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2006年02月07日

#0054『パラダイン夫人の恋』アルフレッド・ヒッチコック監督 1947年アメリカ

paradine case.jpg
”THE PARADINE CASE”

監督: アルフレッド・ヒッチコック
    Alfred Hitchcock
製作: デヴィッド・O・セルズニック
    David O. Selznick
原作: ロバート・ヒッチェンス
脚本: デヴィッド・O・セルズニック
    David O. Selznick
    ジェームズ・ブリディ
    James Bridie
撮影: リー・ガームス
    Lee Garmes
音楽: フランツ・ワックスマン Franz Waxman
 
出演: グレゴリー・ペック Gregory Peck
    アリダ・ヴァリ Alida Valli
    アン・トッド Ann Todd
    ルイ・ジュールダン Louis Jourdan
    チャールズ・ロートン Charles Laughton
    チャールズ・コバーン Charles Coburn
    エセル・バリモア Ethel Barrymore
    レオ・G・キャロル Leo G. Carroll



あらすじ
盲目の退役将校パラダインが毒殺され、若く美しい妻マダレーヌ(アリダ・ヴァリ)が逮捕された。敏腕弁護士キーン(グレゴリー・ペック)が弁護にあたるが、キーンは次第にパラダイン夫人の魅力に魅かれていく。真実を語らぬ彼女の裁判がいよいよ始まった。


みどころ
後半丸々1時間の法廷ドラマはぐっと引き込まれます。そもそもこの作品のストーリーはかなり早い段階から結末の予測がつくシンプルなもので、サスペンスドラマというよりは法廷を巡る人間ドラマといったほうが近いと思います。

登場人物のさまざまな思惑が絡み合い、裁判の攻防の緊張感が高まっていきます。裁判を取り仕切る判事(チャールズ・ロートン)は、キーンの妻ゲイ(アン・トッド)に欲望を感じておりホームパーティの席で彼女に拒絶されています。そのために、裁判全体を通して、キーンが判事から逆恨みの不利益をこうむるのではないかという不安が付きまといます。

そのゲイはというと、パラダイン夫人に惹かれていく夫を制止するすべもなく、嫉妬と恐怖心を懸命にこらえながらも、裁判での夫の勝利を願っています。もし夫が裁判に勝てばゲイとキーンの幸せだった結婚生活はどうなってしまうのだろうか。傍聴するゲイの姿が映るたびにそういう不安がよぎります。キーンが有利になればなるほど気がかりになってきます。

そして、キーンは検察側証人である元下男と夫人との関係を疑い、心を乱すあまり元下男に対して過酷な追求を行います。彼を犯人に仕立てて夫人を救おうとするキーンのこっけいなほどの熱心さとそれを見つめるパラダイン夫人の冷たい表情のコントラストも興味深いものでした。

パラダイン夫人が法廷に登場するシーンでは、被告人席に直接通ずる地下の通路から、傍聴人でいっぱいの法廷に姿をあらわし、好奇の目に対抗するようにぐっと表情を引きしめます。アリダ・ヴァリは、この作品でも2年後の”第三の男”でも、ほとんど笑顔を見せない重めの役柄ですが、微妙な表情の変化がとても印象的。被告人席に座る彼女の後ろから、証人の元下男が入場してきますが、彼の方に目を向けることなくそのの気配を感じとる表情も同じくすばらしい演技でした。


個人的には
この作品は、ヒッチコック作品としては興行的にも成功とは言えず、ヒッチコック自身もキャスティングで大失敗(またしても!)したと語っています。確かにヒッチコックの作品としては今ひとつ中途半端なのかもしれませんが、前述の法廷ドラマは秀逸だと思います。最後のキーンの退場シーンも心に残りました。

この作品でも、グレゴリー・ペックってなにかこう線の細い感じがしますね。 ”白い恐怖”の記憶喪失の主人公役の時もそう思ったのですが、そのときは若さゆえかと納得していました。

自信がなかったり、思いを遂げられなかったりの役にはまりすぎ。で、ちょっと泳ぎ気味のあの目がまた…。端正な顔立ちも手伝って、弱々しい感じをぷんぷん匂わせます。この人はこういう芸風なんですかね?どの作品でもこんな感じでしたっけ? 見ていて「もうちょっとしっかりしろよう」といいたくなるんですが・笑。

少しグレゴリー・ペックを追っかけてみようかという気になってきました。ということで次回は西部劇シリーズのスタートを兼ねて”大いなる西部”。果たして男らしいグレゴリー・ペックは見られるのでしょうか(期待)。

おすすめ度
★★★★☆




パラダイン夫人の恋
B00006HBLQアン・トッド デヴィッド・O.セルズニック リー・ガームス

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posted by FROST at 14:55| 埼玉 🌁| Comment(1) | TrackBack(3) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!
ヒッチコック作品は大好きなのですが本作は“いまいち”のりきれませんでした。(笑)
ヴァリを監督はとてもキレイにモノクロ映像を生かして撮っていましたが・・・。
G・ペックは彼らしい(?)演技だったと思いますが。(笑)
TBさせて頂いたのですが反映されたかどうか。
Posted by viva jiji at 2006年04月16日 09:36
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パラダイン夫人の恋
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Weblog: 映画と暮らす、日々に暮らす。
Tracked: 2006-04-16 09:30

映画評「パラダイン夫人の恋」
Excerpt: ☆☆★(5点/10点満点中) 1947年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
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「パラダイン夫人の恋」ヒッチコックとランプシェード
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