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2006年12月17日

孤独な場所で 1950年/アメリカ【DVD#141】

in a lonely place.jpg
”IN A LONELY PLACE”

監督:ニコラス・レイ
製作:ロバート・ロード
原作:ドロシー・B・ヒューズ
脚本:アンドリュー・ソルト
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:ジョージ・アンセイル
出演:グロリア・グレアム
   ハンフリー・ボガート
   アート・スミス

詳しい作品情報はこちら
    ⇒allcinema
    ⇒IMDb(英語)


ネタバレですよ

我がヒーローハンフリー・ボガートと、期待のグロリア・グレアムの共演。監督は当時、グロリアの夫であったニコラス・レイ。

今回のハンフリー・ボガートの役どころは、映画の脚本家ディクソン・スティール。腕は良いものの、激しやすい性格が災いし戦後はヒット作が出ていません。

ディクソンは、脚本執筆の手伝いという名目で、クラブウェイトレスを自宅に招じ入れます。しかし、彼女はディクソンの家を出た直後、絞殺されて車から投げ捨てられているところを発見され、ディクソンに嫌疑がかかります。警察に連行されたディクソンのアリバイを証言し助けるのが隣人の謎めいた美女ローレル(グロリア・グレアム)。

先日感想をアップした『仕組まれた罠』では、グロリア・グレアムの魅力に惹きこまれたものの、後一歩キャッチすることができませんでしたが、この作品では・・・きましたよ、すばらしい。

『仕組まれた罠』の感想を改めて読み返すと「泣き顔が似合う」と書いていました。確かに、そちらでは泣いてばかりいてそれも魅力的なのは間違いないのですが、彼女の一番の魅力は泣き顔ではありませんでした。ワケも事情もありそうな女のちょっと謎を含んだ笑み。これですねぇ。いっやー(大喜び)、この作品前半のグロリア・グレアムを見たことのない方はぜひご覧になったほうが良いです。お奨めします。抜群に魅力的です。

ハッとするシーンもたくさんありました。ロングスカートのポケットに両手を突っ込んでボギーと話すシーン、窓の外からのぞいている友人メル(アート・スミス)と窓辺に腰掛けて格子ごしに話すシーン、極めつけはバーのピアノカウンターで隣のボギーに送るながし目。

グロリア・グレアム、今度こそ完璧に惚れました。実に素晴らしい。


前半はね・・・。


この作品、後半に急速に入れ込み度がダウン。浜辺のピクニックで、ローレルが警部と話したことを知ったディクソンは怒り狂い、車で暴走した挙句接触事故を起こした相手の運転手を半殺しの目に合わせます。この後、ローレルはディクソンの激しやすい性格に恐怖し始めます。ウェイトレス殺しはやはりディクソンの仕業ではないのかという疑いも再び頭をもたげてきます。

ここでですね、ローレルの謎めいた部分が一気になくなってしまうんですよね。身の危険に恐怖するごく普通の女になってしまいました。。。で、泣くでしょ。『仕組まれた罠』のヴィッキーと同系統の表情・演技です。それでも十分魅力的なんですが、前半の飛びね抜けた魅力からすると今ひとつ(いや二つ)。

見終わってから知ったのですが、この作品は製作途中で大きくストーリーが変わったそうです。当初はシリアル・キラーチックなサイコ・サスペンスだったらしいですね。そう言われれば刑事にウェイトレス殺しの状況を推理して見せるボギーの表情はかなりアブノーマルな感じでさもありなんと思わせます。しかし、最終的にはボギーのアドリブにあわせてニコラス・レイがシナリオを書き直し、ボギーとグロリアの恋愛のいきさつを中心にすえたドラマになっています。

前半のグロリア・グレアムがかもし出しているなんともいえない妖艶な雰囲気はきっとなにかの複線になっていたんじゃないかと思うんですね。でもシナリオが変わってしまったので結局そのあたりは後半のストーリー展開に何にも関係なく素通りになってしまったのではないかと。ドラマの方も、あ、そういうことなのねという感じで終わってしまいました。これは観る人の好みにもよると思いますが、ロマンスよりサスペンス・スリラーな方が好みな私としてはちょっと拍子抜けの感が否めませんでした。

