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2006年02月19日

#0059『アラバマ物語』ロバート・マリガン監督 1962年アメリカ

TO KILL A MOCKINGBIRD.gif”TO KILL A MOCKINGBIRD”

監督: ロバート・マリガン Robert Mulligan
製作: アラン・J・パクラ Alan J. Pakula
原作: ハーパー・リー
脚本: ホートン・フート Horton Foote
撮影: ラッセル・ハーラン Russell Harlan
音楽: エルマー・バーンスタイン Elmer Bernstein
 
出演:グレゴリー・ペック Gregory Peck
    メアリー・バダム Mary Badham
    フィリップ・アルフォード Phillip Alford
    ジョン・メグナ John Megna
    ブロック・ピータース Brock Peters
    ロバート・デュヴァル Robert Duvall


あらすじ
田舎町に住むスカウトとジェムの兄妹。父のアティカス(グレゴリー・ペック)は正義感強い弁護士。ある日判事からレイプ容疑の黒人青年を弁護するよう依頼される。人種差別の激しい時代、町の住人は彼ら家族に対する敵意をあらわにする。住人の襲撃にも一歩も引かないアティカス。そして裁判が始まる。

みどころ
黒人差別を扱った社会派ドラマ。6歳の娘スカウトの視点で描かれています。

オープニングのタイトルバックが凝ってますね。古い映画のタイトルバックは大体飾り文字のタイトルとスタッフ/キャストに音楽と相場が決まっているものですが、子供の鼻歌をバックに人形や時計の入ったおもちゃ箱、ビー玉をクローズアップで追うショット、題名にもなっているものまね鳥の絵などこれだけで一つの短編作品のような美しさ。ストーリーの暗示とともに「子供の頃のよき思い出」へのイントロとして実に見事です。

そして、美しいイントロに導かれて始まる物語、前半はとなりに住む怪人ブーを巡る子供たちのちょっとした冒険。夏休みだけこの街に帰ってくる少年を含めて、3人がそれぞれちょっと生意気で好奇心旺盛でとても子供らしく微笑ましい。また、子供たちから観た平和で古めかしい田舎町の様子がよく描かれていると思います。後半は法廷劇からサスペンス絡みのクライマックスへと前半とは違った趣でストーリーは進みます。

グレゴリー・ペックは今回も実に居住まい正しい正義の弁護士役ですが、物語全体が成長したスカウトの子供時代の回想という形になっているため、あくまでも正義を貫く父の姿もいやみにならずうまく映像になじんできます。

前回も少しそのようなことを書きましたが、グレゴリー・ペックが正義の味方を演じるとあまりにはまりすぎて遊びがなくなりつまらなく感じるのですが(個人敵にですよ)、この作品ではそのあたりを考慮したものかどうか、結果的には実にうまくグレゴリー・ペックの特徴を生かした構成になっていると思いました。ロバート・マリガン監督やりますねぇ。

恐ろしい噂のみで姿を見せないブーは、白人世界にはびこる黒人蔑視の偏見の象徴なのでしょう。クライマックスでその正体をあらわすわけですが、正体が現れてみると恐れていた怪人とはまったく違い、噂が何の実態もない思い込みだということがわかります。ラストシーンでスカウトとブーが手をつないで家に帰るシーンが、いかに偏見というものがつまらないものかをすっきりと見せており、メッセージ性という意味でも非常に感心させられました。

個人的には
グレゴリー・ペックの正義の弁護士は私的には鬼門の役柄だったのですが、全体構成の妙でいやみなく観ることが出来ました。彼が年をとったということもあるのかもしれません。押さえが利いたよい演技だったと思います。

全体には地味な映画で、前半は子供たちのドラマの位置づけがわからず少し退屈になりましたが、中盤からラストにかけては満足して観ることが出来ました。ラストシーンはカメラがすーっと上に引いていき、古き良き少女時代の物語の気持ちの良いエンディング。イントロとエンディングが見事。

(ブー役のロバート・デュバルにちょっと驚いた・笑)

おすすめ度
★★★★☆

さて、グレゴリー・ペックはいったん終了です(”西部開拓史”はあるんですけどね)。次回は西部劇シリーズ、まずは”リオ・ブラボー

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posted by FROST at 23:53| 埼玉 🌁| Comment(6) | TrackBack(2) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB&コメントありがとうございました。(私からのTBは上手くいきませんでした)

確かに後半の方が面白いですよね。
ブーが偏見の象徴というお話、なるほどと思いました。

ペックは子供の頃の最初のご贔屓俳優なので、この映画も忘れられない作品です。

「リオ・ブラボー」楽しみにしています。
Posted by 十瑠 at 2006年02月20日 08:10
>十瑠さん
コメントありがとうございます。TBご迷惑おかけします。変ですねぇ。最近Seesaa不長期回りないのでその影響かもしれません。

>>ペックは子供の頃の最初のご贔屓俳優
そうでしたか、勝手な御託をすみません^^;でも、この作品のグレゴリー・ペックは本当にいいですよね。さすがにアメリカヒーローNo.1に選ばれただけのことはあります。
Posted by FROST at 2006年02月20日 20:55
はじめまして。
アメリカヒーローNo.1に選ばれたことを知って、はじめてこの作品を観ました。
オープニングとエンディングの演出が見事でしたよね。

ブーが偏見の象徴、本当ですね、頷けます。
ロバート・デュバルに私も驚きました。若い!
Posted by shake at 2006年02月27日 20:17
>shakeさん、はじめまして^^
この主人公をヒーローNo.1に選ぶあたり、アメリカという国も大人の国だなと思いますよね。
ロバート・デュバルをはじめてみたのは「組織」という映画で、"ヒーローなのにハゲ”という強烈なイメージがあります。(観たのは小学生の頃ですから^^;)。その10年前にこんな役でデビューしていたとは驚きでした。
Posted by FROST at 2006年02月28日 00:51
この映画の音楽もとても良いですね。
ジーンとします。
Posted by SESIRA at 2006年09月08日 22:10
>SESIRAさま
あーっと、今すぐに音楽が思い浮かばないのですが^^; でも、オープニングの鼻歌は結構覚えていますね。この時代の映画にしては素晴らしいオープニングだったのでインパクトが強かったです。
Posted by FROST at 2006年09月10日 19:54
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(今日の映画) アラバマ物語
Excerpt: アラバマ物語 To Kill A Mockinbird
Weblog: Kozmic Blues by TM
Tracked: 2006-02-20 12:40

アラバマ物語
Excerpt: アメリカ映画ヒーローの1位に選ばれた本作の主人公、アティカス・フィンチ。 子供の目に映る尊敬する父親像、そして黒人問題に真正面から公正に戦ったアティカス・フィンチは、まさに本物のヒーローでした。
Weblog: シェイクで乾杯!
Tracked: 2006-02-27 20:18
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