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2006年11月12日

イヴの総て 1950年/アメリカ【DVD#132】

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”ALL ABOUT EVE”

監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ
製作:ダリル・F・ザナック
脚本:ジョセフ・L・マンキウィッツ
撮影:ミルトン・クラスナー
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ベティ・デイヴィス/アン・バクスター
   ジョージ・サンダース/ゲイリー・メリル
   マリリン・モンロー/ヒュー・マーロウ
   グレゴリー・ラトフ/ランディ・スチュアート
   セレステ・ホルム/セルマ・リッター
   バーバラ・ベイツ/クレイグ・ヒル


詳しい作品情報はこちら
    ⇒allcinema
    ⇒IMDb(英語)


ネタバレですよ

前回感想をアップした『サンセット大通り』と同じ1950年の作品。アカデミー賞延べ14部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・助演男優賞(ジョージ・サンダース)・脚色賞など6部門受賞。ちなみに『サンセット大通り』は12部門にノミネートされて、脚本賞など4部門受賞ですね。しかし、意外にも主演女優賞/男優賞はどちらの作品も獲得できなかったようです。本作で激突したベティ・デイヴィスとアン・バクスターはともに主演女優賞にノミネートされていました。

一番印象的だったのは、俳優、特に女優陣の演技合戦ですね。新進女優イブ・ハリントンを演じるアン・バクスターはクールな表情を大きく変えることなく従順さや、計算高さ、傲慢さなど全く違う感情を見せるところは素晴らしい。アン・バクスターがこの役に向かう意気込みがうかがえます。

映画を見て俳優の演技が良いと思うときには、当然シナリオや演出や撮影の巧さも大きく影響しているのですが、やはり演じる本人の”気合い”が伝わってこないと感動できません。その気合がビンビンと伝わってくる名演技です。

一方のベティ・デイヴィスもさすが。女優として成り上がるという野望を秘めて、冷静に着実に計算づくで手を打ってくるイヴに対して、彼女の演じるマーゴは自分勝手で感情的ですが”女の勘”でイブの本性を感じ取ります。女優としての危機を感じて平静を失うマーゴが恋人のビルと喧嘩別れする場面は、大女優ベティ・デイヴィスの実力発揮の名シーンですね。

マーゴは最終的にビルの愛を得て立ち直りますが、イブとマーゴの二人の在りようはそれぞれ女性の特質を極端に示した姿ですね。それに比べて、男たちは単純というかなんというか。人を見下す態度が天下一品のジョージ・サンダース演じる評論家アディスンのような悪魔的なワルはいるとしても、それ以外は実に他愛ないもんです。

