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2006年10月06日

狂った果実 1956年/日本【DVD#121】

syuu.aaaa.jpg 監督:中平康/製作:水の江滝子
 原作:石原慎太郎/脚本:石原慎太郎
 撮影:峰重義/美術:松山崇
 編集:辻井正則/音楽:佐藤勝/武満徹
 特殊撮影:日活特殊技術部/助監督:蔵原惟繕
 
 出演:石原裕次郎/津川雅彦/深見泰三/藤代鮎子/北原三枝/岡田真澄/東谷暎子石原慎太郎

   詳しい作品情報はこちら
    ⇒allcinema

ネタバレですよ

『太陽の季節』と同じく1956年に公開された日活太陽族映画の名作。ゴダールやトリュフォーなどヌーヴェル・ヴァーグの名監督にも影響を与えたそうです。

主役は、『太陽の季節』の端役でデビューした石原裕次郎、名門マキノファミリーの御曹司津川雅彦、そして二人を相手に見事な存在感を見せる北原三枝。

石原裕次郎、前作『太陽の季節』はカメラテストという名目での出演だったそうです。石原慎太郎の脚本にホレ込んだ水の江滝子女史が慎太郎自身を出演させようとしたところ、「弟の方が映画向きだから」ということで裕次郎を紹介されます。

裕次郎を一目見て”これだ!”と直感した水の江プロデューサーは、会社と現場を説得します。ところが、誰も裕次郎に興味を示さない。どうしても裕次郎を使いたい水の江プロデューサーの苦肉の策がカメラテストという口実で出演させることだったそうです。

しかし、『太陽の季節』の裕次郎は端役ながら輝いてましたからね、二作目の主役に抜擢されたのも納得できます。

他の配役では『太陽の季節』で主役だった長門裕之をワンシーンだけのチョイ役(裕次郎に殴り飛ばされるチンピラで役名が石原!)に下がらせて、脇役だった岡田真澄をクローズアップしています。岡田真澄もこれでもかというくらいハーフの魅力を振り撒いており、いかにも怪しげでいいですねぇ。

湘南の裕福な家庭、太陽族を地で行く兄夏久(裕次郎)と真面目でウブな弟の春次(津川雅彦)。春次は駅ですれ違った恵梨(北原)に一目惚れしてつき合い始めますが、恵梨は春次に住まいさえ明かしません。実は彼女には年の離れた外人実業家の夫がいるのですが、それを知った夏久は、自分とも付き合うように恵梨に迫ります。夫がいながら春次との付合いは浮気ではないと言い切る恵梨も、それでは浮気は自分としろと迫る夏久も徐々に『狂った果実』の本領を発揮してきます。

夫の留守の度に、昼間は海で春次とプラトニックな交際をし、夜は夏久と時を過ごす恵梨。兄弟の恵梨への想いが高まるとともに三人のバランスは崩れ・・・。”狂った”二人の犠牲になるのかと思われた春次が次第に思いつめ、ラストではこの作品一番の狂気を爆発させます。

この作品は『太陽の季節』の姉妹編と言われていますが、以上のようにかなり趣は異なります。『太陽の季節』では、あくまで若者たちの”あたりまえ”の行動を描く中で価値観の違いを描いていました。何をやっても本気になれない、愛しているのに愛することがわずらわしい。そういう若者たちのもどかしいような未熟さをクールで無表情な長門と挑むような視線の南田洋子が好演していました。

『狂った果実』では若者たちの価値観をデフォルメして、無軌道で非常識な行動を極端にクローズアップしているように思えます。前半の若者たちの主張(これはない方が良かった)やあまりにエキセントリックな三人の関係、ショッキングなラストシーンなど、どうもデフォルメ度が効きすぎて個人的に違和感を感じるんですよね。違和感というよりも、結局は作り話なんだなというちょっと距離を置いて見てしまう感じかな。

確かにヌーベル・バーグにも通じる映像や雰囲気を感じることの出来る素晴らしい作品だと思いますが、今回は『太陽の季節』に軍配を上げておきたいと思います。★★★★☆


狂った果実
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posted by FROST at 23:49| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | OLD:日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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