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2005年12月14日

#0034『私は告白する』アルフレッド・ヒッチコック監督 1953年アメリカ

iconfess.jpg”I Confess"

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: バーバラ・ケオン
原作: ポール・アンセルメ Paul Anthelme
脚本: ウィリアム・アーチボルド William Archibald
    ジョージ・タボリ George Tabori
撮影: ロバート・バークス Robert Burks
音楽: ディミトリ・ティオムキン Dimitri Tiomkin
    レイ・ハインドーフ Ray Heindorf
 
出演: モンゴメリー・クリフト Montgomery Clift
    アン・バクスター Anne Baxter
    カール・マルデン Karl Malden
    O・E・ハッセ O.E. Hasse
    ドリー・ハス Dolly Haas
    ブライアン・エイハーン Brian Aherne
    チャールズ・アンドレ Charles Andre


【ネタバレ気味です。ご注意!】

教会の使用人ケラーは、金銭トラブルからビレットを殺害。恩人であるローガン神父にその顛末を懺悔します。ケラーが僧衣をまとって殺人を行ったことから警察の捜査はローガンの身辺に及びますが、実はローガン自身レビットとは因縁浅からぬ間柄。アリバイを証明することができないために殺人容疑者として裁かれることになるローガンですが、カトリックの戒律により懺悔で聞いた話は絶対に他言できません。真犯人を知っていながらそれを告げることができないまま、裁判は進み・・・。

く・・・暗い。ケベック州の重苦しい町並みに重厚な教会の建物。そして何よりモンゴメリー・クリフトの演技。デビュー作の”赤い河”ではジョン・ウェイン相手に火の出るような殴り合いを見せてくれたモンゴメリー・クリフトですが、本作ではとにかく直立不動。歩いても話してもまっ四角という感じで終始一貫表情すら変わりません。カトリックの神父という役柄もあるのでしょうが、ヒッチコック映画の中でも異例の暗さじゃないかと思います。しかもヒッチコックらしいユーモアもない(冒頭の道路標識くらいかな)のでかなり重苦しい雰囲気。

その、モンゴメリー・クリフト扮するローガン神父ですが、殺人犯の濡れ衣を着せられるという状況にもかかわらず、とにかくしゃべりません。「沈黙により深まるサスペンス」というんでしょうか。見ているこちらは、果たして彼は真相をしゃべるのか、もししゃべらないのならどうやってこの危機を脱するのか、その一点に意識が集中します。映画の中に他にアソビがない分集中も高まります。ラストは書けませんが、「そうきたか」と言う感じでふぅっとためていた吐息が漏れてしまいました。

今まで観てきたヒッチコック作品では、巻き込まれた主人公は、とにかくそれから逃げよう、もしくは反撃しようとするわけですが、ローガン神父の場合巻き込まれた事件そのものにかなり深く関わっています。しかも、それは同時に大切な人を守ることにもなっているわけで、こうなってくると戒律が理由で黙っているのか、大切な人を守るために黙っているのか、それとも罪の意識からなのか、いくつもの見方が頭をよぎります。

この映画、賛否両論かなり幅のある作品のようで、モンゴメリー・クリフトの硬い演技に不満を唱えるレビューもかなりあるようです。が、このまったく愛想のない神父が頑なに口を噤むからこそ、さまざまな複線が生き想像が膨らむわけで、そういう意味ではモンゴメリー・クリフトは鬼気迫る名演・・・・なのかもしれません。

彼については、同性愛とかアルコール中毒であったとか、後の事故と顔面麻痺の件などどうもネガティブな話題が頭に入っているので、ちょっと割引き気味に観てしまうのですが、どちらにしてもこの映画はモンゴメリー・クリフトの映画であることは間違いなさそうです。

相手役のアン・バクスターには今ひとつ入り込めませんでした。”見知らぬ乗客”のルース・ローマンを見たときも感じたのですが、なんか役柄にそぐわない違和感を感じます。いい女優さんだと思うんですけどね。前回レビューした”北北西に進路を取れ”のエヴァ・マリー・セイントや"ダイヤルMを廻せ!”のグレース・ケリーのような作品を引っ張る存在感が感じられません。

ルース・ローマンとアン・バクスターに共通するのは・・・製作会社から押し付けられた女優さんということ。ヒッチコック監督やる気なくしちゃうんでしょうか(笑)。もともとは、ブロンドのスウェーデン女優を使いたかったようですが、イングリッド・バーグマンのロッセリーニ事件があったために製作会社からキャンセルされてしまったそうです。アン・バクスターをブロンドにしちゃったのはその腹いせですかね(笑)

評価は星4つ★★★★☆

さて、次回ですが、手元のヒッチコックDVDを全部観たのでヒッチコックシリーズはいったんおいてヨーロッパ映画に行ってみたいと思います。持っているDVDを眺めて、どれにしましょう・・・・フェリーニの”甘い生活"1960年の作品ですね。これにしてみましょうか。

ヒッチコックはまだまだ大所でレビューしてないものも多数ありますので、順次加えていきたいと思います。


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posted by FROST at 09:06| 埼玉 ☔| Comment(5) | TrackBack(3) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB致しました。
モンティは素晴らしいでしょう。僧服を着て颯爽と歩く姿は見どころの一つ。それ故に、突然寄りかかっていたりするショットが挿入されると効果的ですよね。
演技が硬い? ヒッチコックは舞台的な大げさな演技が嫌いなのです。ポール・ニューマンが余りに遣りすぎたので、そうした場面を尽くカットし、そうでないカットを繋ぎ合わせて帳尻あわせをしたと告白しているくらいです。
Posted by オカピー at 2006年04月02日 18:37
トラックバックしました。
私もアン・バクスターはイマイチかなぁと思ってました。
単に私がアン・バクスターの事を好きじゃないからかも・・と思っていたのですが、FROSTさんも同じ感想を持っていて良かったです(^^)
Posted by カカト at 2006年08月30日 17:38
カカトさん、こんばんは。
やっぱりちょっといけてませんよね<バクスター。どうも老け顔に見えるのは偽ブロンドのせいでしょうか・・
Posted by FROST at 2006年08月30日 23:55
>アン・バクスター
ヒッチコック好みではなかったんですね…。「イヴの総て」が特に印象的な女優さんでした。
>モンティ
>、同性愛とかアルコール中毒であったとか…
なんか暗いキャラのイメージはあったのですが…そういう事があったんですか!でもこの作品ではぴったりなイメージでした。
Posted by ぶーすか at 2006年09月16日 07:28
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Posted by 時計 ベルト at 2013年07月26日 16:40
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映画評「私は告白する」
Excerpt: ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1952年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-04-02 18:23

「私は告白する」
Excerpt: 「私は告白する」 (I Confess) 1952年アメリカ 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 モンゴメリー・クリフト    アン・バクスター あらすじ  カナダのケベック..
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Tracked: 2006-08-30 17:33

「私は告白する」「ラストコンサート」
Excerpt: ●私は告白する……★★★★★ 【NHKBS】モンゴメリー・クリフト扮する美形の神父が殺人事件の容疑者にされ裁かれる、巨匠ヒッチコックのサスペンス。最後まで展開が読めずハラハラ! ●ラストコンサート..
Weblog: ぶーすかヘッドルーム・ブログ版
Tracked: 2006-09-14 10:21
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