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2005年12月13日

#0033『北北西に進路を取れ』アルフレッド・ヒッチコック監督 1959年アメリカ

North by Northwest.jpg

”North by Northwest”

監督: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作: アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
脚本: アーネスト・レーマン Ernest Lehman
撮影: ロバート・バークス Robert Burks
音楽: バーナード・ハーマン Bernard Herrmann
タイトルデザイン: ソウル・バス Saul Bass
 
出演: ケーリー・グラント Cary Grant
    エヴァ・マリー・セイント Eva Marie Saint
    ジェームズ・メイソン James Mason
    ジェシー・ロイス・ランディスJessie Royce Landis
    マーティン・ランドー Martin Landau
    レオ・G・キャロル Leo G. Carroll
    エドワード・ビンズ Edward Binns
    ロバート・エレンスタイン Robert Ellenstein


カプランという男と間違われて誘拐されてしまった広告マン、ロジャー・ソーンヒルは、謎の人物タウンゼントからある仕事への協力を要請される。そして、人違いが判明すると今度は泥酔運転に見せかけて殺されそうになる。窮地を脱したロジャーは、翌日、真相を確かめようと国連ビルへ赴くが、そこに現れたタウンゼントは全くの別人だった。そして、タウンゼントの背中にナイフが突き立てられ、容疑はロジャーにかかってしまう……。(allcinema)

「ラシュモア山でチェイスを撮りたい」。ヒッチコックのアイデアを実現するために作られた作品。ラシュモア山というのは、あの有名な大統領の顔が刻まれている山ですね。それにいたるストーリーを書き上げたのは、後に”ウエストサイド物語”や”サウンド・オブ・ミュージック”も手がける名脚本家アーネスト・レーマン。1959年度のアカデミー脚本賞にノミネートされましたが、惜しくも”夜を楽しく”のスタンリー・シャピロに敗れてしまいました。

アカデミー賞は獲得できなかったとは言え、非情にテンポの早い抜群に面白いストーリーで楽しめます。典型的な巻き込まれ→追っかけパターンに、謎のスパイ団や正体不明の美女。マイクロフィルムのマクガフィン、イニシャル入りのマッチや例のピストルなどの小物類も充実し、その上飛行機やトラックなどの大技も炸裂。スリル満点の凝ったシーンが満載で、さながらヒッチコックショーケースの趣です。ああ、そうだ列車内の追っかけっこもちゃんとありますよ^^。

今まで見てきたヒッチコック作品の中でもずいぶん洒落た感じがしますね。カラーがきれいということもあるでしょうね。時代を追ってヒッチコック作品を観てきているわけですが、これだけきれいなカラー作品ははじめてです。ヒッチコックは必ずしもカラーを取り入れるのに積極的では無かったようですが、駅の赤帽のシーンなどたくみに色使った印象的なシーンを作り上げているのはさすがです。

カラーでもうひとつ印象的なのは美しいブロンド。ヒロインのエヴァ・マリー・セイントにはちょっとくらくらきました。ヒッチコックはフェロモンがバンバン出るようなグラマラスな女性の魅力を否定し、上品さをヒロインの第一条件に挙げていますが、エヴァ・マリー・セイント扮するイヴは上品さの中にも妖艶なセクシーさが漂っており、まさに大人の女の風情(役柄では26歳なんですけどね)。本作の大人風のおしゃれな感じは、このエヴァ・マリー・セイントの存在感によるところ大です。ケーリー・グラントとの列車内のキスシーンは、多分手の表情にかなり凝っていると思いますが、きれいなブロンドの髪と相俟ってまさに絶品。”汚名”のバーグマンとグラントの有名なキスシーンにも匹敵する名場面です。

クライマックスのラシュモア山でのチェイスは「よく撮った」の一言に尽きますが、驚いたのはラストシーンへのつなぎ。内容を書けないのが残念ですが、今まで見たヒッチコック作品の中で最高のラストシーンです。

評価はもちろん星5つ★★★★★

予告編はこちら

さて、次回はいよいよ手持ちのヒッチコックDVD最後の一枚”私は告白する”。凛々しい神父モンゴメリー・クリフトに注目です。

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北北西に進路を取れ
北北西に進路を取れアルフレッド・ヒッチコック ケーリー・グラント エバ・マリー・セイント

