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2006年01月28日

#0049『断崖』アルフレッド・ヒッチコック監督 1941年アメリカ

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”Suspicion”
監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: デヴィッド・O・セルズニック David O. Selznick
原作: フランシス・アイルズ
脚本: サムソン・ラファエルソン Samson Raphaelson
    アルマ・レヴィル Alma Reville
    ジョーン・ハリソン Joan Harrison
撮影: ハリー・ストラドリング Harry Stradling Sr.
音楽: フランツ・ワックスマン Franz Waxman
 
出演: ジョーン・フォンテイン Joan Fontaine
    ケーリー・グラント Cary Grant
    ナイジェル・ブルース Nigel Bruce
    セドリック・ハードウィック Cedric Hardwicke
    レオ・G・キャロル Leo G. Carroll


あらすじ 
列車の中で知り合ったジョンと結婚したリナは、早々にジョンのとんでもない浪費癖に気がつく。妻にはでまかせの嘘をつき続けながらギャンブル三昧のジョン。ジョンが親戚の好意で職を得た不動産会社の金を横領したことを知ったリナは次第に疑心暗鬼に陥っていくが・・・

みどころ 
主人公リナ(ジョーン・フォンティン)の疑心暗鬼ぶりとジョン(ケイリー・グラント)のダメ男ぶり。ジョーン・フォンティンは”レベッカ”のときもそうですが、主演女優としては微妙に影が薄い。強烈な印象を残すことが多いこの時期のハリウッド女優(しかもオスカー女優)の中で、どんな顔立ちだったかなかなか思い出せないという珍しい存在。しかし、この作品では常識欠如男ケイリー・グラントを疑い、身の危険を感じながらも結局はひきずられてしまう主体性のない女リナの役が影薄女優フォンティンにぴったりはまっている・とも言えます。

一方のケイリー・グラントはヒッチコック映画の看板男優。ハリウッドにおいて1940年時点ではすでに超大物。契約していたパラマウントから独立して自由に作品を選べる立場になっていました。で、このジョンの役ですがキリッと引き締まった表情と身なりの良さはいつも通りながら、金銭感覚のかけらもないダメ男。うそをつく、金をせびる、言い訳をする、挙句に横領と二枚目イメージから程遠いというか、見た目が完璧な二枚目なだけにそのギャップでとんでもないダメ男に見えます。。私生活まですべてを計算して俳優のブランドイメージをコントロールしていた当時のハリウッドで、良くこの役を引き受けたと感心させられます。

個人的には・・・
うーん、どうなんでしょう。非常に微妙。このあいまいなラストシーンをどう解釈するかで大きく作品の趣が変わりますねぇ。天下の二枚目が汚れ役をやるということが狙いの一つだったとすると、若干シナリオに徹底しきれないところも感じられます。当時のもろもろの事情に負けたのか、キレという意味ではヒッチコックらしさがありません。終盤までの心理劇が秀逸で自分好みなだけに、個人的にはラストシーン残念でした。


おすすめ度★★★☆☆ 
ちょっとねちねちした心理劇を観たい人におすすめ

さて、次回ですがヒッチコックに一息ついて、JEMINI-Bさんお勧めの”第三の男”を鑑賞します。一回観てるはずなんですけどねぇ、記憶が・・・。

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ケイリー・グラント アルフレッド・ヒッチコック ジョーン・フォンテイン

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posted by FROST at 23:50| 埼玉 ☁| Comment(5) | TrackBack(2) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB致しました。
仰るとおりで、映画を成立させる要件が主人公の性格と正体の曖昧さである為に最初から完全な成功作とはなりえない運命にあった作品ですね。
それでもヒッチコックの上手さは十分堪能できますし、ジョーン・フォンテインが断然宜しいです。
戦後すぐの公開ということもあり、ヒッチコック作品で唯一のキネマ旬報ベスト1であります。
Posted by オカピー at 2006年06月18日 13:25
オカピーさん、こんにちは。
大体これはすばらしいなぁと思った女優さんの場合、あとで鮮明に思い出すことが出来るシーンがあるんですけどね、ジョーン・フォンテインにはそれがないんですよ。まだ、”レベッカ”では例のドレスの件の後で平服に戻った時の彼女を思い浮かべることが出来ますが、この作品はちょっと・・・。うーん、これもいずれもう一回見てみることにしましょう・笑
Posted by FROST at 2006年06月19日 01:42
この作品は純粋な心理劇であるが故に、却ってクローズアップを減らしたのではないか、という印象があります。心理劇と言えばクローズアップというのが原則にすらなっていますが、「それでは面白味がない」とヒッチコックはテクニックでカバーしようとした。そんな感じです。
それ故全く逆にクローズアップ、セミ・クローズを多用した「レベッカ」より印象が薄いのは致し方ないのかもしれません。
Posted by オカピー at 2006年06月19日 20:31
これは結構面白く見ました。原作とは違う結末でそれも良かった。
とにかくなんか面白い場面が多くて
楽しめました。もちろんヒッチコックの工夫(ミルクに仕込まれたライトなど)
も良かったです。
Posted by sesiria at 2006年09月12日 18:42
>sesiriaさん
うーん、この作品は私にとっては微妙。。途中までは結構好きなんですけど、ラストがやっぱりなぁ。ミルクのシーンは間違いなく傑作ですね。一回目はケーリー・グラントの顔芸に見惚れていたので、光るミルクは巻き戻して確認しました・笑
Posted by FROST at 2006年09月13日 01:18
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「断崖」
Excerpt: 「断崖」(Suspicion) 1941年アメリカ 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 ケーリー・グラント    ジョーン・フォンティーン あらすじ  電車の中での出会いがきっ..
Weblog: 私が観た映画
Tracked: 2006-02-02 15:26

映画評「断崖」
Excerpt: ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1941年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-06-18 13:20
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