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2006年01月16日

#0043『アフリカの女王』ジョン・ヒューストン監督 1951年イギリス

african-queen.jpg”THE AFRICAN QUEEN”

監督: ジョン・ヒューストン John Huston
原作: C・S・フォレスター C.S. Forester
脚本: ジョン・ヒューストン John Huston
    ジェームズ・アギー James Agee
撮影: ジャック・カーディフ Jack Cardiff
音楽: アラン・グレイ Allan Gray
 
出演: ハンフリー・ボガート Humphrey Bogart
    キャサリン・ヘプバーン Katharine Hepburn
    ロバート・モーレイ Robert Morley
    ピーター・ブル Peter Bull
    セオドア・バイケル Theodore Bikel
    ウォルター・ゴテル Walter Gotell


第一次大戦下の東アフリカ、ドイツ軍に焼き払われた原住民の村。原住民を導く為に尽力していた宣教師はショックで命を落としてしまう。その村に物資や郵便を届ける蒸気船”アフリカの女王”号の船長チャーリーは、一人残されて茫然自失の宣教師の妹ローズをつれて川を下り始める。意見の食い違いでいがみ合う二人だが、険しい川の流れやドイツ軍の要塞をくぐりぬけ、湖を制圧するドイツ戦艦の撃沈を図る。

ようやくトラブル解決でレビューがかけるようになりました。

1951年のアカデミー主演男優賞を獲得したハンフリー・ボガート主演の冒険映画。原作は”海の男ホーンブロワーシリーズ”で有名なC・S・フォレスター。ドラマはほとんどが川を下るボートの上。登場人物もほとんどボガートとキャサリン・ヘップバーンの二人だけ。

日本では有名な映画ではないと思いますがよくできてます。

戦争→極悪非道なドイツ軍→悲劇のヒロイン→彼女を助けるヒーロー→ラブロマンス→敵討ち

設定が非常に単純明快なので、難しいことを考えずに船で川を下る二人に集中することができます。この映画のレビューを見るとドイツ軍を一方的に悪者にしすぎだとか、アフリカの原住民は未開で非文明的と決め付けているとか難しい評価も見かけますが、そんな難しいことはさておいて主人公二人の冒険とロマンスを楽しめばそれでよい映画だと思います。

二人の関係の変化もよく描けています。危機を乗り越えることで二人は恋に落ちるわけですが、その前後で主人公チャーリーは自分勝手でだらしない大酒飲みから、勇敢に苦難を乗り越えるヒーローに変身。また、ローズは強圧的で愛想のない頑固者から、彼をいたわるやさしい女性に変身。この時代の男らしさ、女らしさを正しく表現する二人が力をあわせて敵討ちを狙うあたり、やっぱりとてもわかりやすい展開で微笑ましい限りです。

ということで、背景設定が単純なので、いやでも注意は主人公ふたりの演技に向けられるわけです。そもそも私が今回この映画を観た目的はアカデミー賞を撮ったハンフリー・ボガートの演技ですが、まあ、決してハードボイルドではありません。髭ぼうぼうでやたら汚いし。らくだのシャツにステテコみたいな姿もあられもなく出てきます。なにより、ドイツ戦艦襲撃を主張するローズに対して、無理だいやだとぼやくぼやく。前半はかっこいいところなしです。

ハンフリー・ボガートという人はどうしても”カサブランカ”や”マルタの鷹”に代表されるハード・ボイルドな役柄から”格好よい”という印象が強いのですが、よく見るとどの役柄でもかなり人間として弱い部分や汚い部分をうまく演じているようです(同じジョン・ヒューストン監督の”黄金”はその最たる作品)。このあたりの弱さ、汚さを克服して男らしさを見せるあたりが共感や憧れを呼ぶ理由なのでしょうか。だとすればこの映画でもボガートらしい定番キャラをきっちりと演じきっていますね(今回の主人公はあんまりハードではないですけど)。

ただ、この主人公役が”欲望という名の電車”のマーロン・ブランドを押さえてオスカーを獲得するほどだったかどうかは疑問が残ります。好感か嫌悪感かはともかくどちらがインパクトがあったかといえば、やはりブランドに軍配上がりませんかね。

1951年のアカデミー賞では、主演助演男女優賞のうち3つを”欲望という名の電車”が独占。主演男優賞のみ本作のボガートが獲得したわけですが、台頭するブロードウェイ/アクターズスタジオ俳優陣に危機感を感じたハリウッド首脳陣がハリウッドの大物ボガートに男優賞をとらせたのではないかしらんとか、ちょっと勘ぐってみたり・笑。

どちらにしても、冒険映画としてなかなかの出来。機会があれば一度ご覧ください。
評価は星4つ★★★★☆(キャサリン・ヘップバーンは好きになれない〜)

好きになれないヘップバーンですが、”「アフリカの女王」と私”という本を書いています。この映画のアフリカロケの内幕のもですが、これがまた壮絶なロケだったらしく、”奇跡の8週間”と言われているそうです。絶版なのですが、中古を探してネット古書店で購入してみました。結構楽しみにしています。

