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2007年02月25日

#150『オール・ザ・キングスメン』ロバート・ロッセン監督 1949年アメリカ

ALL THE KING'S MEN.jpg
”ALL THE KING'S MEN”

監督:ロバート・ロッセン
製作:ロバート・ロッセン
原作:ロバート・ペン・ウォーレン
脚本:ロバート・ロッセン
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:モリス・W・ストロフ
出演:ブロデリック・クロフォード/ジョーン・ドルー
   ジョン・アイアランド/ジャック・バーデン
   ジョン・デレク/ポール・フォード
   アン・セイモア/マーセデス・マッケンブリッジ

詳しい作品情報はこちら
    ⇒オール・ザ・キングスメン(1949) - goo 映画
    ⇒オール・ザ・キングスメン@映画生活
    ⇒IMDb(英語)


一介の役人ながら正義漢と理想にあふれるウィリー・スターク(ブロデリック・クロフォード)。かませ犬として出馬した州知事戦で、民衆に思いをぶつける術を学び、予想外の接戦まで持ち込むが惜しくも本命候補に敗れる。4年後の知事戦に再出馬した彼は、明確な政策アピールと巧みな裏工作でついに知事に当選する。知事となった彼は、次々と公共事業を行い州の近代化を進めて絶大な権力を手中にする。しかし、権力を握るほどに彼は当初の理想を忘れ、贈賄・恐喝で政敵を排除する独裁者へと堕落していく・・・。

と言うことで、ドラマ内容としては結構いやーな感じ。ピューリッツァ賞を獲得した原作『すべては王の臣』を、共産党活動もしていたロッセン監督が演出したかなりハードな作品。政治の裏側をリアルに描いているため、日本への輸入にストップがかかり、初公開されたのは27年後の1976年といういわく付き。

どんどん権力の虜になっていくスタークもいやですが、彼の周りにいる人間たちは敵か僕(しもべ)のみという、その人間関係がすごくいやですね。スタークの人間性が変わっていくと共に心が離れていく妻ルーシーや息子トムさえも、反発しつつも決別することができない。『すべて王の臣』とは良く言ったものですな。

これだけいやなドラマをきちんと見せてくれるロッセンの演出とブロデリック・クロフォード(アカデミー主演男優賞獲得)の演技力は素晴らしい。ブロデリック・クロフォードは以前記事アップした『仕組まれた罠』で、妻グロリア・グレアムへの嫉妬に狂って人殺しまでする男を演じていました。両方の作品に共通して、人が変貌していく様を演じるのが実に達者ですね。特に、やつれてボロボロの男を演じると天下一品。

マーセデス・マッケンブリッジ(女秘書役)と元新聞記者ジャック役ジョン・アイアランドもそれぞれアカデミー助演賞にノミネートされて、マッケンブリッジが助演女優賞を受賞していますね。ほー、彼女はこれがデビュー作ですか。しかし、個人的にはジョーン・ドルーも含めてブロデリック以外の役者さんたちにあまりピンとくるものはなし。

ジョーン・ドルーはハワード・ホークス監督の『赤い河』で、肩に矢が刺さりながらも、モンゴメリー・クリフトにビンタ食らわせてから気を失うという勝気な女を演じて大ファンなのです。が、今回のクロフォードと不倫の仲となるアンの実に女らしい姿は今ひとつ魅力を感じませんでした。男っぽい方が似合いかな。

ロバート・ロッセン監督は、アカデミー監督賞と脚本賞にノミネートされていながら、授賞式直前に赤狩りの告発にあってオスカー獲得ならず。その後の彼の苦悩は深く、ハリウッドでは二度と映画を作らなかったらしい。残念なことです。

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オール・ザ・キングスメン
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posted by FROST at 01:07| 埼玉 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 FROSTさん・・・今晩は。
うーーーん。この作品は未見ですが・・・キャストの面々には親しみがあります・・・。
フロデリック・クロフオード・・西部劇では悪役が多かった。助演男優賞の受賞から名バイプレーヤーとして頷けるキャラでしたね・・・。
ジョン・アイアランド・・・「荒野の決闘」(46)やFROSTさんがご指摘の「赤い河」(48)では、撮影が終わると共演のジョーン・ドルー嬢と結婚しましたね。「OK牧場の決闘」(56)にも顔を出していた・・・。
ジョーン・ドルー嬢・・・「黄色いリボン」(49)が、強いて言えば印象に残る程度。
マーセデス・マッケンブリッジ嬢・・・この作品がデビュー作だったんですか、知りませんでした。後年、「大砂塵」(54)では・・・ジョーン・クロフオード嬢と張り合う役柄でした・・・。
ジョン・デレク・・・活劇二枚目スターでしたね・・・後に監督もやり、奥さんのボー・デレル嬢のナイスボデイをご披露していました。(笑)
でも、やはりこの作品はキャストでは夫々にキャラを発揮している感じですが、全体的に地味な感じは否めませんね・・・。
Posted by グリーンベイ at 2007年02月27日 01:09
グリーンベイさん、お返し遅くなりました。

未見とはお珍しい・笑。今度リメイクされるようですね。
ブロデリック・クロフォードは、結構好みになってきました。西部劇の悪役ですか。ピッタリです。 こういうアクの強い俳優がガッチリ演技を決めてる作品は面白い。こじんまりというか生真面目な監督がつくったマジメな作品という感じでしたね。私は結構好きでした。
ちょっと残念なのはジョーン・ドル―。『赤い河』ではホントにお気に入りだったんですが、その後『復讐の谷』、本作と二回見かけて今ひとつ。特に今回は彼女の両肩をつかんで詰め寄る男に対してのけぞつて首をふる演技が二回あり、いかにも凡庸でちょっとがっかり。次のめぐり会いに期待です。
Posted by FROST at 2007年03月04日 11:24
TB&コメント有難うございます。『仕組まれた罠』『赤い河』も未見です。ジョーン・ドルーは『地獄の拍車』、ブロデリック・クロフォードは『崖』ぐらいしか見てないんですよね…。
ロバート・ロッセン監督、赤狩りにあっていたんですか…。知りませんでした。
Posted by ぶーすか at 2007年06月14日 21:29
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ロバート・ロッセン監督「ハスラー」「オール・ザ・キングスメン」
Excerpt: ●ハスラー ★★★★ 【NHKBS】「オール・ザ・キングスメン」のロバート・ロッセン監督。ビリヤードで稼ぐ若き勝負師エディ(ポール・ニューマン)は伝説のプレイヤーのミネソタ・ファッツ(ジャッキー・グ..
Weblog: ぶーすかヘッドルーム・ブログ版
Tracked: 2007-06-14 21:15
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