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2006年10月31日

情婦 1957年/アメリカ【DVD#130】

Witness-for-the-Prosecution.jpeg
”WITNESS FOR THE PROSECUTION”

監督:ビリー・ワイルダー
製作:アーサー・ホーンブロウ・Jr
原作:アガサ・クリスティ
脚本:ビリー・ワイルダー/ハリー・カーニッツ
撮影:ラッセル・ハーラン
音楽:マティ・マルネック/ラルフ・アーサー・ロバーツ
出演:タイロン・パワー
   マレーネ・ディートリッヒ
   チャールズ・ロートン
   エルザ・ランチェスター
   トリン・サッチャー


詳しい作品情報はこちら
    ⇒allcinema
    ⇒IMDb(英語)


『必死の逃亡者』のコメントでマレーネ・ディートリヒのことを少し書いたら無性に彼女を見たくなったので、未見のままおいてあった『情婦』のDVDを鑑賞しました。

1957年というと、ディートリヒはなんと56歳。もうじき還暦ですよ。共演のチャールズ・ロートンとは二歳しか違いませんから。孫もいたんじゃなかったかな。それでこの魅力ですから。すごいですねぇ。酒場の舞台でアコーディオンを弾きながら歌うシーンがありますが、やっぱり彼女の歌は良いです。ちょっと低めの歌声でね、たまりません。黒のパンツ姿ですが、酔った兵士にパンツのすそを破られて左足だけ披露してくれます。いやー、素晴らしい。

今回のディートリッヒの役回りは、殺人容疑で裁判にかけられるボール(タイロン・パワー)の妻クリスチーネ。イギリス軍に所属していたボールが占領下のドイツに駐留していたときに知り合い結婚。しかし、その結婚には裏があります。ボールのアリバイを唯一証言できる立場の彼女が検察側証人に立ちますが、その証言内容は意外なもので・・・。

マレーネ・ディートリッヒの魅力は一見冷たいほど無表情に見える中に、実は女性らしい感情が渦巻いていて、ある瞬間にそれがほとばしりでる。そのギャップにあると思います。前回の『必死の逃亡者』のコメントで、「ハッとさせるシーンを見せてくれる女優が好き」というようなことを書きましたが、この作品にもありましたよ。ボールの評決が出るのを証人控え室のガラス戸のところで見ているディートリッヒの心配そうな姿ですね。実に女らしいでしょう。証言台に立っていたときの氷の女王のような風情とは対照的です。こういうところにぐっと来ますねぇ。

エンディングに、「このストーリーの結末を誰にも話さないで下さい」とありました。『悪魔のような女』でも出てましたね。わざわざ断り書きを出すだけあって、ストーリーはラストに向けて二転三転。『悪魔のような女』みたいなショッキングなサプライズはありませんが非常に良く出来たストーリーです。話すなといわれている限り書けませんが、これは間違いなく面白い。

ビリー・ワイルダーは自ら脚本も書いていますが、脚本を厳選する監督ということで有名なんですってね。今回のシナリオはストーリーとしての出来のよさに加えて、会話のテンポがすこぶる良い。特に、はじめのウィルフリッド卿の事務所でボールから一通り老婦人殺害事件の話を聞くシーンの三人のやり取りが非常に軽快でずいぶん楽しめました。事件の話をしながらも、一歩部屋を出ると看護婦がいろいろと口を挟んだり、看護婦の目を掠めて葉巻が欲しいチャールズ・ロートンの悪戦苦闘があったり、いろんな小細工を含めて見かけ以上に複雑なシナリオだと思うのですが、抜群のパス回しを見ているようで気持ちが良いですねぇ。おまけにチャールズ・ロートンは顔にあんなに肉がついているのに、細かい目線とか表情の変化ですごくよい演技をしますよね。彼も好きな俳優の一人です。