次回は、久しぶりにヒッチコックに戻って1934年の”暗殺者の家”。こちらも大好きなピーター・ローレが出てますね。たのしみましょう。

ヒッチコックはその後も増えて20枚近くDVDが手元にありますので、またしばらくヒッチコックメインでいってみたいと思います。



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posted by FROST at 02:03| 埼玉 ☔| Comment(12) | TrackBack(3) | OLD:イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
私も旧い人間なので、オールド・ムービー楽しく読ませていただいております。

キャサリンの回顧録では、ボギーについて優しい男性だったと褒めているようですね。
この映画のロケのエピソードを映画にしたのが、クリント・イーストウッドの「ホワイトハンター ブラックハート」らしいです。
Posted by 十瑠 at 2006年01月16日 09:05
わたしもキャサリン・ヘプバーンが苦手です。食わず嫌いなのですが。
面白そうなのでメモっておきます♪
Posted by かよちーの at 2006年01月16日 22:36
>十瑠さま。
はじめまして、ようこそお越しくださいました。拙いBlogですがご覧いただいているようで、ありがとうございます^^
撮影エピソードが本になって、映画になって、大した映画ですね・笑。回顧録の到着が楽しみです。
今後ともよろしくお願いします。

>かよちーのさま
キャサリン・ヘップバーン、食っても嫌いでした^^; ちょっと違ったボギーが観れます。
Posted by FROST at 2006年01月17日 01:15
初めまして。ブログタイトルから昔の映画の紹介かなと思って来ましたが、ここいいですね!!チラシやワンシーンが貼られててクラシックの雰囲気が素敵です。古い映画を観る時は参考にさせて頂きます!!
Posted by JEMINI-B at 2006年01月17日 23:32
この作品はLDでたっぷり堪能致しました。傑作と言って良いでしょう。
キャサリン・ヘプバーンは確かに骨ばっていていかにもオールドミスですが、良いですよ。私は嫌いじゃないなあ。「旅情」なんか素敵じゃないですか。舞台でも抜群の実績を誇るので、日本で言えば杉村春子さんみたいな感じかなあ。
とにかく、アメリカでは映画史上で一番人気ある女優さん。

>この映画のレビューを見るとドイツ軍を一方的に悪者にしすぎだとか、アフリカの原住民は未開で非文明的と決め付けているとか難しい評価も見かけますが

そういうのを的外れと言います。ロマンティック・コメディーにそんなジャーナリスティックな視点を投げかけたところで意味ないです。映画の見方が余りに不器用で、気の毒になってしまいますねえ。
Posted by オカピー at 2006年01月18日 02:18
>JEMINI-Bさま
はじめまして。ようこそお越しくださいました。古い映画に集中して紹介しています。今後ともよろしくお願いします^^

>オカピーさま
キャサリン・ヘップバーン、”嫌い”といってしまうと言い過ぎかもしれませんが、どうも苦手ですねぇ(笑)。”赤ちゃん教育”のマシンガントークにやられたせいでしょうか。
>日本で言えば杉村春子さんみたいな感じかなあ。
>アメリカでは映画史上で一番人気ある女優さん。
うーむ、そこまでいわれるともう少し観てみないわけにはいきませんね。お勧めがあればぜひ教えてください^^
Posted by FROST at 2006年01月18日 09:57
>キャサリン・ヘップバーン
丁々発止でよく喋る現実的な役が多いので、どちらかと言えば妖精のようなオードリーのように日本人には好かれませんが、巧い女優さんですよね。
作品の質は平均して高いですが、お奨めしたいのは、

「旅情」余りにも有名。ご覧になっているかも。
「若草物語」(1933年版)
「黄昏」晩年の滋味溢れる秀作

「アダム氏とマダム」など面白い作品が数多くありますが、よく喋るのはお嫌いなようなのでお奨めできません。
Posted by オカピー at 2006年01月21日 17:17
>オカピーさま
いつもありがとうございます。旅情ははるか昔に観ていますが再見が必要ですね。黄昏はロードショーで観たのを思い出しました。そういえば、キャサリン・ヘップバーンでしたねぇ。これももう一度観ねば。チェックしてみます^^
Posted by FROST at 2006年01月23日 01:18
キャサリン・ヘップバーンは苦手でしたが
この映画で好きになりました。
ハンフリー・ボガードとのコンビっぷりが
面白くて楽しくてあらためて演技のうまい人なんだなあ、と感じました。
年をとってもカッコイイ人でした。
Posted by sesiria at 2006年09月12日 18:56
>sesiriaさん
”黄昏”のキャサリン・ヘップバーンは良かったですね。若い頃の彼女は私も少し苦手です。この映画はボガート目当てで観たのですが、なんか改めて自分のレビューを読み直すとあんまり評価してませんねぇ。おかしいなぁ。これとか”黄金”とかの「汚いボガート」は結構好きです。
Posted by FROST at 2006年09月13日 01:32
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Posted by トリーバーチ バッグ at 2013年08月03日 22:08
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Posted by monclers at 2013年08月04日 05:24
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