヨン』フランクリン・J・シャフナー監督 1973年フランス

papillon2.jpg

"Papillon"
監督: フランクリン・J・シャフナー Franklin J. Schaffner
製作: ロベール・ドルフマン Robert Dorfmann
    フランクリン・J・シャフナー Franklin J. Schaffner
原作: アンリ・シャリエール
脚本: ダルトン・トランボ Dalton Trumbo
撮影: フレッド・コーネカンプ Fred Koenekamp
音楽: ジェリー・ゴールドスミス Jerry Goldsmith
 
出演: スティーヴ・マックィーン Steve McQueen (パピヨン)
    ダスティン・ホフマン Dustin Hoffman (ルイ・ドガ )
    ヴィクター・ジョリイ Victor Jory
    アンソニー・ザーブ Anthony Zerbe
    ドン・ゴードン Don Gordon
    ロバート・デマン

<多少ネタバレ気味>

「Hey You Bastard! Have still here! (バカ野郎! 俺はまだ生きてるんだ!)」



この作品について、前の日記でこんなことを書きましたが。


私が間違えていました。


この作品は、マックイーンの作品ではなく、



正しく、マックイーンとホフマン二人の作品ですねぇ。



泣けましたよ。悪魔島のシーン。ラスト20分。

パピヨン(マックイーン)は計7年に及ぶ過酷な独房”人喰い牢”での監禁で、白髪、歯は抜け、歩行もおぼつかない、まるで老人。そして、頭頂が丸く禿げ上がってしまっているルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン)。

悪魔島は、周囲を激しい潮流とサメの群れに囲まれた絶海の孤島。看守すらいない、囚人が行き着く最後の流刑地です。生きていること以外、人間としての存在はすべて否定され、忘れ去られ、すべての希望を奪われてしまったかわりに、すでに何の義務も課されない囚人たち。

一切の望みを絶たれて、ただ時間だけがある世界。そんな世界に堕ちてなお自由への希望を捨てないパピヨン。対照的に、あきらめの中でささやかな自分の居場所を作ろうとするルイ・ドガ。

パピヨンは、かつての英雄の椅子に座ってくる日も来る日も海を眺め、ルイ・ドガは掘っ立て小屋に菜園を作って野菜を植え、玄関を作ります。

挑戦か順応か。

極限状態で、人間としてどちらを選択するのか。保守的な小心者に見えるドガの選択ですが、それを生半可に否定することを許さない強烈な迫力がダスティン・ホフマンの演技にはあります。パピヨンを見送りながら、泣き笑いしつつ何度もうなずき、自分の家に帰っていくドガの姿は涙なくして見れません。このダスティン・ホフマンの演技を見るだけでも、この映画を見る価値は十二分にありますね。

かたや、マックイーンですが彼の脱出劇というと言わずと知れた「大脱走」が思い浮かびます。大脱走でのマックイーンは逃げてもつかまってもかっこいい。バイクで疾駆する姿、独房で壁にボールを投げる姿、どれをとっても”ヒーロー”なんですよね。

しかし、本作では前半こそヒーローぶりが健在ですが、後半は徹底的に痛めつけられ、裏切られ、希望を打ち砕かれ、身も心もボロボロです。「お前は誰だ」と聞かれて、「I'am Nobody.」と答える歯抜けのマックイーンには、かっこよさのかけらもありません。

そんなになってしまっても、なおかつ自由を求め、必死に工夫し、最後の最後で脱走を成し遂げる姿は、人間としてのひとつの憧れ、こうでありたいという理想の姿です。どんなにみすぼらしくなろうとやっぱりマックイーンは真ん中の部分で真のヒーローだったんだなと、これまた涙涙で画面を見つめることになります。

私が定義しているオールド・ムービーは1960年代まで。本作は1973年製作ですから少し外れますが、躊躇なくこのブログに入れさせていただきます。

評価はもちろん星5つ★★★★★

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posted by FROST at 02:30| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | OLD:フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBとコメント有難うございました。
32年前タイプの違う大スター二人が共演というのでわくわくしていた作品ですよね。
恐らく今の若い人の感覚なら、ジョニー・デップとトム・クルーズが共演するようなものでしょう。もう私はどんな役者の共演にも胸をときめかせることはなくなりました。こちらが年老いただけではなく、それだけ役者らしい役者がいなくなりました。
Posted by オカピー at 2006年11月13日 15:12
オカピーさん、コメントありがとうございます。公開時はまだ子供だったので、アクション系で派手なマックィーンばかりを観ていた記憶がありますが、今観るとダスティン・ホフマンも本当に素晴らしい。腕を組んでパピヨンを見送る姿は目に焼きついています。素晴らしい共演でした^^
Posted by FROST at 2006年11月14日 14:03
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映画評「パピヨン」
Excerpt: ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1973年アメリカ=フランス映画 監督フランクリン・J・シャフナー ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-11-11 01:50
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