絶妙のストーリーテラーと名優の共演で実に楽しい作品でした。★★★★☆

情婦(1957) - goo 映画
情婦@映画生活


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posted by FROST at 10:59| 埼玉 🌁| Comment(15) | TrackBack(6) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ビリー・ワイルダーの作品は、コメディよりも、『失われた週末』『深夜の告白』『サンセット大通り』そしてこの作品のような“怖い”映画のほうが好きなんですよ。
しかし、ディートリッヒは年齢不詳ですねぇ…。でもこの作品で演技力の限界も見て取れる。電話のシーンがね…(ネタバレになっちゃうから書きませんけど(笑))
Posted by オショーネシー at 2006年10月31日 18:23
 Frostさん・・今晩は。
うーーーん。ワイルダー監督・・・オールラウンド・プレーヤーですね。その作品も秀作揃いです。この裁判劇も優れた作品ですが・・・映画少年には、やはり色んな意味で「サンセット大通り」(50)が最高傑作と考えている。理由をあげれば枚挙に暇が無い。偉い先生諸氏も多くの論評を張っておられるので今更と云う感じです。
 マルレーネ・デイトリッヒ嬢・・・この作品では盛りを過ぎたイメージでしたね。彼女57歳です。又、39歳で撮った西部劇「砂塵」(39)があるが・・・映画の中でJ・スチュアートの台詞「キミは化粧を落とすともっと綺麗になるよ」がある・・・彼女は一人になった時、鏡に向かって口紅を拭取るシーンが・・・。
その厚化粧のせいか・・・やつれにも似た寂しさを感じるのでした。
 チャールス・ロートン・・・いつも、その存在感には圧倒されます。この作品で彼と意気のあった看護婦役のエルザ・ランチェスター嬢は奥さんですね・・・。
Posted by グリーンベイ at 2006年10月31日 23:12
はじめまして♪
ランキングから遊びに来ました。
私は古い映画は有名なものくらいしか観たことがありませんが、どれもジャケットのデザインがオシャレですね!
またちょくちょく遊びに来ますので、どうぞ宜しくです!
あと言い忘れましたが、まことに勝手ながら私のブログにお気に入りとしてリンクさせていただいてしまいました。。。
もし御迷惑でしたら、すぐに消しますので一声かけてください。
Posted by やじさん at 2006年10月31日 23:53
こんな作品もあるんですね!観てみようと思います。
アガサ・クリスティーが原作なんですね〜。
Posted by かよちーの at 2006年11月01日 12:50
突然の書き込みで失礼いたします。
はじめまして、Yahoo!セカンドライフの編集部です。
団塊・シニア世代向けサービス「Yahoo!セカンドライフ」では記事を執筆してくださるサポーターを募集しており、ご連絡させて頂きました。http://secondlife.yahoo.co.jp/

[掲載イメージ]
http://secondlife.yahoo.co.jp/travel/supporter/article/e1020021_00047.html
ブログを拝見しており、とても素敵でしたので、「Yahoo!セカンドライフ」の中でも執筆頂きたいと思っております。是非一度ご検討いただけませんでしょうか。もしご興味を持っていただけるようであれば、こちらまでメールを一通頂けましたらば幸いです。support@ivoice.jp
それでは、心よりお待ちしております。


Yahoo!セカンドライフ編集部
Posted by Y!SL編集部 at 2006年11月01日 15:04
●いつもお世話になってます。『映画鑑賞&グッズ探求記 映画チラシ』です。『今月(11月)の常連様』(ミニアンケート?)やってますのでよかったらよろしくお願いします。

『娼婦』は10本の指に入るくらいの名作です。
Posted by moviemania1999 at 2006年11月01日 21:26
>オショさん、グリーンベイさん
お二人一緒にレスしてしまってすみません。マレーネ・ディートリッヒはかなり思い入れのある女優さんなんで、ちょっと贔屓目が過ぎたかもしれませんが、まあファンはそんなもんだということでご容赦を・笑。次はお二人ともから名前の挙がった『サンセット大通り』をアップしたいと思います。(あの良くしゃべる看護婦、奥さんですか、へぇぇえ!)

>やじさん
はじめまして、ようこそいらっしゃいました^o^ なるべく製作国のポスター画像をと思ってます。どれも趣があっていいですよね。リンクの件本当にありがとうございます。こちらからもリンクさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。

>かよちーのさん
どうもどうも、いつもありがとうございます。これはかなり面白かったですよ。ちのさんも気に入るんじゃないかな。ぜひレビューアップしてください^^

>Yahoo!セカンドライフ編集部
はじめまして、お誘い誠にありがとうございます。サイトの方を拝見させていただいてご連絡差し上げようと思います。よろしくお願い申しあげます。

>moviemania1999さん
いつも誘っていただいてありがとうございます。早々書き込みに行きますのでよろしくお願いします。(この作品ホントに面白いですよね^^)
Posted by FROST at 2006年11月02日 00:26
こんにちは。
私もこの作品、大好きですよ〜。
ただちょっと邦題が気に入らないですけど・・。
Posted by カカト at 2006年11月05日 15:22
カカトさん、こんばんは。その後もお元気そうで何よりです^^。
『情婦』で、このポスターだと別の感じ映画を想像しますね。原題の『検察側の証人』で十分だと思いますけどねぇ。
Posted by FROST at 2006年11月06日 01:22
嬉しいですねえ。この映画も大好きです。
原作も読みました。ビリー・ワイルダー好きです。
推理物としてなかなか良く出来ているし
キャストがとてもいいですよね。ラストも
巧い終わり方で好きです。ほんと、名作ですね!
Posted by sesiria at 2006年11月06日 18:06
>sesiriaさん、コメントありがとうございます。途中良くてもラストで脱力すると言うか、そこまで行かなくてもちょっとすかされてしまう様なサスペンスものって結構ありますが、この作品のラストは見事でしたね。ラストの場にいた、ディートリッヒ、ロートン、タイロン・パワーみんな素晴らしかったと思います。
Posted by FROST at 2006年11月07日 10:30
マレーネ・ディートリヒの作品ではダントツに好きな作品です。しかし56歳だったんですか!それであの脚線美と美しさは人間離れしてます!そして彼女の変装(多くを語ると反則になってしまいますね)や演技には何度観ても驚いてしまうんですよねー。
Posted by ぶーすか at 2007年06月14日 21:57
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