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2005年10月15日

#0005『バルカン超特急』アルフレッド・ヒッチコック監督 1938年イギリス

Lady Vanishes.jpg”The Lady Vanishes”

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: エドワード・ブラック Edward Black
原作: エセル・リナ・ホワイト Ethel Lina White
脚本: シドニー・ギリアット Sidney Gilliat
撮影: ジャック・コックス Jack E. Cox
音楽: ルイス・レヴィ Louis Levy
 
出演: マーガレット・ロックウッド Margaret Lockwood
   マイケル・レッドグレーヴ Michael Redgrave
   ポール・ルーカス Paul Lukas
   グーギー・ウィザース Googie Withers
   リンデン・トラヴァース Linden Travers
   メイ・ウィッティ May Whitty



「英国人のご婦人なんていなかったわ。はじめから誰もいなかった。」

バルカンのリゾート地からロンドンに向かう特急列車のコンパートメントの中。乗車前に頭をぶつけ、気分がすぐれず仮眠をとった主人公アイリス(マーガレット・ロックウッド)が目覚めると、昨晩ホテルで知り合い一緒に列車に乗ったはずの英国の老婦人フロイが忽然と姿を消してしまっています。

乗り合わせた乗客や車掌に尋ねてもだれも老婦人のことを覚えていません。一緒にお茶を飲んだはずの食堂車に残されている注文伝票も一人分だけ。でも、自分はフロイの着ていたものまで詳しく覚えているのに・・。

やがて、戻ってきた老婦人は着ているものだけが同じの全くの別人。この列車では何かとんでもないことが起きている。やがて明かされるその真相とは・・・・。

さて、自分の記憶を周囲の人間すべてに否定されてしまったら・・・。自分の記憶は本当に正しいのだろうか。ひょっとしたら自分が間違っているのだろうか。

見ているものは、アイリスの不安を体感しつつ、かたや起こっていることの裏側にはどんな真相が隠れているのだろうか、”うーんどうなってるんだよ”と思い悩むことになります。

一見すると平凡きわまりない映像の中に、ひょっとすると何かが潜んでいるんじゃないか。それが重大な鍵になっているんじゃないか、と目を見開きながら映像を凝視することになります。

  ・繰り返し流れるセレナーデ
  ・オートミール色のツイードジャケットと青いリボン
  ・笑顔を絶やさないイタリア人の夫とにこりとも笑わないその妻
  ・人目を避ける不倫の弁護士
  ・クリケットに夢中のイギリス紳士
  ・メキシコで人気のハリマン・ハーブティの包み紙
  ・包帯でぐるぐる巻きの重症患者と脳外科の権威
  ・ハイヒールを履いた尼僧
  ・少し大きなブランデーグラス
  ・角砂糖、警笛、窓に指で書いた名前・・・・


すべての鍵が、絶妙に配置され、これぞサスペンス!これぞヒッチコック映画!はぁ、良かったぁ。。。500円だし。

90フィートというから27メートル。学校のプールくらいのセットですべての列車内のシーンは撮られたそうです。後のヒッチコック映画でも頻繁に使われたキーアイテムのクローズアップ手法など数々の実験を行ったということです。二年後のアメリカ行きに備えて意欲満々だったのでしょうか。

しかし1938年ですよ。70年近く前の映画です。トーキーが生まれて10年。だからでしょうか、ホテルの支配人の演技などはサイレント並みのオーバーアクションが笑えます。でも、プロットの秀逸さをとっても、サスペンスのワクワク感をとっても、最近の映画に勝るとも劣りません。ヒッチコック映画の中でもすぐれた一本といえると思います。評価は星5つ★★★★★