気合十分の俳優の名演技を、画面の真ん中に人物をすえて小細工なしでぶつけてくる横綱相撲の名作でした。

★★★★☆


イヴの総て
イヴの総てメリー・オア ジョセフ・L・マンキーウィッツ ベティ・デイビス

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posted by FROST at 22:46| 埼玉 ☀| Comment(6) | TrackBack(2) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「女優としての危機を感じて平静を失うマーゴが恋人のビルと喧嘩別れする場面」
私もこの場面のベティ・デイヴィスの迫真の演技がすごいと思いました。脇役ですが、セレステ・ホルムもいい女優です。
同じ年にバックステージもの2本がアカデミー賞を争ったというのも不思議ですね。
Posted by まいじょ at 2006年11月13日 18:54
この映画ではマリリン・モンローが“予想外”な名演技・演技派女優ぶりを見せてますね。特にオーデションの場面が素晴らしいと思いました。
しかし、『サンセット大通り』といい『イヴの総て』といい、役者陣の演技のレベルの高さと言ったら!!息もつけないほどですね。
ちなみに最初のシーン、ベティ・デイヴィスが舞台のメークを落としつつ延々と喋り続ける場面は、マンキウィッツ監督が舞台の楽屋見舞いに行ったとき、キャサリン・ヘプバーンがしていたことをそのまんま頂いちゃったんだそうです。ケイト・ヘプバーンは激怒。後に『去年の夏、突然に』で監督と女優として共演(というのか?)したときには、彼女の出番が終わったときケイト・ヘプバーンが監督に向かってつばを吐くという“事件”が発生したそうです。
アン・バクスターは有名な建築家、フランク・ロイド・ライトのお孫さんだそうです。
Posted by オショーネシー at 2006年11月13日 19:29
 Frostさん・・・今晩は。
うーーーん。「イヴの総て」(50)・・・この作品は演劇界のドロドロした裏社会を辛辣に描いていましたね。そう云えば「サンセット大通り」(50)と似たような題材を扱っていますが・・・この「イヴの総て」の方が作品としての仕上が数段上でしょうなあ・・・演劇界でもハリウッドでも現在進行形のスターの浮き沈みを冷徹に描いている。
アン・バクスター嬢・・・この時27歳・・・輝いていましたね。「剃刀の刃」(46)・・・では23歳ですよ。西部劇にも何本か出演している・・・こちらの方で映画少年の場合より親しみがある・・・「廃墟の群盗」(49)「彼女は二挺拳銃」(50)等・・・。
「イヴの総て」で最後にイヴの後釜を狙う強かな女・・・トロフイーをタクシーの運転手が届けにきたと嘘を平気でつく女バーバラ・ベイツ嬢もチャーミングでしたねあ(笑)
ジョセフ・L・マンキーウイッツ監督では・・・やはり映画界のお話の「裸足の伯爵夫人」(54)が印象に・・・エヴア・ガードナー嬢・・・ハットするような綺麗さでしたね、彼女32歳の女盛りでした・・・。
Posted by グリーンベイ at 2006年11月13日 21:56
>まいじょさん、いつもありがとうございます。セレステ・ホルムは極端な二人の女にはさまれて普通っぽい品の良さが良かったですね。

>オショさんこんにちは。マリリン・モンローのことを書きませんでしたが、予想外というのか、良かったですよね。やはり、華があって登場するだけでパッと画面が明るくなるような感じがしました。キャサリン・ヘップバーンの件はなにかで見かけていましたが、唾吐くところまでいってましたか・大笑

>グリーンベイさん、こんにちは。
アン・バクスターの西部劇はちょっと見てみたいですね。外見・容姿が西部劇に似合いそうです。
実力だけの世界はどこでもでしょうが、人間の本性がむき出しになって本当にドロドロと濃いですね。オショさんもおっしゃってますが、それを表現する役者たちの演技がすごい。なんていうんでしょう、重量感?なかなか今の映画では観れません。
Posted by FROST at 2006年11月14日 14:00
マーゴのモデルとなった女性はいろいろと諸説あるようですが、実際のところはどうなんでしょうね??
あまり名誉なことではないのでしょうけど・・。
Posted by カカト at 2006年11月28日 12:52
カカトさん、こんばんは。マーゴのモデルってベティ・ディヴィスなんですか?知りませんでしたが、そういわれれば・・と思わせますね。しかし、マーゴって男から見るといい意味でも悪い意味でも極めて女らしいと思いますね。うかつに言うと女性から怒られるかもしれませんが。ベティ・ディヴィスの顔が怖いのですごいキャラに見えますが、情が深くてかわいいところもずいぶんあるなと。
Posted by FROST at 2006年11月28日 22:09
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Excerpt:  演劇界の裏側の人間模様を描いたドラマで、同じく映画界の内幕を暴露した「サンセット大通り」とともに一大センセーションを巻き起こしたそうです。  ブロードウェイの大物女優マーゴ(ベティ・デーヴィス..
Weblog: お楽しみはこれから!
Tracked: 2006-11-13 18:54

「イヴの総て」を観ました
Excerpt: 「イヴの総て」(All About Eve) 1950年アメリカ 監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ 出演 ベティ・デイビス    アン・バクスター あらすじ  新進女優のイヴ・ハリ..
Weblog: 私が観た映画
Tracked: 2006-11-28 12:46
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