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posted by FROST at 01:27| 埼玉 ☔| Comment(13) | TrackBack(4) | OLD:アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ラシュモア山の麓のレストランでのヒッチコックのミスは「うふふ」と笑ってしまいました(^^)

私はまだ「私は告白する」を観ていないんです。レビュー楽しみにしてます。
Posted by カカト at 2005年12月13日 16:48
これはヒッチコック映画の中でも私の一番好きな作品です。
展開が早くて舞台もヴァラエティに富んでいて,特にあのとうもろこし畑のシーンはハラハラドキドキで印象に残っています。
そして,ラストでは私もオオッ!とのけぞりました^^。

適役ジェームス・メイソンは昔から好きな俳優なんですが,やっぱり悪役に存在感があるとサスペンスは盛り上がると感じます。

さて,私のブログからもこちらにリンクをさせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by ジューベ at 2005年12月15日 00:46
>カカトさん
え?あれ?レストランのミスってなんですか?全然知らなかったりするんですけど(^^;)レンタルだから返しちゃったし・・教えて!

>ジューベさん
確かにこの作品面白さ一番ですよね。悪役はジェームス・メイソンももちろんですが、参謀のマーチン・ランドーもいい悪役ぶりです。インテリ系の悪党をやらせたらピカイチですよね。
リンクありがとうございました^^
Posted by FROST at 2005年12月15日 01:57
レストランで銃を撃つシーンで、大きな銃声が鳴る事を知っていた少年が、銃声が鳴る前に耳をふさいでしまっている・・・と、いうやつです。少年の位置からは二人のやりとりが見えないはずなので、ちょっとおかしいですよね(^^)
Posted by カカト at 2005年12月15日 15:35
へぇ〜×20(@o@) そんだったんですか。全然気がつきませんでしたが・・見たかったなあ、そのシーン。もう一回借りてこよ。ありがとうございました^^
Posted by FROST at 2005年12月16日 10:37
コメント&TB失礼します。
レストランでの銃声…少年には僕も気づきませんでした。
たぶんにもれずビデオも返却してしまって後の祭りです^^;
Posted by 現象 at 2006年01月13日 15:23
現像さん
はじめまして、ようこそお越しくださいました。ちょっとPCトラブってましたので遅くなりました。実は、もう一回借りてきて確認しましたよ♪。確かにカカトさんがおっしゃるとおり、少年思い切り耳ふさいでました・笑
Posted by FROST at 2006年01月16日 02:21
耳ふさぎ,,,へぇ〜今度観る時はそれ気をつけて観ます〜。
Posted by かよちーの at 2006年02月14日 00:06
かよちーのさん
それを観たいが為だけにもう一度レンタルしてしまった。で、思い出しましたけど肝心のカカトさんに報告するの忘れたなぁ〜
Posted by FROST at 2006年02月14日 22:37
やっと第46作までたどり着きましたので、TBさせて戴きました。もっとこの作品のレビューランキングも上げるぞー。
今回観たビデオは色と解像度が最悪で、あのバス停留所の場面が全然駄目でした。DVD買うしかないなあ。WOWOWで去年放映したと思いますが、観れば良かった!
今月はもう一本、愛する第45作「めまい」まで参ります。
Posted by オカピー at 2006年02月17日 02:28
オカピーさん
TB&コメントありがとうございます。画質残念でしたね。私がレンタルしたDVDは驚くほど色が鮮やかでした。こちらのヒッチコックシリーズは山羊座の手前で止まってますが、グレゴリー・ペックが一段落したら復帰します^^
Posted by FROST at 2006年02月17日 02:58
バーナード・ハーマンの音楽といい、ソウル・バスのタイトルデザインといい、
カッコ良くて素敵です。人っ子一人いない
道でケーリー・グラントが佇んでいて
遠くに飛行機が見えている・・・・という
流れの「間」が いいですね。きっと何か起きるに違いない・・・と思わせる・・・その緊迫感はあの「間」によって生み出されましたね・・・。ラシュモア山の大小の
対比もとても面白く、ラストはのつながりもおっしゃるように良かったですね!
Posted by sesiria at 2006年09月14日 20:16
>sesiriaさん、『北北西〜』の飛行機のシーン観てるとですね、このシーンを思いっきりイマジネーション広げて一本の映画にしたのが『鳥』なんじゃないか・・なんて思ったりするんですよ。
Posted by FROST at 2006年09月15日 00:48
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