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2006年01月09日

#0042『欲望という名の電車』エリア・カザン監督 1951年アメリカ

streetcar.jpg”A STREETCAR NAMED DESIRE”

監督: エリア・カザン Elia Kazan
製作: チャールズ・K・フェルドマン Charles K. Feldman
原作: テネシー・ウィリアムズ Tennessee Williams
脚本: テネシー・ウィリアムズ Tennessee Williams
    オスカー・ソウル Oscar Saul
撮影: ハリー・ストラドリング Harry Stradling Sr.
音楽: アレックス・ノース Alex North
 
出演: ヴィヴィアン・リー Vivien Leigh
    マーロン・ブランド Marlon Brando
    キム・ハンター Kim Hunter
    カール・マルデン Karl Malden
    ルディ・ボンド Rudy Bond
    ニック・デニス Nick Dennis
    ペグ・ヒリアス Peg Hillias
    ライト・キング Wright King
    リチャード・ガリック Richard Garrick


「わたしいつも見ず知らずの方のご好意に頼ってきましたの」

田舎町オリオールからニューオーリンズに住む妹ステラを頼ってきたブランチ。実は、夫を亡くしたショックから身をもちくずし、17歳の少年を誘惑したことで追われるように故郷を出てきた。大荘園の娘だったブランチはことごとに上品ぶった態度をとるが、ステラの夫スタンレーはそれが我慢できない。粗暴で猜疑心の強い彼はオリオールでのブランチの行状を調べ上げ、精神的に彼女を追い詰めていく。

テネシー・ウィリアムズの同名戯曲の映画化。1947年にはブロードウェイ舞台劇として上演されており、ブロードウェイ史上最高のヒット作として高い評価を得ました。本作はこの舞台劇の演出家を務めたエリア・カザンを監督に迎えて製作されています。

アンナ・カレニナ”、”哀愁”、”美女ありき”とヴィヴィアン・リーを追いかけていますが、悲劇のヒロインとしての壮絶な演技と彼女の実生活がダブってしまい感情移入しすぎることが多々あります。特にこの作品は、結核と躁鬱病にさいなまれていたまさにその時期に、スタンレーによって追い詰められ狂気に陥るブランチの役を演じたわけで、そう思うとどうしても容色も衰えたヴィヴィアン・リーの姿もつらく、追い詰めるマーロン・ブランド演じるスタンレーにも生理的な嫌悪感を感じてしまって、観たくない(観るのがつらすぎる)映画として自分の中では位置づいてしまっているのです。

が、そういう”ヴィヴィアン・ファンクラブ”的な感情はさておいて観直すと、特に俳優の演技という面で非常に優れた映画であることは間違いありません。

主要キャスト4名(ブランチ役のヴィヴィアン、ステラ役のキム・ハンター、その夫スタンレー役のマーロン・ブランド、ブランチに結婚を申し込むスタンレーの友人ミッチ役のカール・マルデン)のうち、ヴィヴィアン以外の三名はブロードウェイ舞台劇で同じ役を演じています。

三人とも有名なアクターズ・スタジオ(夜中にNHKでアクターズ・スタジオ・インタビューという番組をやっていますがそのアクターズ・スタジオですね)の出身。アクターズ・スタジオでは”メソッド”と呼ばれる演技法をとっていますが、これは演技に形から入るのではなく内なる感情の吐露としての演技を求めるということのようです。より自然体に近い演技を求めるわけですが、”切れる”ブランドは当然のことながら、過去を知ったミッチがブランチをなじるときのマルデンの演技や、殴られて家を飛び出した後にスタンレーの元に戻るときのステラ役キム・ハンターの演技などはまさに感情の爆発。すさまじいの一言に尽きます。

かたや、ヴィヴィアン・リーは映画と同じく舞台にも情熱を傾けた女優で、”欲望という名の電車”のロンドン公演でブランチの役を演じています。ロンドン版は夫ローレンス・オリヴィエが演出を行っていたわけで、オリヴィエといえば現代最高のシェイクスピア役者といわれる人。当然ヴィヴィアンも演技の面でオリヴィエの影響を受けていたであろうと思われます。

結果、この4名の競演は強烈な演技合戦となるわけですが、アクターズ三人組と伍してもヴィヴィアンの演技はまったく引けをとりません。目の表情、首の傾げ方、歩き方から指先の使い方まで、筋金入りの”悲劇の達人”。アカデミー主演女優賞も当然!と思わせてくれます。(アカデミー賞といえば、この4人の中でマーロン・ブランドだけとれなかったんですね。やっぱり、あんまりいやな奴ぶりがリアルすぎたんでしょうか・笑)

久々に観なおしてみてこの映画のすばらしさに改めて気づいたということで、
評価は星5つ★★★★★ すばらしい


さて、ヴィヴィアン・ファンクラブとしては当然”風と共に去りぬ”を観なければいけないのですが、1月いっぱい銀座でロードショーがかかってるんですよ(⇒こちらを参照)。実は随分昔、子供のころに映画館で観た事があり、そのときはとにかく長いのに閉口してタラの炎上シーンくらいしか記憶にのこらなかったのです。当然その後、テレビやDVDで何度も観てはいるのですが、もう一度ぜひ映画館で観て、どのくらい感じ方が変わったかを確かめたいと思い本業のスケジュールを調整中です。

ということで、”風と共に去りぬ”はいつになるかわからないので、いったんヴィヴィアン・リーから離れて”アフリカの女王”を観てみたいと思います。実はこの映画、今回のマーロン・ブランドを破ってアカデミー主演男優賞を獲得。獲得したのはハンフリー・ボガート(ひさびさ^^)。”いやな奴No.1”とはいえマーロン・ブランドはインパクト抜群でしたので、彼を上回ったボギーの演技をぜひ鑑賞したいと思います。

欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット
ビビアン・リー テネシー・ウィリアムズ エリア・カザン

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posted by FROST at 00:23| 埼玉 ☁| Comment(4) | TrackBack(4) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by トプログ at 2006年01月11日 17:05
こんにちは。
Macのブラウザサファリで見ているとスタイルシートが反映されていないみたいですよ〜。
ということでIEで見てます・笑。
なるほど...あの壮絶な演技は俳優魂のぶつかり合いみたいなものでもあるのですね。
そう見れば気楽に観られるかもしれません。
Posted by かよちーの at 2006年01月11日 18:23
かよちーのさん、まいどです。
うーん、なんかFireFoxでもむちゃくちゃなんですよね(全部センターによってたり)
とりあえず、どう直していいのか良くわからないので完全標準テンプレートに戻してみます。
映画のほうは、そう、ブランドとヴィヴィアンははじめかなり衝突したというような記事も見かけたので、プライドのぶつかり合い観たいなものはあったんじゃないかな。
Posted by FROST at 2006年01月12日 01:34
やっぱり、実際も合わなかったんですか〜。オソロシイ・笑。
Posted by かよちーの at 2006年01月12日 13:01
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