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2006年06月04日

#0073『オーソンウェルズINストレンジャー』オーソン・ウェルズ監督 1946年/アメリカ

Wells_Robinson_Stranger.jpg
”The Stranger”

監督: オーソン・ウェルズ Orson Welles
製作: S・P・イーグル S.P. Eagle
原作: ヴィクター・トリヴァス Victor Trivas
デクラ・ダニング Decla Dunning
脚本: オーソン・ウェルズ Orson Welles
アンソニー・ヴェイラー Anthnoy Veiller
ジョン・ヒューストン John Huston
撮影: ラッセル・メティ Russell Metty
音楽: ブロニスラウ・ケイパー Bronislau Kaper
 
出演:
エドワード・G・ロビンソン Edward G. Robinson
オーソン・ウェルズ Orson Welles
ロレッタ・ヤング Loretta Young
フィリップ・メリヴェイル Philip Merivale
リチャード・ロング Richard Long
バイロン・キース Byron Keith
ビリー・ハウス Billy House


あらすじ
ナチス・ドイツでユダヤ人虐殺を指揮し、戦後姿を消した若きエリート、フランツ・キンドラ(オーソン・ウェルズ)。戦犯聴聞委員会のウィルソン(エドワード・G・ロビンソン)は、杳として行方の知れないキンドラを捕らえるため、委員会の反対を押し切って、キンドラの腹心マイネケをわざと監獄から逃がしその後を追う。そのキンドラは米国の地方都市で大学講師として身を隠し、判事の娘と結婚しようとしていた・・。

みどころ
ヒッチコックの「めまい」を探していたら、ストックの中からこのDVDを発見。以前購入したのをすっかり忘れていましたが、オーソン・ウェルズつながりで観賞意欲がムクムクと。(ということで、「めまい」は次回)

「市民ケーン」(1941年)から5年たってますが、ウェルズの光と影を操るうまさは健在ですねぇ。冒頭の脱獄するマイネケをひそかに追う聴聞委員の妻のカットや、たびたび登場する時計塔のシーンなど映像的なみどころは満載です。

ウェルズは相変わらずの”頭の切れる悪人”という役柄を好演。チェッカー自慢のドラッグストア主人を苦もなく負かしてしまう"超”天才。一方の追うウィルソンはこの主人に一度もチェッカーで勝つことが出来ませんが、このあたりの設定はオーソン・ウェルズの茶目っ気のようなものを感じさせてくれて楽しめます。

クライマックスの時計塔のシーンは、ヒッチコック作品「逃走迷路」の自由の女神のシーンを髣髴とさせるようななかなかの名場面。ロレッタ・ヤングのハードな女っぷりもGOODです。

個人的感想
ということで、映像や役者(エドワード・G・ロビンソンももちろんすばらしい)という面ではいいのですが、おしむらくはストーリーがいまいち。突然目の前に現れたマイネケの話からあっという間におとりであることを見抜くあたりまでは良かったのですが、その後ここが要所という大切な場面でキンドラはことごとく間抜けな選択をします。あいたたた・・・。

ストーリーがそういうことですので、映像が凝っていればいるほど、ウェルズ・ロビンソン・ヤングの三人の演技が冴えるほど、観ている私の心は白々とさめていき、さめた心はネガティブに作品を観賞し、なおさらストーリーのアラが目立ってしまうという・・・ああ、悪循環。

そもそも。映画は必ず2時間ほどで決着をつけなければいけないわけで、当然幾分のご都合主義的な面は避けられないでしょう。しかし、それが透けて見えちゃうといかんです。ストーリーが見透かされると。他の要素ではとてもカバーしきれない。映画は総合芸術と言いますから、映像の魅了なくしては成り立ちませんが、映像の魅力だけでも名作はできないだなと。なるほどそういうことねと妙に納得してしまう作品。「市民ケーン」の映画としてのバランスのよさが懐かしくなるような、ちょっとばらけてしまった一本でした。

※IMDbを見ると、どうもこの作品、ウェルズの意図に反してかなり編集されてしまったようですね。
ということで、その分を差し引いて★★★☆☆
では、観るものを白けさせない(”決して”とは言いませんが)名匠ヒッチコックの世界に改めてどっぷり漬かってみましょうか。次回は本当に「めまい」。






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posted by FROST at 02:52| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もこの映画観ましたが、この映画あたりから、オーソン・ウェルズの映画って迷走を始めるんですよね。段々つまらなくなっていく…というか難解になっていく。

脚本にジョン・ヒューストンの名前があったのにびっくりです。
Posted by オショーネシー at 2006年06月09日 17:17
>オショーネシーさん
ずいぶんRESが遅くなってすみません。確かに、なにか根本的なところをはずしてしまっている感じの作品でした。この後は、出演のみの”第三の男"しか観てませんが、そうですか、つまらなくなっていくんですね。さもあり何という感じですが・・。
Posted by FROST at 2006年06月17日 01:35
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