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posted by FROST at 14:34| 埼玉 ☀| Comment(8) | TrackBack(3) | OLD:イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB致しました。
最近観てもいないのに、FROSTさんやカカトさんのところとリンクしたくて映画評を書き起こしました。
この作品を初めて観た時ヒッチコックは健在だったんですよ。時間が経つのは早いですねえ。
Posted by オカピー at 2006年01月10日 21:36
オカピーさん、いつもTBありがとうございます。ヒッチコック健在のころですか・・・。私は確かファミリー・プロットの封切を見た記憶があります。最後の監督作品になるとは思いませんでした。なんか感慨深いですねぇ。
Posted by FROST at 2006年01月12日 01:49
これ、良かったですね。あの老婦人が可愛くて品が良くて素敵でした。
歌が暗号だったとはね!!
私ならあんな短時間に覚えられるかなあって心配です。いた筈の人物が消えて、誰も知らないという不安感は恐ろしいものです。最近では「フライトプラン」がこれを
踏襲してましたよね。でも、画面は大がかりで派手でもこのヒッチコック版には
遠く及ばない。
Posted by sesiria at 2006年09月27日 21:36
sesiriaさん、こんばんは。そう、あのおばあちゃん素敵でしたよね。古い映画を集中的に見出して間もないころに見た映画ですが、こんなに面白いものかと感動しました。

『フライトプラン』は、ガラスにハートマーク書くあたりちょっと期待してたんですけど、なんか見にいく気もしなくなるくらい評判よくないですね。テレビにかかったら見ましょうかね。
Posted by FROST at 2006年09月28日 23:31
ようやく買いました。500円DVD、しかも25%引きという法外な(笑)価格でした。でもジャケ悪すぎ!なにも500円ってでっかくのせなくてもいいのに!ビデオもってるんですが、ビデオデッキが壊れてそのまま..というお粗末さのため久々に見ました。やっぱりいい映画です。昔の映画ですから、終盤の銃撃戦やら、おばあさんがよく一人で逃げ切れた等と若干ご都合主義的なところはありますが、この映画の見所は、やっぱり密室状態となっている「走っている車内」での一連の場面にあるので、まぁヨシとしましょう。場面に鏤められた些細な出来事が後でポイントになってくる、という映画のお手本となる筋立ては何度見てもいいですね!
Posted by giantmacs at 2006年10月29日 19:44
giantmacsさん、はじめまして。ようこそおいでくださいました!
500円DVDの25%引きですか?375円?驚きですね。ジャケットは・・・贅沢いえませんね・笑。おばあさんが後を託して森の中に走り出すときのポーズって、月光仮面みたいでしたよね。マントぱーって感じ(違いましたっけ?^^;)。とにかく良い映画です^^。giantmacsさんのブログにも遊びに行きます〜。
Posted by FROST at 2006年10月30日 16:49
あんな人のよさそうなおばあちゃんが
そんな大きな任務を抱えているなんて
だれも想像できませんよね。
古い映画なのに、今見ても衝撃は斬新でした(^o^)
Posted by 奈緒子 at 2007年01月22日 16:21
奈緒子さん、こんばんは。実は1930年代の映画などはこのブログを始めるまでほとんど観たことがなかったのですが、この映画の面白さは本当に衝撃的でした。一気にヒッチコックファンになりました。
Posted by FROST at 2007年01月26日 23:58
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「バルカン超特急」
Excerpt: 「バルカン超特急」(The Lady Vanishes) 1938年イギリス 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 マーガレット・ロックウッド    マイケル・レッドグレーヴ あら..
Weblog: 私が観た映画
Tracked: 2005-12-29 15:19

映画評「バルカン超特急」
Excerpt: ☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1938年イギリス映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-01-10 17:59

バルカン超特急
Excerpt: 古い映画だけど、すばらしいヒッチコック作品です。 今までいた老婦人が消えて、まさかそれがスパイだったなんて!!! 暗号の伝達方法も非常に映画栄えする発想で、 想像もできませんでした。電車での銃撃戦も..
Weblog: まるっと映画話
Tracked: 2007-01-22 16:24
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