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2006年01月19日

#0045『知りすぎていた男』アルフレッド・ヒッチコック監督 1956年アメリカ

The Man Who New Too Much.jpg”The Man Who Knew Too Much”

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
原案: チャールズ・ベネット Charles Bennett
    D・B・ウィンダム=リュイス D.B. Windham-Lewis
脚本: ジョン・マイケル・ヘイズ John Michael Hayes
    アンガス・マクファイル Angus MacPhail
撮影: ロバート・バークス Robert Burks
作詞作曲: レイ・エヴァンス Ray Evans
    ジェイ・リヴィングストーン Jay Livingston
音楽: バーナード・ハーマン Bernard Herrmann
出演: ジェームズ・スチュワート James Stewart(ベン)
    ドリス・デイ Doris Day (ジョー)
    ラルフ・トルーマン Ralph Truman (ブキャナン警視)
    ダニエル・ジェラン Daniel Gelin (ルイ・ベルナール)
    クリス・オルセン
    ブレンダ・デ・バンジー Brenda de Banzie
    キャロリン・ジョーンズ Carolyn Jones



マラケシュでの休暇にむかうバスの中で、マッケナ医師夫妻はルイ・ベルナールという男と知り合う。夫妻はルイとディナーの約束をするが、直前でルイにキャンセルされてしまい二人でレストランに向かう。そこで、ドレイトン夫妻と知り合って意気投合し翌日一緒に市内観光に出かける。市場を見学している最中に突然騒ぎが起こり、一行は現地人と思しき男がナイフで背中を刺される現場を目撃。刺された男は現地人に偽装したルイ・ベルナール。実は情報局員であったルイは、死ぬ間際マッケナに大物政治家暗殺の情報を託す。ドレイトン婦人に一人息子のハンクを預け、目撃者として警察に行くマッケナ。警察署内で証言中に何者かから電話があり、ハンクを死なせたくなければなにもしゃべるなと言う・・・・・。

前回レビューした1934年の”暗殺者の家”をヒッチコック自身がリメイクした50年代ヒッチコック映画の傑作。主演にジェームズ・スチュアートを配してキメにきてますねぇ。相手役はドリス・デイ。この二人は本当に絵になります。ジェームズ・スチュアートは言わずもがなのヒッチコック映画の顔。ケイリー・グラントと並ぶ二枚看板ですね。豊かな感情表現がポイントのときはジェームズ・スチュアート、軽快なユーモアがポイントのときはケイリー・グラントと使い分けていたそうです。

ジェームズ・スチュアートについては言うまでもありませんが、この作品主役はなんといってもドリス・デイです。私はジャズが好き(ちなみにジャズも4・50年代しか聴きませんが)なものですから、ドリス・デイは女優としてよりもセンチメンタル・ジャーニーに代表されるジャズシンガーとしてインプットされていましたが、この作品では誘拐されたわが子を思う気持ちがぐっと切実に表現されてすばらしい演技。俳優としても一流であることを知りました。教会の前やアルバート・ホールで、心配のあまり居ても立ってもいられなくなってウロウロするシーンが妙に印象に残ります。役柄でも観察が鋭く頭脳明晰でしかも元人気歌手ということで、ちょっとのんきなマッケナ医師との夫婦関係は妻優位という感じでしたが、演技の面でもジェームズ・スチュアートと渡り合って遜色なく、というか逆に食っていたと感じましたね。

さて、今回オリジナルとリメイクを続けてみた”The Man Who Knew Too Much(原題)”ですが、ドラマとしては、リメイク版の”知りすぎていた男”の方が面白かったと思います。巻き込まれるまでの経緯や夫婦の描写、アルバート・ホールのシーンの描きこみ度合いなど、ドラマを作る手練手管に圧倒的な違いがありますよね。ヒッチコック本人も「”暗殺者の家”は何がしかの才能のあるアマチュアが作った映画、”知りすぎていた男”はプロが作った映画」と言っていますが、確かにそれだけの完成度のちがいはありそうです。さすがに22年の年月は伊達じゃありません。

ただし、ピーター・ローレファンの私としては、”知りすぎていた男”にピーター・ローレに匹敵する悪役がいなかったのが少し残念でした。悪事を引き起こして主人公を巻き込み、追いつ追われつを演じて、最後には”立派な”最後を遂げる「一本筋の通った悪役」としてピーター・ローレは非常に魅力的でした。それに比べて、”知りすぎていた男”の悪役で一番前面に出ている男は実は人に使われている身で今ひとつ”悪役の貫禄”に欠けるし、本当の黒幕は少ししか出てこず"立派な最後”も遂げません。そういう意味ではヒッチコックには珍しく、「キャラの立った悪役が見当たらない。でも面白かった映画」という感じでしょうか。

ともあれ、この作品良いです。文句なしです。星5つ★★★★★

次回は、また年代順に戻って、サボタージュ。なんだかヒッチコック監督この作品については後悔がいっぱいのようですが・・・




知りすぎていた男
B000BIX8JQジェームス・スチュアート アルフレッド・ヒッチコック ドリス・デイ

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posted by FROST at 23:48| 埼玉 ☀| Comment(4) | TrackBack(3) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログを書く前にあえてFROSTさんの文章は読みませんでしたが、ドリス・デイに関する感想は全く同じですね。FROSTさんより一つ年上ですが、同じジェネレーションとして語れることが多そうです。
彼女に関しては私も歌手としてのイメージが強いですが、主演映画も相当観ております。しかし、演技が印象に残っているのはこの作品くらいでしょうか。確かに、ジミーも食われ気味と思える好演でした。
Posted by オカピー at 2006年03月13日 01:30
>オカピーさま
いつもコメントありがとうございます。おひとつ上でしたか^^ オカピーさんの足元にも及びませんがよろしくお願いします。
ドリス・デイ、やはりこの作品は出色の出来だったのですね。おいおい他の作品も見てみたいと思います。
Posted by FROST at 2006年03月14日 00:42
FROSTさん、こんばんは。
これ、リメイクだったのですか?!
初めて知りました〜。
これ、コミカルで好きなんです。
いかにも意味ありげな、剥製工場とか、笑いのツボがたくさんありましたよね。

Posted by shake at 2006年03月26日 21:17
Shakeさんどうも^^
そうなんですよ。オリジナルの”暗殺者の家”はクライマックスからラストがかなり趣が違いますね。こちらもすばらしい作品ですので機会があればぜひどうぞ。
Posted by FROST at 2006年03月27日 23:59
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「知りすぎていた男」
Excerpt: 「知りすぎていた男」(The Man Who Knew Too Much) 1956年アメリカ 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 ジェームズ・スチュアート    ドリス・デイ ..
Weblog: 私が観た映画
Tracked: 2006-01-20 15:37

映画評「知りすぎていた男」
Excerpt: ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1956年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-03-12 14:21

知りすぎていた男
Excerpt: ヒッチコック作品の中でも、これはちょっとコメディタッチ。 この編集、いい仕事していますねー。
Weblog: シェイクで乾杯!
Tracked: 2006-03-26 21:32
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