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2006年06月22日

#0075『めまい』アルフレッド・ヒッチコック監督 1958年アメリカ

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”VERTIGO”

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
原作: ピエール・ボワロー Pierre Boileau
トーマス・ナルスジャック Thomas Narcejac
脚本: アレック・コッペル Alec Coppel
サミュエル・テイラー Samuel Taylor
撮影: ロバート・バークス Robert Burks
音楽: バーナード・ハーマン Bernard Herrmann
タイトルデザイン: ソウル・バス Saul Bass
 
出演: ジェームズ・スチュワート James Stewart
キム・ノヴァク Kim Novak
バーバラ・ベル・ゲデス Barbara Bel Geddes
トム・ヘルモア Tom Helmore
ヘンリー・ジョーンズ Henry Jones
エレン・コービイ Ellen Corby
レイモンド・ベイリー Raymond Bailey
リー・パトリック Lee Patrick


ネタバレですね。

あらすじ
犯人追跡中に同僚を墜落死させてしまった刑事スコッティ(ジェームズ・スチュワート)は、その罪悪感から極度の高所恐怖症になる。警察を退官した彼に、友人エルスター(トム・ヘルモア)は妻マデリーン(キム・ノヴァク)の監視を依頼する。彼女は死者にとり憑かれて挙動不審であり、自殺を図る心配があるという。

きわめて個人的かつ勝手な感想
前半、キム・ノヴァク演じるマデリーンは実に美しい。立居振舞いがなんともいえない。上品なコート姿もすばらしいし、スコッティの部屋で気がついたときの表情も魅力的。主人公のスコッティとともに彼女の行動を追ううちに、同じく彼女の魅力に引き込まれていく自分に気がついてしまいました。もともと女優への入れ込み具合が映画評に大きく関わる私としてはこれはやばい。

後半、ジュディ・バートンとして登場するキム・ノヴァクは、いかにも都会に出てきた田舎娘な感じ。眉毛なんか恐ろしくたくましいし、野暮な髪型と生え際のほつれた感じがいただけない。それに比べて、マデリーンは美しかったなあ。清楚だった。なんといっても上品だったのだ。

前半でノヴァク/マデリーンに恋してしまっている私としては、ノヴァク/ジュディに物足りなさを感じるのである。だって、あんなに魅力的だったのに、もったいないじゃないか。

そう思いつつ悶々していると、ジェームズ・”スコッティ”・スチュワートが、ジュディを徐々にマデリーンに変え始める。マデリーンと同じ服を着せ、靴を履かせ、髪を染める。(眉毛もちょっと細くなる。)。

マデリーンを失ってから、極度の鬱病になるほど思いつめた男が、姿かたちの似ている女を”過去の恋人”に作り変えようとする姿は見ていて実に怖い。女の方も抵抗がありながらも、愛されたくて彼の気持ちにこたえようとする。これもまた実に怖い。ヒッチコック作品の中でも、ジュディ改造のくだりは飛びぬけてアブノーマルで恐ろしいシーンだと思う(ジェームズ・スチュワートの目がいっちゃってるしね。)それはまさに切実な狂気の沙汰である。

だが、同じくマデリーンに恋してしまっている自分にはスコッティの気持ちがよくわかる・・・、ということに気がついた。ああ、自分にもそういうアブノーマルな狂気にシンクロする部分があるのだなあと愕然とする。実はこの発見が一番怖かったりするのだ。

この物語、絶対観客がこういう感情移入をすることを狙って作っていると断言する。前半のマデリーンの見せ方も、スコッティにとって絶望的な喪失感をもたらすための、高所恐怖症という小細工も。後半の野暮なジュディとその変身も。主人公の切実な狂気を疑似体験するために構成されたのだ。ヒッチコックの思う壺に、自分は狙い通りにはまったのだ。

と、勝手にそう思い込みましたという記事でした。

おすすめ度
入れ込み度100%につき、当然★★★★★

次回は”鳥”ですね。佳境だなぁ




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posted by FROST at 19:33| 埼玉 ☔| Comment(6) | TrackBack(5) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近、具合が悪くて記事もコメントもあまり書けませんが、TBさせてください〜。
Posted by かよちーの at 2006年06月22日 21:18
私もこの作品はキム・ノヴァクは素晴らしいと思いますね。他の作品と比較するとヒッチがいかにうまく彼女を撮ったか分りますが、比較しなくても良いものは良い。ヒッチコックが余り褒めていないのは、映画にちょっと口を挟んだからでしょう。
いやあ、好きだなあ。サンフランシスコの坂の撮り方も実にうまい。
実にエロっぽい作品ですね(笑)。
Posted by オカピー at 2006年06月23日 00:43
こんばんは。
全体的な雰囲気が、なんとも不気味な作品ですよね。大好きなんです。

>ジェームズ・スチュアートの目がいっちゃってるしね

私も、そう思いました。相手も怖くて断るにも断りきれないような、威圧感みたいなのを感じました。
Posted by shake at 2006年06月23日 01:22
>かよちーのさん
おっと、大丈夫ですか?ちのさんが具合悪いってちょっとイメージできないんですけど(失礼)。ほんとに大丈夫(心配)?

>オカピーさん
確かに他の作品の女優さんたちとは違うものを感じました。まさにエロっぽいなぁ(大喜び)

>SHAKEさん
真っ青な瞳なんでよけい怖かったですよね。割と明るく正しいキャラのジェームズ・スチュアートの別の一面を見ました。
Posted by FROST at 2006年06月23日 17:10
はじめまして。
素晴らしい映画でしたよね。
魅惑的なキム・ノヴァクと狂信的な(?)ジェームス・スチュアート良かったです!
TBさせてください。
Posted by c.milk bar at 2006年10月04日 00:18
c.milk barさん、いらっしゃいませ。コメント、TBありがとうございます。

ヒッチコックの中でも結構かなり好きな作品です。キム・ノヴァクとジェームズ・スチュアートは、これしかない!というくらい完璧な共演でしたね。今後ともよろしくお願いします^^
Posted by FROST at 2006年10月04日 11:19
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