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2006年01月22日

#0048『第3逃亡者』アルフレッド・ヒッチコック監督 1937年イギリス

youngandinnocent.jpg”YOUNG AND INNOCENT”
(ポスターは米国公開時の題名)

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
原作: ジョセフィン・ティー
脚本: チャールズ・ベネット Charles Bennett
    エドウィン・グリーンウッド
    アンソニー・アームストロング Anthony Armstrong
撮影: バーナード・ノールズ Bernard Knowles
音楽: ルイス・レヴィ Louis Levy
 
出演: デリック・デ・マーニイ Derrick de Marney
    ノヴァ・ピルビーム
    パーシー・マーモント Percy Marmont


海岸に打ち上げられた絞殺死体は女優のクリスティーン。第一発見者のロバートは助けを呼びに行く姿を目撃され、現場から逃亡した容疑者として逮捕される。裁判の直前に逃亡したロバートは、偶然行動を共にすることになった警察署長の娘エリカとともに、彼の無実の証拠となるコートを探す。

ふとしたきっかけで事件に巻き込まれた主人公が、ヒロインと一緒に逃亡しながら真実を追う。と、ヒッチコックお得意中の得意技。やっぱり面白いです。あの名作”三十九夜”でも冴え渡ったプロットですが、今回は題名も示すとおり若い女性(エリカ=ピルブーム)の視点で描こうとしているようです。”三十九夜”よりものんびり感が漂ってますかね。私にとっては”三十九夜”の超スピーディな展開よりもなじめました。

今回の主人公ノヴァ・ピルビームは、”暗殺者の家”で一人娘ベティを演じていた名子役。前作のときは、ガリガリの女の子でお転婆ぶりを発揮していましたが、3年ちょっとで立派にロマンスを演じられるようになっているのには驚きました。女の子の成長は早いなぁ。ヒッチコックも才能を認めていた女優ですが、本作の二年後、”三十九夜”や”暗殺者の家”のアシスタント・ディレクターを務めたペン・テニスンと結婚してスクリーンから遠ざかっていましたが、第二次大戦で夫が戦死したことを契機に復帰。しかし、出演作は少なく、1950年に再婚するとともに完全に映画の世界から身を引いてしまったということです。セルズニックが”レベッカ”の主役に推薦したものの、ヒッチコックのイメージに合わず話は流れてしまったようですが、もしこの時”レベッカ”に主演していれば、もっと多くの作品に出演するメジャーな女優になっていたかもしれませんね。残念。

ところで、冒頭の海岸にクリスティーンの死体が打ち上げられるシーンは、後期60年代くらいのヒッチコックの映像を見ているようですね。死体が波にもまれて手足を水面に突き出しながら流れ着いてくるカットとその後にワンカットだけ挿入されるかもめの映像に妙にゾッとさせられました。あんまりうまく文章で描写できませんが、このあとに撮られる”バルカン超特急”や”レベッカ”などにもなかった雰囲気のカットだと思います。後のヒッチコックらしさを表す映像表現がフッと出てきたのかなとか想像すると結構楽しくなってきます。同じ監督の作品を見続ける楽しさのひとつかもしれませんね。

前年の、”間諜最後の日”がプロットという点から見るとヒッチコックらしくない作品で入り込めなかったのですが、本作は一転してそのあたりはヒッチコックらしさ満々。イギリストーキー時代の傑作のひとつの言ってよいのではないかと思います。しかし、邦題”第3逃亡者”の”第3”って何ですかね?どなたかご存知ですか?

ということで、評価は星5つ★★★★★

さて適当に他の監督の作品も入れながらと思っているのですが、次回もう一本くらいヒッチコックでいっときましょうか。1941年に飛んで”断崖”。”レベッカ”でノヴァ・ピルビームを押さえて主演したジョーン・フォンティン、アカデミー主演女優賞を獲得しています。

第3逃亡者
B0007TKPZYノヴァ・ピルビーム アルフレッド・ヒッチコック デリック・ド・マーニー

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posted by FROST at 23:07| 埼玉 ☁| Comment(7) | TrackBack(2) | OLD:イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『第三逃亡者』ならぬ『第三の男』が好きなんですが、FROSTさんは『第三の男』どうですか??
Posted by JEMINI-B at 2006年01月26日 01:04
じ・つ・は、第三の男は最後まで見ていなかったりします(しかもかなり昔)^^;
手元にDVDはあるので、断崖のレビューアップしたら第三の男でいってみましょうか。
Posted by FROST at 2006年01月27日 10:19
楽しみに待ってます♪最近でもおもしろいなと思うサスペンスやミステリーもありますが、古い映画なのに今の時代に観てもおもしろいと言えるのはやっぱり傑作だと思うんですよね。
Posted by JEMINI-B at 2006年01月28日 03:33
TB致しました。
「三十九夜」の焼き直しのように感じましたが、スケールが小さくなってしまっているので、私はまあまあという評価です。焼き直しするのなら、「北北西」のように拡大方向であるべき・・・というのが私の考えです。
何点か素晴らしい点がありますが、それはわが拙レビューをお読みください。
Posted by オカピー at 2006年07月16日 16:28
オカピーさん、こんばんは。私はこの作品好きですねぇ。好みのツボにはまっているようです。冒頭の死体発見場面から感心してしまいました。
Posted by FROST at 2006年07月18日 01:32
>邦題”第3逃亡者”の”第3”って何ですかね?どなたかご存知ですか?

私も疑問に思ったのですが、考えてみて、
1人目が真犯人、2人目が主人公、3人目がヒロインってことかなぁと。
いずれにしても、わかりにくい邦題ですよね!
Posted by 奈緒子 at 2007年01月22日 16:16
奈緒子さん、こちらもどうも^^。そうか、1で2で3がヒロイン。。なるほど、確かに納得できますね。しかし、わかりにくいと言うよりも日本語になってませんな・笑。
Posted by FROST at 2007年01月27日 00:03
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映画評「第3逃亡者」
Excerpt: ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1937年イギリス映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-07-16 14:08

第3逃亡者
Excerpt: 先日、ダイソーに行った時に見つけた315円DVD(!)です。 クラシック映画をリマスターせずオリジナルのまま収録しているためのこの価格。 ケースは安っぽいながらもトールケース。 映像も音声も問題なし。..
Weblog: まるっと映画話
Tracked: 2007-01-22 16:17
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