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BOXしかないのかな・・・

アクセス解析
posted by FROST at 02:56| 埼玉 ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBさせていただきました。
FROSTさんすっかりグロリア・グレアムに夢中ですね(笑)しかし、まだまだ彼女の魅力はこんなものではないですぞ。他の映画で色々なグロリア・グレアムに出会えますよ。そしてまたKOされてください。
途中でストーリーがガラリと変わったいきさつは…答えにならないかも知れませんが、私のブログでお返事してありますので、よろしく。
Posted by オショーネシー at 2006年12月17日 18:31
 FROSTさん・・・今晩は。
背景の色が薄青に変わってとても見やすいです。(笑)
 うーーーん。ニコラス・レイの最高傑作?とも云われた「孤独な場所で」(50)・・・オショーネシーさんと偶々同時にレヴューアップされたことでお二人の感性の違いは・・・興味津々です。
 男脳と女脳の違いを感じることが出来るだろうか?。
作品の持つ雰囲気・・・前半と後半の緊張感をお二人とも指摘しておられますね・・・。脚色が都度つど変えたそうですね。監督もアメリカ映画の王道と云うかを気に過ぎてドロシー・B・ヒューズの素晴らしい原作をラストで変えて撮った・・・残念です。変えなければ題名の「孤独な場所で」とボギーの孤独感がより作品に強調されたに違いない・・・そんなことが最後に物足りなさを残したのではと想像しています。
 でもFROSTさんが何度も強調していましたが・・・グロリア・グレアム嬢には・・・ハットするシーンが多くあったとか・・・良かったですね。
 「ロングスカートに手を突っ込んでボギーと話すシーン、窓の外からのぞいているメルと窓辺に腰を下ろして格子越しに話をするシーン、極め付きはバーのピアノカウンターで隣のボギーに送る流し目」・・・こうした洞察力・・・大切ですね。ややもすると見逃してしまうシーンを・・・オシャレな映像と雰囲気を見逃さない・・・FROSTさんに限りなき親しみを覚えます・・・そんなレヴューアップをこれからも期待させていただきます・・・。
 わがグリーンベイ名画鑑賞会でも是非取り上げたい作品と思っています・・・。
Posted by グリーンベイ at 2006年12月17日 23:26
このBOXセットは結構バラになって売ってますよ。ボギーのBOXでは『東京ジョー』がすでに発売されています。今月には『大いなる別れ』来月にはボギーの遺作『殴られる男』が発売になります。
Vol.2は『ギルダ』『上海から来た女』がバラで発売されていますので、そのうち全作品がバラで売られると思います。
しかし、BOXで高いお金を出して買った人には、なんか損したというか…納得出来ないのよね←買った人。
Posted by オショーネシー at 2006年12月17日 23:47
コメント投稿寸前に24Hメンテナンスに引っかかってしまいました。お返事が遅くなりすみません。

>オショさん、お早うございます。DISCASにあるグレアムものは全部チェックしました。といっても4つしか出てこないんですけどね。オショさんのコネで在庫増やしてもらってください・笑。
この映画のストーリーについては、グリーンベイさんのコメントもあるように、やはりちょっと残念だったと思います。4/140Pしか使わないほどの大変更だったんですねぇ。ボギーはヒーローも汚れ役も出来るという当時のハリウッドじゃ貴重な存在だったんじゃないかと思いますが、ここはひとつ徹底してシリアルキラーを演じてほしかったところです。もちろん、グロリア・グレアムがとことんいたぶられて追い詰められてギリギリのところで窮地を脱するような・・いやー、観たかったなぁ。
DVDについてはamazonでBOXしか出てこないんですよね。それにしてもそうですか、BOX買ったんですね、えらい笑っちまいました。

>グリーンベイさん、お早うございます。
私のPCのディスプレイだとこのテンプレートほぼ真っ白に見えてるんですよね。犬の足跡もほとんど見えてないし・・薄青だったとは驚き。ともあれ、グリーンベイさんの見やすい画面になってよかったです^^。
今回たまたま同じ作品レビューになりましたが、オショーネシーさんの鋭い観察力はいつもながらすごいと思いますよ。私なんざまだまだひよこのようなもんです。とにかく素晴らしいシーンを発見するのは楽しいですからね、場数踏んでいきたいと思います。温かいお言葉をありがとうございます。
グロリア・グレアムについては、もう、これは一気に大ファンですよ。もう、バーグマンは抜きましたよ。とりあえず手に入る限りのグレアム作品は観ようかと。”グリーンベイ名画鑑賞会”の目の肥えた皆様のグレアム評も是非お聞かせください。
Posted by FROST at 2006年12月20日 08:22
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孤独な場所で
Excerpt: 1950年 アメリカ 監督 ニコラス・レイ 出演 ハンフリー・ボガート    
Weblog: ブリジット・オショーネシーの日記 ??
Tracked: 2006-12-17 17:46
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